第16話 獣王国・直談判
準備を終えた俺達はハンターギルドに向かっていた。
魔獣討伐に志願するためだ。
道は色々な人で溢れている。
すぐに店を畳もうとする人。大荷物を抱えて急いで移動する人。自分の家に戻ろうとする人。
街は混乱の最中だ。
正直、歩きづらくてしょうがない。
失敗した、もう少し時間が経ってから移動するべきだった。
「でも、意外」
俺の後ろを着いてくるヨミが口を開く。
「何が?」
「この前も『目立つの嫌』て言ってたじゃん」
「まぁ、言ったな」
「なのに、志願するんだ?」
「まぁ……」
ヨミの言いたいことは分かる。この前と言ってること違うじゃん、だろ?
別に、嘘を言った訳じゃない。実際、今回の防衛戦の全貌を聴くまでは、ヨミに話した通り、我関せずを通したと思う。
「やっぱりサガ兄は優しいね」
「………は?」
何を勘違いしたのか、ヨミがそんなことを言ってきやがった。
優しい? 何が? どう勘違いしたら、そんな言葉が出てくるんだ。
「どういう意味だよ」
俺は歩きながらも、顔だけヨミに向ける。
「だって、獣王国の人だけじゃスタンピード止められないと思ったから志願するんでしょ?」
ヨミはニヤニヤと笑みを浮かべながら、自分の推測を口にした。
「いや違うけど」
「違うって何が?」
「志願理由。全然そんなんじゃないから」
「えぇ〜? だったらなんで志願するの?」
「そんなの、魔獣の素材以外に無いだろ。今回のスタンピード、普段はお目にかかれない変異種が沢山いるって話だろ? そんな宝の山をみすみす見逃すなんてありえない。ただそれだけだ」
「………へ〜」
志願理由をちゃんと話したっていうのに、ヨミは俺のことを下から覗きながら、俺のことを探るような目で見てきやがる。
この目、この笑み、信じてないな、コイツ。
あ、今、「変な意地を張らなくても」て呟きやがった。やっぱ信じてねぇ。
てか、なんで俺が『優しい』なんて評価を下されるんだ。自分ファーストな俺だぞ。ありえねぇだろ。
そんな本質と違う評価は本当に迷惑だ。
ヨミの変な評価に辟易しながら、俺は変わらずギルドを目指した。
ギルド内にて。
このライラックにあるギルドは教会並にデカい。
二階建てで、一階がハンター達が仕事を受ける窓口として利用されており、二階は職員専用スペースとなってる。
一階はそこらの食堂より広い。日本の大学の食堂並。
今、その一階は大量のハンターでごった返しになっていた。
壁には、ハンターに向けた連絡事項を書いた紙を貼り付けられる掲示板が何枚かあり、その内の一枚に、ハンター達が集中している。
その掲示板に貼り付けられている紙は一枚。
それは、今朝、王国軍が持ってきた『志願兵募集』の紙だ。
紙には、今回のスタンピードの規模や、大まかな戦略、志願方法、今回のスタンピードにおける報酬や、死亡した際の家族への補填などが事細かに書かれている。
俺やヨミもその紙の近くに来ていた。
「………………」
志願して得られるのは金と素材。
倒した魔獣は、一度、そのままにして、スタンピード収束後、国の者が素材を回収し、分配する方式。
分配される量は、スタンピード収束にどれだけ貢献したかによって決められる、か。
誰かが監視役となって、一人一人の貢献度を図る訳ないし、余程の成果が出せなきゃ、報酬は他の奴らと一緒になる、てことだろ?
余程の成果を出す自信はあるが、倒した魔獣が丸ごと手に入る訳じゃない。
他の奴らへの分配もあるし、害を被った領地への補填もあるだろう。
分配を国に任せていたら、満足の行く量を貰えるか怪しい。
こりゃ、正規の手段での参加は無しだな。
「ヨミ、出るぞ」
「え、志願しないの?」
「ここではしない。別口で行く」
「え、え?」
混乱するヨミの手を引っ張りながら、ギルドを後にする。
俺は面倒事が嫌いだ。面倒事を起こせば、その分、研鑽や研究の時間を取られるからだ。
でも、行く行くは、圧倒的な強さ、他の貴族連中が手出しできないほどの権力、そして、莫大な金を手に入れようと考えている。
例え、異常事態に遭遇しようと、それだけのものが揃っていれば、大抵、なんとかなる筈だからだ。だから、この三つは、本編が始まるまでに揃えておきたい。
でも、それを手に入れようとすれば必ず目立つ。どうやったって目立つ。目立てば、その分、面倒事だってかけ込んでくる。
だから、せめて、注目を集める時期はギリギリまで遅らせる予定だった。目立つにしても、一気に実力を世間に知らしめ、例え王族であっても簡単に手出しできないような地位─── “Sランク” の高みへ一気に駆け上がる予定、だった。
「………はぁ」
仕方ない。予定を一部修正しよう。
変異種の出現は運が絡む。例え、金や権力があったとしても、簡単に手に入る物ではない。
それが大量に手に入る機会だぞ。面倒を嫌って逃すなんて馬鹿げてる。
変異種の素材はミスリル以上の価値がある。中には、出現率一万分の一の希少な魔獣の素材だって。
何がなんでも手に入れる。
大量に手に入れてやるぞ……!
□□□
その日の夜。
獣王が止まるという高級宿に俺達は来ていた。
「ちょ、サガ兄、本気?」
「あぁ、本気も本気だ。俺達レベルの実力者が他の雑兵と同じことをやらされるなんておかしいだろ? 納得いかないことがあれば直談判、てな」
俺がそう答えると、ヨミが溜め息をつきながら右手で頭を抱える。
この国の王様が泊まる宿に殴り込み。
俺は今、かなり目立つことをしようとしている。もうこれ以上は無いんじゃないかと言えるほど、目立つことをな。
けど、実力主義の国で意見を通すなら、これ以上のものは無い。
幸い、獣王国は閉鎖的な国だ。
ほとんどが国内で完結するからな。食料は豊富だし、研究者も多数在籍するため、生活も豊か。
だから、例え、俺がこの国でどんなことをしようと、俺の噂が他国に広まることはないだろう。噂が伝わったとしても、半信半疑の域を出ない………筈だ!
多少のリスクを背負うことになったとしても、変異種の素材は是が非でも欲しい。
だから、王様に直談判して、ほとんどの魔獣を俺達が引き受ける代わりに、討伐した魔獣の死体はそのまま貰い受ける、という契約を交わして貰う。
そうすれば、俺は素材が貰えてハッピー。王様達はほとんど被害が出なくてハッピー。Win-Winの関係を結べるという訳だ。
「という訳で、頼んだぞ、ヨミ」
俺は言葉でヨミの背中を押す。
俺の武器は範囲武器ばっかだからな。狭い所での戦いには向かない。絶対、建物を壊しちまう。
なので、こういう場所での戦闘はヨミに任せる。
ヨミは頭を抱えたまま、もう一度、溜め息をついて、宿へ向けて脚を動かし始めた。
「「……」」
宿の扉の前には、槍を持ち、鎧を着た兵士が二人居て、槍で扉の前を塞ぐ。
「ここは本日貸切だ。他を当たれ」
「もしゴネるようなら、反乱分子と見なし、ここで排除する」
門番の行動は正しい。
今回、非常識なのは俺とヨミの方だ。
王様や他の重鎮が泊まる宿に、他の者を入らせる訳にはいかない、なんて、子供だって分かる常識。
俺でも分かることなんだ。当然、ヨミだって分かってるだろう。
───でも、ヨミは止まらない。
「ごめんなさい。けど、サガ兄のためだから」
歩きながら、そう言って、ヨミは左の肘を後ろに動かす。そして───
「「───ッ!?」」
魂力で炎を発生させ、それをまた魂力で拳の周りに圧縮させながら、程よい強さで、門番達に向け、拳を突き出した。
───瞬間、ヨミの目の前で爆発が起きる。
門番諸共、扉が宿の中へ吹き飛び、大量の黒煙が辺りを覆い隠した。
「な、なんだ!?」
「敵襲! 敵襲ー!!」
「こんな時に賊が現れるとは……!」
宿の中にもけっこうな数の兵士が居るな。王様が居るなら当然か。
ささ、ヨミちゃん、こんな雑兵達なんかちょちょいと倒しちゃって、王様の所へ行こう!
ヨミが宿に侵入してから数分で、王様が居るという最上階の部屋に辿り着く。
責務を全うしようとした兵士達は儚く散っていった。あ、別に、命までは取ってないよ?
なんか将軍階級っぽいイカつい人も居たけど、ヨミによって、他の雑兵諸共、まとめて吹き飛ばされてた。
「く、クソッ……!」
「ふざけんなッ」
部屋の前に居た二人の兵士がヤケクソ気味にヨミへ襲い掛かる。
しかし、そんなヤケクソがヨミに通じる筈がない。
その兵士達は、守っていた扉諸共、ヨミに殴り飛ばされてしまった。
扉が壊れたことで、部屋の中が顕になる。
あーなるほど、ここ、会議室的な部屋なのか。
獣王様や側近だけじゃなくて、軍を指揮する奴らまで揃ってる。大きな長机には地図やチェスの駒のような物があることから、作戦会議でもしてたかな?
「やぁやぁどうも初めまして獣王様〜。会議中の所ごめんね〜。ちょっと聴いて欲しいことがあってさ〜」
ヨミが先に部屋へ入り、俺もそれに続き、部屋に入る。
部屋に居た王様達は全員立ち上がっていた。
明らかに軍属っぽい人達が王様と側近を下がらせ、彼らを守るように武器に手を当ててる。
「……」
お、マジか。
獣王と思われる男が、片手で兵士を制しながら、彼らの間を通り、前へ出てきた。
この部屋に居る兵士の内、比較的若い者は王様の行動に困惑していたが、部屋に居る半数以上の者が動じず、王様の動向を見守っている。
おいおい、こういう時は、王様の勝手を制して、逃がそうとするものじゃないのか?
なのに、誰も咎めようとはしない。
それだけ、この王様が信頼されているということなのか。それとも、王様に逆らうのが怖いとか? 知らんけど。
「力でここまで上がってきた褒美だ。聴いてやる」
「……」
褒美、ね〜。
普通、ここは咎める所じゃない? 俺達の非常識な行動をさ。
まぁ、実行した俺達がそれを突っ込むのはおかしな話だけどさ。
「まず、お前達は誰だ?」
「俺達は流れ者だよ。半年以上前、この国に来たハンターさ」
「そうか。一介のハンターが王たる我に何を言いたい?」
「なぁに、ちょっとしたお願いだよ。今回のスタンピードのことに関して、ちょっとね」
俺が『スタンピード』と口にした瞬間、空気がピリつく。
獣王以外の奴らが俺に対する警戒を強めたのだ。
大方、俺のことを、スタンピードを止めようとする王国軍の動きを邪魔しに来た異国の者、とでも邪推したのだろう。
獣王は、空気が変わったことに気付いてるだろうに、変わらず会話を続ける。
「スタンピードに関して、か。外国人のキサマには関係ないことだと思うが、何かあるのか??」
「ん〜、まぁ、関係ないことではあるんだけどね。けど、せっかく、俺がこの国に居る間に起こったことだし。なんなら、ガッツリ関わろうと思ってね」
「ほう? お前は、スタンピード発生を予期していた訳ではないと?」
「そうだね。俺も、スタンピード発生は予想外だよ。俺がこの国に来たのは武術を学ぶためだし」
まぁ、正確には、ヨミに武術を学んでもらうため、だけど。
獣王は、俺が意図的にスタンピードを発生させた異国の者ではないか、確認してきた。
当然、今回のスタンピードに俺は無関係。なので、ちゃんと否定をしておく。
まぁ、いくら言葉で否定した所で、大して信用はしてもらえないだろうけど。
「キサマは我が国に来た修練士ということか。そんな輩が我に何を願う?」
「簡単だよ」
獣王からの問いに、俺は笑顔で答えた。
「今回の魔獣の群れにさ、俺達を真っ先に当てて欲しいんだよ。そして、倒した魔獣の死体を、そのまま俺に頂戴。このお願いを聴いてくれるなら、魔獣の群れの大半を俺達で消してやるよ」
『───』
この言葉は流石に予想外だったみたいだ。
兵士や側近だけでなく、さっきまで表情を崩さなかった獣王まで、驚きを顔に出している。
唯一、驚いてないのは、事前に説明しておいたヨミだけだ。
「プハッ」
獣王の表情が綻ぶ。
どうやら、俺達に少しは興味を持ってくれたみたいだ。
「たかだか戦いに参加したいという理由だけで、こんな珍事を起こしたのか?」
「ただ戦いに参加したいんじゃない。最前線のさらに前、一番前に出して欲しいんだ。そして、倒した魔獣の権利も欲しい」
「なら、わざわざ獣王国に伝えず、先行すれば良かっただろう。何故、わざわざ罪を犯した?」
「いや〜、流石に、スタンピードに備えて国が大々的な準備してるの知ってるのに、それを無視して魔獣を掻っ攫うのは、ね〜? 復興のために魔獣の素材をアテにしてることも知ってるから、何も言わずに横取りするのはちよっとね〜」
「伝えてからなら良いと?」
「言うのと言わないのとじゃ心象違うでしょ?」
「王族に直談判してる時点で最悪だぞ、阿呆め」
それはそう。
まぁ、ぶっちゃけ、何も無ければ、獣王様の言う通り、先に戦場に赴いて、魔獣を殲滅したんだけどねェ〜。
ちょっと、これから始まるであろうゲームのシナリオを考えたら、その手は悪手っていうか。
遠くない未来、もしシナリオ通りに世界が進んだ時に備えて、俺が楽できるようにするため、“テコ入れ” をしとく方がいい。
だからこその直談判。
魔獣の素材を大量に入手して、且つ、未来に備えるには……これ以上の案が思い浮かばなかった。
とはいえ、それは正直に伝える訳にいかないため、頭悪い返答でニコニコ笑顔で煙に巻く。
獣王は、俺が直談判に来た真の理由を明かすつもりが無いと理解したのか、「ハッ」と笑みを浮かべながら息を吐いた。
「お前らなら、魔獣の群れを壊滅させるのも可能だと?」
「あぁ、問題ないね。魔獣を殺すだけなら、俺とヨミ二人で事足りる」
俺も獣王も挑発的な笑みを浮かべて会話を進める。
部屋の中に居る者の顔は、俺・ヨミ・獣王を除いて、強ばっていた。いきなり宿に乗り込んできた相手が突拍子もないこと言い始めたんだ、警戒して当然。
ヨミは、俺の横に突っ立っているだけのように見えて、いつでも動き出せるよう、気を張っている。俺を害そうとする奴が居れば、ヨミが止めてくれるだろう。頼もしいね。
それで、獣王はというと───
「………」
顔の笑みはそのまま。けど、こっちにかけてくる圧が強くなってるような気がする。特に干渉されてる訳でもないのに、なんだか体が重くなって、変な汗が出てきた。
牽制のつもりか? いや、ゲームに出てきた次代獣王の話では、現獣王は、普段は理性的でありながらも、有事の際や戦闘時には荒々しい面を見せる、てことだったよな?
てことは、まさか……!
「───」
俺が次の獣王の動きを予想できた所で、獣王が消えた。
正確には、とんでもない速度で、こちらの目では追いづらい方向に移動しただけ、てのは分かってるんだけど……俺には突然、獣王が消えたようにしか見えなかった。
魔素で動体視力も限界まで強化されてる筈なのに、それでも動き出しから目で追えないとか、どんな身体能力だよ。
そんな獣王だが、気付いた時には、すでに俺の右斜め前に居て、俺に向けて右手を突き出していた。
右の指から生えた鋭い爪で、俺の右目から頭を突き刺そうとしたのだろう。
だが、獣王の右手は、俺の目から目と鼻の先の位置で止まっている。獣王が自発的に止めたのではなく、止められたのだ。
「───」
「………」
いつの間にか俺の右手側に来ていたヨミが、獣王の右手首を掴み、獣王の攻撃を止めている。
獣王は手首を掴まれようがお構いなしと力を入れ続けているが、ヨミの力も相当なので、小刻みに震えるだけで獣王の手は先に進まない。
いや〜、流石ヨミちゃん。あの速度の手突、よく止められるなァ。ヨミが居なかったら死んでたな───ってオイ!?
「待て! ヨミ!」
俺の制止がなんとか間に合う。
ヨミの奴、獣王を思いっきり殴ろうとしやがった……! しかも、魂力を熱に変えて纏わせてから。
何考えてんだよ……いや、兵士とか殴らせた俺が言うのもアレだけどさ。
流石に獣王はアカン。交渉相手を殴るのは駄目。
ヨミの目、据わってるよ……完全に獣王を敵判定してる。
大丈夫かな……? ちゃんと止まっててよ?
獣王はヨミを少し眺めた後、ヨミの手を振りほどいて、後ろへ跳んだ。
「……良いだろう」
そして、何事も無かったかのように、獣王は話を再開する。
「お前の願いを聴いてやる」
『なっ!?』
真っ先に、獣王の言葉に反応したのは、俺ではなく、獣王の護衛や側近達だった。
まぁ、他の人達からすれば、俺達は “賊” だもんねぇ。そんな奴の要求を呑む、と言うのだから、驚くに決まってる。
俺はというと、ヨミが力を見せれば許可してくれるだろうと考えていたから、そこまで驚かず、軽く「ありがとーございまーす」と礼だと言っといた。
「王よッ、正気ですか!?」
狐耳の半獣人のお兄さんが獣王に近付く。
「我は正気だ」
「こんな得体の知れないもの達の要求を呑むなど、正気とは思えません!」
「とは言っても、実際、不都合は無いのだから、拒む理由も無い。開戦予定地の十キロ先ほどに送り込んで、相手の戦力を見極めをしてもらおうではないか」
「………ですが、この賊共が移動中に何かするかもしれません」
「お前、その可能性はほとんどないと分かって言っているだろ? これだけの実力者だ。邪魔するなら、内部に潜らず、奇襲すればいい。それだけでこっちは大損害を被る。わざわざ事前に姿を見せる必要は無い」
「……………」
「何より、男の方は知らんが、女は俺とやり合えるほどの猛者だ。この非常時、利用しない手は無いだろ」
「ネバト様と……戦り合える……?」
その獣王の言葉には、狐耳のお兄さんだけでなく、他の護衛や側近達も目を丸くして、こっちを見てきた。
ここで謙遜は逆効果。なので、俺は獣王の言葉を肯定するように胸を張っておく。
俺の横で、ヨミは疑惑の目を俺に向けていた。なんでサガ兄が威張ってんの? と言わんばかりだ。
「コイツらが何かすれば、その時はこの我が責任を持とう。まだ反対の者は意見を述べよ。今なら聴いてやる」
獣王は振り向き、側近達にそう告げる。右の掌を上に向けて「さぁ」と言いながら。
そんな威圧的な獣王に逆らえる者など、ここには居なかった。




