第5章立志編1
ヴァレンタイン王国激変
4カ月後、リリイ王女の婚姻が内外に向けて発表された。
ラフランス帝国皇帝、イシュタル聖光国教皇、アルメニア皇国国王に招待状が送られた。
そして内部では電撃的な組織変更が行われていた。
セデスは自領に戻り対ラフランス帝国の備えに当たる。ハンゾウは3か国の攻撃に備え防御網を網羅。
ムサシは警察組織を作り治安を維持する。ムネノリは各地の貴族、代官、悪徳商人を摘発。
アンジュは全国に学校を作り人材育成に力を入れる。シズカは薬を安価で高性能な物を流通させる。
そして・・・宰相としてコウメイが内政の要となり交通、農業、漁業、産業振興に力を注ぐ。
さらに内政官、外交官、各地代官も大幅な変更がスムーズに行われた。能力が有れば出自を問わずでだ。
結婚式にはハルトが料理を監修、3か国の王たちの度肝を抜かさせる。そして・・・・
ウェディングドレスに身を包むリリイ第1夫人、アーナ第2夫人と7人の側室達であった。
あまりの美しさに各国から来た貴族たちから称賛の声が飛ぶ。
見た目も美しい料理、味わった事の無い酒、洗練された衣装。夜には夜空を彩る花火を打ち上げた。
3か国の国王達は焦り始めた。このままでは併呑されてしまうのではと・・・・
コウメイの最初に打った手は公共事業だった。
道路を整備し上下水道を普及し始めた。
各都市への交通が便利になり治安が良くなれば商人も活性化する。
砂漠だった土地も農地改革で収穫も上がる。身分制度で燻っていた人材が多数登用され、今や空前の好景気だ。
最初ハルトが王になった時は人気はあまり無かったが今は嘘のようである。
久々にアークが訪ねてきた。今、アークは王国騎士団団長で兵も5万である。そして独身のままだ。
「アークそろそろ結婚しろよ。」と僕が言うと「イヤだよ。」と言う。
「なにかあったか?」と僕が聞くと「今、色々順調に行き過ぎて反動が来そうな気がするんだ。」と不吉な事を言う。
「何となくだが気を付けろよハルト!」とアークが言った。
帝国宰相府にて
「おぬしが最強の暗殺者のペインか?」「そう言われてるな。」と答える。
「今までどこに居たのじゃ?」「アンタたちが言う南のブタの所だよ。」と薄く笑う。「ほう?なんでまたそんな所に?」
「俺の入れる奴隷紋は誰にも消せないからな。」と自信あり気に言った。
「あのブタは大量の奴隷を欲しがっていたよ。」とペインが言う。
「殺して欲しいヤツがおる。」「どこの誰だ?」「ヴァレンタイン国王ヴィンハルトじゃ!」
「ヴィンハルト・・・ヴィンハルトだと!!!!!なぜヤツが国王なんだぁぁぁぁ。」
「知り合いなのか?」「あぁ・・よーく知ってる!!!」「では引き受けてくれるかの?」「もちろんだ!!」
数日後 ヴァレンタイン王城内
マリ、ラナ、ルナ、シャムと楽しいひと時を過ごしていると1人の男が静かに入って来た。「ヴィンハルトだな?」と殺気が籠った声で言う。
「ベッドで愛妾たちと殺しても良かったがお前が泣きわめいて死ぬとこが見たいからな。」と悪趣味な事を言う。「奴隷紋師!!」とマリが叫ぶ。
「ほぅ。ブタの後にこの男に飼われてるのか?」と笑いだす。
「お前は何者だ?誰に雇われた?」と僕が言うと「俺を忘れたかぁぁ!!!」と怒り始めた。
ここで戦うのはマズイな。窓を壊し外に出ると「逃がすかぁぁ」と奴隷紋師が追ってきた。
ヤツから大量の炎が飛び出す。何発か貰った。天叢雲剣を抜き攻撃するが切れない。「無駄だ。当たらねぇよ。」と笑う。再度炎で攻撃を受ける。ヤバイ・・・・
爺とアンジュが来た。「若様!!!!」と駆け寄る。
「アンジュ!」と奴隷紋師が呼ぶ。「誰よアンタ?」とアンジュ。
「忘れたか?ペインだ。」「知らないわよ!何で私の名前知ってるの?ストーカー?」とアンジュが言うと「毎回毎回・・・いいかげんにしろ!!!」と怒ってる。
爺やムサシも参戦すると「殺せなかったか・・今回は見逃してやる。」と言って去った。
僕は意識を失い倒れたようだ。




