第14章シラン陥落3
ここまで来れると思いませんでした。ありがとうございます。
ヴィンハルト王国 王城
僕は久しぶりに屋台に来ていた。(焼きそば食いたい!)もちろん完璧セバスに言えば作ってくれるのだが雰囲気も好きなのだ。
こっそり抜け出そうと思っていると「どちらにお出かけですか?」と自称美少女人妻が厳しい目で見る。「ひ、久々に屋台の焼きそば食べたいなと思って・・」と疾しく無いのに怯えてしまう。
「では私も着替えてきますわ!」と言って待たされる。寄せて上げるのを装着し胸元の空いたミニワンピにハイヒールだ。Dくらいに見えるから不思議だ。
腕を組んで美男美女が屋台に座ると「へい!いらっ・・」で店主が固まる。「焼きそば2つ!」と注文するが店主も娘らしき人も固まったままだ。「あの~」と自称美少女人妻が声を掛ける。
「へ、へい!焼きそば2つですよね?」と疑問形で答える。店主は泣きながら焼いているように見える。娘が皿を用意しているのだが既に汗だくだ。
「お、お待ちづしゃまでつ。」と噛みながら娘が出してくれる。使徒と呼ばれた王と自称美少女人妻のハイエルフが焼きそばを啜る光景はシュールなのか人々は引いて見ている。
「ほらほら!お口のまわり!」と甲斐甲斐しく拭いてくれる。「子供の頃から私がふいてあげないとダメだったんですからね!」僕の記憶にない話をする。
「ごちそう様でした。また来るよ!」と言って店を後にする。この後アンジュは僕に寄せて上げてるのを喜んで剥ぎ取られて2人目を懐妊したのであった。
のちにこの屋台は王がお忍びで来る店と評判になり店主と娘は僕の知らない所で感謝するようになる。
こんな暢気な王とは知らないタールとマイヤは「食糧を狙われたな!」「ああ!1/10程だがやられたな。」「敵にもやるヤツがいるようだ。」「速度は落ちるが止むを得ん!」
首都の前の町に着く。「兵に狼藉を働くなと徹底しろ!」「住民たちに告ぐ!危害を加える事はしない。」と言うがパニック状態だ。そこに矢が射掛けられる。
「おのれ!!」とマイヤが怒る。「待て!これはさっき食糧を襲ったヤツの罠だ!」とタールが言う。「ここで住民と揉め時間稼ぎをさせ、尚且つ兵を疲労させようとしている。」
「なるほど!ではどうする?」「そうだな・・町の外で野営し、この町を迂回して首都を直接叩く!」「では例の部隊が襲撃する可能性もあるな。」「もちろん気を付けるが然程気にせずとも良さそうだ。」
「なぜだ?」「おそらく少人数しか持ってない。大人数なら食糧も全部やられているだろう。」「だから我々が迂回して、彼らが背後を取ったとしても気にする事は無さそうだ。もちろん油断禁物だがな!」
町を出てヴィンハルト軍が野営を始めた時、アルファは撤退を考え始めていた。(今、逃げないとヤバイ気がする。あの指揮官達は優秀だ。傭兵では止めれんだろう。)と思っている。
前金は貰ったが後金は未だだ。勝てば貰えるのだが。アルファは元々小国の王子だった。今いる100人は一緒に落ち延びた兵士達だ。食わせねばならぬのだ。
(もし万が一でも退けたら後金が入る。そうすれば少しは楽になる。)これがあって逃げれないのだ。(負けが少しでも見えたら撤退しよう。みんなにもそう伝えよう。)と決めた。
もしこの時逃げていればハルトとの出会いは暫く無かったであろう。また運命が動き出す。
今後ともよろしくお願いします。




