第13章内政編2
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ヴィンハルト王国 王城
執事セバスと呼ぶ事にした。セバスは完璧だった。朝起きると紅茶、コーヒーは必ず用意されベッド、シーツ、匂いまで消し朝食は和洋問わずに出来る。こんな執事が側に居ると何もしなくなる。
爺がそんな事を許すはずも無く「今日は両辺境伯領に視察して来てくだされ。」と言う。まあタールとマイヤに会うのも良いかと思い出かけた。
「御一人で来られたので?」と不思議そうに言う。ボッチだと思われているのだろうか?ならば弁解の余地はあるはず。「みんな忙しいんだよね。」と言うと「はあ?左様で・・」と言われた。
イカン!これでは益々寂しいヤツに聞こえるではないか?墓穴を掘ったか?話題を変えよう。「所で領内で困る事はないか?」「兵を、いかほど持てば良いのかが分かりませぬ。」
「なぜだ?」「多く持てば謀反を疑われ少ないと有事の際に困るのです。」「別に疑いなどせぬ。自分達で考え、必要数を持て。」「なぜ?我々をそこまで信用なされるのか?」
「タールとマイヤ。もっと自信を持て。そなた達の後ろ盾は余だ。将来この国の双璧を目指せ!」「そこまで我らの事を。」と言って涙を流す。
「我ら元はと言えば平民です。それでも・・」「そんな些末なことはどうでも良い。攻めて来られたら手痛い反撃を食らわす。これがそなたたちの役割だ。」
「良いか!ヴィンハルト王国にタールとマイヤありと世間に知らしめよ。分かったか!」「はっ!!我ら陛下の剣となり必ずや敵を滅ぼしてご覧にいれます!!!」
「聞いたかタール!」「ああ!」「平民の分際でとどれだけ言われてきたか・・」「そうだな・・」「些末だとよ。」「しかも双璧だぞ!」「燃えるな!」「ああ!やろうぜ!」
のちにシラン共和国が攻めて来た時、2人は協力し反撃。そしてシラン共和国を滅ぼすのであった。
王都に戻ると爺に呼び止められる。何事か有ったかと思い話を聞くと「ソウジ王国から友好として五男をまあ人質として送り込んできたようです。」「若に預けますゆえ良いように。」
暫くすると若者が来た「ソウジ王国の五男でメビウスと言います。よろしくお願いします。」と言った。「幾つになる?」と聞くと「15になりました。」と言う。
(よし!完璧執事のセバスに任せ、とりあえず執事見習いにしよう。)と決め、セバスにこの若者を丸投げするのであった。
あと観光都市リリイに誰か置きたいとハルトは思っていた。人口も多くすぐ北にまだまだ油断が出来ないオローシア帝国が君臨している。
(そうだ!セデス辺境伯がいた!)もう既にあそこは辺境で無くなっている。直ぐに王都に来るよう命じた。何事だろうかとセデスも思いながらやって来た。
「陛下。お久しぶりでございますな。」とにこにこしながら言う。「今日はセデスにお願いがありご足労願ったのだ。」と言うと「私にですか?」と首を傾げる。
「観光都市リリイをご存じか?」と言うと「旧オローシア帝国の帝都でございますな。」と答える。「今、人口は100万人を数えるくらいになっている。」と言うと驚く。
「それは大ございますな。」「なのでセデス殿にリリイ総督をお願いしたい!」と言うと「私で勤まるとお思いですか?」「もちろんだ。」
「では謹んで拝命致します!」とセデスがにこやかに言った。
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