第11章ヴィンハルト王国6
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ヴィンハルト王国 王城
パトリシアは朝から興奮していた。それは前日の夜・・食事は在り来たりな宮廷料理だと思っているとバイキング形式でしかもハルトが作っているではないか。
特にデザート類が素晴らしかった。見た事も無い物がたくさん出てくる。近衛や官僚たちも「私はうどんというのが気に入りましたぞ。」「いやいや。ラーメンの美味さと来たら。」と大騒ぎだ。
(私はケーキにプリン、ゼリーにそしてアイスクリーム!あれは絶品だった!)持って帰りたいと思ったが温度に弱いと言われ諦めた。この王都ならお店にもあると言う。
その後にイヤリングを貰ったのだ。(よく似合うって言ってくれた。)と朝からテンションが高いのだが(もう帰らないといけない・・・)と考えると寂しくなるのであった。
王都の警備隊が10人の男を引き渡すと言ってきた。この国で王女を暗殺しようとした部隊だった。「この国に王女が入られてから暗殺しようとしたそうです。」と報告される。
もちろん10人ともシヴァに頭を弄られてるので何でも喋る。騎士の1人が見知った顔がいた。アナールの配下だ。「なぜ王女殿下を暗殺するのだ?」「帝国のジャマになるからに決まっておろう!」
「それに王女は身体と顔は良さそうだとアナール様も言ってたよ!」「そうそう!儂がヤった後ならともかく、あんな種馬にヤらすんなら殺した方が良いってよ!」ヒャヒャヒャと笑う。
パトリシアは屈辱と情けなさで真っ赤な顔になっていた。連れて帰った所でアナールは恍けるだろう。儂は何も知らぬと。
アナールの見る目は確かにどこかおかしかった。まさか自分をそんな目で見ていたとは。「連れて帰りますか?」と言われ「いいえ!処分して!」と怒りに満ちた声で言った。
益々自国に戻りたくないなあと思うパトリシアだった。同じ頃。
エラク王国アナール領では、「まだ報告が上がって来んのか!!」と怒り心頭のアナール。「王女が死んだかどうかぐらい分かるだろう?誰かすぐ見て来い!!」「はっ!」
見に行った人間も戻らず、王女は無事王都に戻って来た。(いったいどうなってるんだ!!!)と怒っているがどうにもならない。仕方なく出迎えに行くのであった。
「おかえりなさいませ。パトリシア殿下。」と恭しく礼をする。しかし自分の胸元に厭らしい視線を感じ不快感をあらわにしながら「暗殺団に襲われたわ。」と手短に言う。
「おお!それは災難でしたな。ご無事で何よりです。」と白々しく言う。「で、犯人達はどこへ?」と言う。「へぇぇ!どうして犯人達?1人じゃ無いって知ってるの?」と言うと。
「それは言葉のあやと言うものですよ殿下。」とさらに白々しく言う。「あっそ!」と言って城に戻るのであった。(くそ~あのバカどもしくじりおって!!)とイライラしながら帰るのであった。
そうしているとエラクでウワサが広まり始める。
曰く:アナールがパトリシア殿下を弑逆しようとした。
曰く:隣の種馬と婚礼するのを嫉妬心で阻止したかった。
曰く:パトリシア殿下の胸ばかり見ている。
曰く:厭らしいとパトリシア殿下は嫌がっておられる。
曰く:アナールはチンチ〇も小さいが心も小さいらしい。
曰く:そんな理由でこの国を帝国に売ろうとしている。
こんなウワサが突如、街中に流れ出した。パトリシアは大爆笑していた。これは絶対使徒様の仕業に違いないと。公爵派だった人たちも1人また1人と抜けていった。
多くの貴族がこのウワサ全部本当で無いにしても公爵に味方してメリットが無いと思われたからだ。
遂にアナール公爵は病気を理由に表舞台から姿を消したのだった。
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