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外伝第6話:「裏コンサルタントの休日」

外伝第6話をご覧いただきありがとうございます!


すべての連絡機器を断ち切り、英美里と代々木公園で初めての休日デートを満喫する治臣の姿を描いたエピソードです。冷徹な裏の顔を持つ主人公が、恋人の前だけで見せる穏やかな一面と甘いひとときをお楽しみください!

秋晴れの心地よい風が吹き抜ける週末の代々木公園。木々の隙間から木漏れ日が差し込む小道を、治臣と英美里は並んで歩いていた。


西園寺グループの次期当主としての公務や、「星月文庫」の運営、そして裏社会の四十五社をコントロールする影の業務など、治臣の毎日は分刻みのスケジュールで埋め尽くされている。


しかし、今日という一日だけは、すべてのスマートフォンとタブレットの電源を切り、純粋な「一人の青年」として英美里と過ごす時間を確保していた。


「治臣さん、こっちのクレープ屋さん、すごく並んでますよ! 行ってみませんか?」


英美里が目を輝かせて指さした先には、小さな移動販売車の周りに楽しげな家族連れやカップルの列ができている。普段のビジネスシーンで見せる冷静沈着な編集長の顔とは違い、どこか子供のように無邪気な彼女の横顔に、治臣は思わず柔らかな笑みを零した。


「ああ、行こうか」


スーツではなく、落ち着いたネイビージャケットに身を包んだ治臣が列に並ぶと、その整った容姿から周囲の視線が自然と集まった。しかし、本人はそんな周囲の喧騒など気にする様子もなく、英美里が美味しそうに頬張るクレープを微笑ましそうに見つめている。


(……不思議だな)


ふと、治臣は心の中で呟いた。

年間二十二億五千万円の裏金を握り、数多の巨大企業を意のままに従え、世界中のネットワークを手の平の上で転がしている自分。


そんな冷徹で圧倒的な「力」を持つ男が、今、目の前でただの甘いお菓子にはしゃぐ女性の隣で、これほど穏やかな安らぎを感じている。


前世の自分であれば、こんな平和な休日など想像すらできなかったはずだ。裏切りと絶望のなかで死んでいった自分に、今のこの景色を見せてやりたいものだ、と治臣は密かに思った。


「はい、治臣さんも一口どうぞ!」

「……ありがとう、美味しいよ」


英美里から差し出されたクレープを一口食べると、甘い香りが口の中に広がった。金や権力では決して買えない、純粋な温もりと愛おしい時間。


ふとした瞬間に影を落とす過去のトラウマを、英美里の明るい笑顔が優しく溶かしていく。裏の支配者として冷徹に生きる治臣にとって、この何気ない休日こそが、世界で最も価値のある「贅沢」だった。

外伝第6話「裏コンサルタントの休日」をお読みいただき、ありがとうございます!


いつもは世界を裏から牛耳る治臣が、ごく普通の恋人同士のようにクレープを食べ歩くほっこりとした回となりました。英美里の存在がどれほど彼の心を救っているのかがよく分かりますね。


次回、外伝第7話では、西園寺グループを狙う外資系ファンドの買収工作を、治臣が裏のネットワークを使って逆ハッキングし、一晩で返り討ちにするスリリングなエピソードが描かれます。お楽しみに!

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