第13章内政編5
いよいよこの章も終わりです。
ヴィンハルト王国 王城
ファッションショーは観客にも妻達にも大好評だった。アークはアーナの着てた物を欲しがるとはマニアだな。と言って吹き飛んで行った。この王都でもショーの衣装が売れ始めた頃。
シアとシャロンもショーの話で盛り上がっていた。だが2人の姉アマンダも行方不明のままなのだ。キウイ王の従兄弟に当たるノグーソ公爵家に嫁いでいる。ノグーソとアナールは仲が良かった。
「チンチ〇も小さなヤツと仲良しですから。良い事にはなって無さそうです・・」「それ・・関係あるの?」「ありますよ~!」と笑う。「あるのか~。」とシャロンも笑う。
「私はクソーダのヤツのも見た事無いけど王って大きいの?」とシャロンは興味深々だ。「私も王しか知らないですが大きいというか気持ち良すぎるというか・・」とシアが頬を染め言う。
「そ、そんな良いの?」とゴクっと喉を鳴らすシャロン。「はい!すっごく気持ち良いんですよ!」とシアが言うと考え込む。
「エラクでもショーしてくれないかな?」と言うと「急にどうしたんです?」とシアが聞く。「私達が出れば姉様も来てくれないかと思ってさ。」シャロンが言う。
「と、言う訳なんです。」とシアがベッドでハルトに話をしていた。「それって姉さんが見つかれば問題ないよね?」と聞くと「ちゃんと無事で幸せなら良いです。」とシアが言う。
翌朝、「ハンゾウ!」「はっ!」「アマンダを探してくれ!生きて幸せなら良いが・・問題があるなら何とかしよう!」「承知!」と言って消える。
タールとマイヤに会いに行く。「兵は増えたか?」と聞くと「それぞれ5万に成りましたが練度がまだまだでして・・」と頭をかく。「しっかり頼むぞ!」「はっ!」
「ところでアマンダを知っているか?」「もちろん知ってはいます・・が最近のウワサではノグーソがシランに売ったと流れております・・」「あくまでウワサですので・・」と歯切れが悪い。
その頃アルメニアでは
元王妃がホクホク顔だ。王都直営ファッションの店のオーナーになり、連日大勢のお客でごったがえしていた。3姉妹も呼び出され手伝わされてる。
アランから「もう見捨てられて離婚になって帰ったの?」と言われた姉達はアランをボロボロにし、店の前で正座させていた。何度涙目になっても懲りないアランだった。
王都のお店でも大繁盛している。アンジュも(これでミシン無かったと思うとゾッとするわ)と思っていた。なにせ作れば売れるの状態なのだ。
他の町の店にも卸して欲しいと商人が連日押しかけてくる。好景気が止まらない。経済が回り人々が豊かになり多くの人が幸せを実感出来るようになる。「これが若様の世界なのね。」とアンジュは思う。
シラン共和国 首都
「このままでは次勝てないぞ!」ゴミダ大統領は喚く。民主主義を掲げ貴族の居ない幸せな国を標榜しているが貧富の差は近隣ではどこよりも大きい。
経済政策はどれもこれも失敗する。それも仕方ない。大商人に不利な政策は通らない。もし通ったとしてもジャマされる。大商人に有利な政策が通ればまた貧富の差が開く。
この悪循環が支持率を下げる。今や20%も無い。隣のヴィンハルト王国は好景気に沸いている。住民は逃げ出そうとする。(全部ヴィンハルトのせいだ!)と逆恨みする。
住民流出を防ぎ情報統制する。鎖国政策だ。大商人は挙って大賛成した。貧乏人から安く買い、別の貧乏人に高く売る。その為には逃げられると困るのだ。
政治家は怨嗟の声を自分に向けない為に隣国を悪者にする。よくある話だ。
その犠牲になるべくアマンダは選ばれたのだった。
次も楽しんで頂けると嬉しいです。




