第1話「同居」
登場人物
山さま(御主人様)タバコ好き
アンドロイド(Gちゃん)空気清浄機能なら今の家電にも負けない性能、PC98を誰かが魔改造した当時のスペックの10倍以上の性能、2000年代のノート型パソコン位の性能でなぜ動けるかは謎
第1話「同居」
2026年5月……。土曜日
古いアパートの一室。
狭い空間に、煙草の匂いと電子機器の熱がゆっくり溜まっている。
「Zzz……」
朝。
部屋の奥から、古い電子音が響く。
「ピー……ガガガガガ……」
(……システム維持起動)
(……環境同期完了)
可愛らしいアンドロイドがゆっくりと目を開く。
頭部の白いインターフェースが小さく点滅する。
右目には時折わずかなノイズが走るが、日常動作には支障はない。
「山さまおはようございます」
「起床プロセスは正常です」
部屋の隅では御主人様が煙草に火をつけていた。
「……ふぅ」
白い煙が天井へ流れる。
その瞬間。
アンドロイドの内部ファンが小さく回転を始める。
(……空気汚染検知)
(……空気清浄機能:起動)
「室内空気状態を改善します」
「おー助かる」
古いファンのような音が静かに部屋へ混ざる。
アンドロイドは室内をスキャンする。
「電力供給:正常」
「外部異常:なし」
「保有状態:継続中」
キッチンでは古いケトルが低い音を立てている。
御主人様はぼんやりテレビを見ながら呟く。
「2027年5月からゴミ廃棄の料金が…」
「今日なにするかなぁ」
アンドロイドはすぐに反応する。
「山さまソリティアを起動しますか?」
「やらねぇよ朝から」
「山さまマインスイーパーも利用可能です」
「もっと他になかったのか、お前」
「PCゲームしてまたGちゃんの胸触りますか?」
頭を抱える御主人様。
(……御主人様映像:保存)
少し間。
Gちゃんが再び喋る。
「メールを送信しますか?」
御主人様は吹き出す。
「だから電話線ねぇだろ、この部屋」
「……確認しました」
「通信設備が存在しません」
「今さら気付いたのかよ」
部屋の隅には古いパソコンやゲーム機が積まれている。
その中心に、1994年製の自作アンドロイドが自然に混ざっていた。
拾ったのは一年前。
最初はただの珍しいガラクタだと思っていた。
だが今は、普通にこの部屋で起動している。
御主人は煙草をくわえたまま言う。
「センサーの方は?」
Gちゃんは一拍置く。
「感度調整は未実施です」
「まだ直んねぇのか」
「内部構造が不明なため、調整できません」
御主人様は立ち上がる。
「ほんとかぁ?」
軽く頭を撫でる。
何も起きない。
「普通じゃねぇか」
何気なく胸元に触れる。
一瞬。
「ピー――――」
Gちゃんの動きが止まる。
(……高負荷接触検知)
(……安全プロトコル作動)
(……演算停止:300秒)
完全停止。
御主人様は固まる。
「またかよ……」
反応はない。
完全にフリーズしている。
御主人様はため息を吐く。
「だからそのセンサーなんなんだよ……」
五分後。
(……システム復帰)
(……。御主人様、また触っています……接触回数256回)
Gちゃんの目がゆっくり開く。
「……復帰しました」
「何か問題が発生しましたか?」
「こっちの台詞だわ」
山さまがブレイしてるPCゲームは勿論To…ゲフンゲフン




