シーズン3 第2話:前世からの影
『没落貴族から大企業の御曹司に転生した俺、前世の知識と裏工作で裏金(年22億円)を稼ぎつつ、冷徹な婚約者を捨てて純愛を掴み取る』シーズン3、第2話をお届けいたします!
暗号化ネットワークに残された、前世の名「シルヴィス」と古代魔法言語のコード。
日常に忍び寄る不穏な影を察知した晃は、すぐさま裏の私兵集団と結衣を動かし、謎の侵入者の解析を開始します。
政財界の裏に潜む「前世の因縁」を持つ新たな敵の正体とは——!?
進化を遂げた年間70億円の暗黒資本と最新テクノロジーで迎え撃つ、暗黒の覇者の智略劇をお楽しみください!
「解析の進捗はどうだ、結衣」
都内某所、一条グループの所有する極秘地下オペレーションルーム。
無数のモニターに囲まれた中央デスクで、結衣は凄まじい速度でキーボードを叩いていた。
「……信じられません。相手は世界中のIPアドレスを無数に踏み台にしているだけでなく、アクセスログ自体に『論理的な矛盾』を含ませています。まるで……現代のプログラミング規格そのものを無視して、別の法則でデータを書き換えているような……」
結衣の額にじんわりと汗が滲む。かつて欧州最大級の闇組織・ブラックウェル財団のメインサーバーすら容易くハッキングした彼女をもってしても、今回の相手は異質だった。
「やはりな。現代の技術体系ではなく、前世の『魔術理論』を情報通信に応用しているんだ」
俺は腕を組み、冷ややかな視線をモニターへと向けた。
前世の世界において、俺——没落貴族シルヴィスを死に追いやったのは、王国の陰謀だけではない。その陰で糸を引いていたのは、禁忌の魔術と裏社会の資本を牛耳る「影の魔術師ギルド」だった。
(まさか、俺と同じように現世へ転生を果たした奴がいるというのか……?)
その時、地下室の重厚なドアが開き、私兵リーダーの男が入室してきた。
「若様、ご指示通り『裏のルート』から政財界の不審な動きを調査させました。……一つ、極めて奇妙な情報が引っかかっております」
「言ってみろ」
「ここ数ヶ月、海外から莫大な資金が流入し、国内の老舗製薬会社や精密機械メーカーが相次いで買収されています。その親会社として浮上したのが『アーカーシャ・コンサルティング』なる謎の外資系ファンドです。そして……その代表を務める男の経歴が、完全に偽造された真っ白な代物でして」
私兵リーダーが差し出したタブレットには、一人の男の顔写真が映し出されていた。
銀髪にオパール色の瞳を持つ、若き新興投資家——レオン・ヴァルハイト。
その顔を見た瞬間、俺の胸の奥で、前世の血が激しく逆立った。
(……間違いない。前世で俺の領地を陥れ、罠に嵌めた貴族の暗部……『アーカーシャ』の筆頭魔導師、レオン……!)
「晃様……?」
俺の雰囲気が一変したのを察した結衣が、不安そうに俺の服の袖を掴んだ。俺はすぐに冷徹な表情を取り戻し、結衣の手を力強く握り返す。
「大丈夫だ、結衣。……どうやら、虫の息で生き延びていた前世の亡霊が、現世の豊かな資本を嗅ぎつけて這い出てきたらしい」
俺は不敵に口角を上げた。
レオンが現世で手にしているのは、買収した数社の資産と謎の裏資金——せいぜい数十億円規模といったところだろう。
だが、今の俺には年間70億円を叩き出す完全自動化された暗黒資本と、現代の最新テクノロジー、そして命を誓う最強の私兵たちがいる。
「結衣、アーカーシャ・コンサルティング関連の全口座および取引ルートの特定を急げ。……それと、俺たちの暗黒資金から20億円を即座に動かせるようスタンバイだ」
「はい、晃様! すぐに着手します!」
「敵が魔術だろうと何だろうと関係ない。この現代日本で俺と結衣の平和を乱す者には……現実の『資本の暴力』で叩き潰してやる」
前世の宿敵との現世でのマネーゲーム。
暗黒の覇者・一条晃の逆攻勢が、いま始まった。
『没落貴族から大企業の御曹司に転生した俺...』シーズン3、第2話をお読みいただきありがとうございました!
ついに姿を現した新たな敵——前世の宿敵である魔術師ギルドの男、レオン・ヴァルハイト!
魔術理論を現代のハッキングや買収工作に応用して襲いかかるレオンに対し、晃様は「20億円の暗黒資本」を即座に投入して迎え撃つ構えを見せます!
前世の因縁×現代の圧倒的資金力バトル、熱い展開になってまいりました!
次回、第3話「マネー&マジック」!
現代の金融市場を舞台に繰り広げられる、晃の圧倒的「ざまあ」予備軍工作をお楽しみに!
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