【日】
【日】
訓読み:ひ・か
音読み:ニチ・ジツ
部首:日
画数:4
意味
1 太陽
2 昼間
3 一昼夜
4 七曜の一つ
5 日本
私は、三角にカットされたスイカをかじり、そして呻いた。
「一昨日もスイカ、昨日も今日もスイカ。明日も明後日もスイカ、スイカ……」
「福引でスイカ四玉を引き当てたのは君じゃないか」
彼はそう言いながら、スイカを切っている。
「甘くて美味しいんだけど、さすがに毎日だと飽きるわ」
「傷む前に食べなきゃ、もったいないよ」
私は、一口かじったスイカを見つめる。
「ねぇ。一昨日、昨日、今日、明日、明後日って、『日』って漢字の読みが全部違うよね」
「それは、熟字訓って言って、その熟語だけの特別な読み方なんだ。『日』という漢字の読みとは少し違うよ」
「そうなんだ」
「雪崩とか、田舎とか……今食べてるスイカも、西瓜っていう熟字訓だよ」
彼はスイカを細かい四角形に刻み、袋に入れていく。凍らせてスムージーにしてみると言っていた。
「でも、『日』の読みは多いよ。例えば、『本日三日日曜日』って、ほん『じつ』、みっ『か』、『にち』よう『び』で、全部違う読みなんだ」
「あ、すごい」
「『生』という字はもっと多くて、生きる、生む……」
私は食べかけのスイカを彼の口に押し込む。
「同じ字なのに、いろんな読みがあるんだね」
彼はスイカを味わうと「君みたいだね」と呟く。
「なんで?」
「同じ君なのに、いろんな表情があるだろう」
私は笑った。
「あなたにも、いろんな読みがありそうね。そんなキザっぽい一面があるなんて」
「良いじゃないか」
彼は恥ずかしそうに下を向いて、スイカの袋を冷凍庫に片付ける。
今日みたいな日常が、日々続いて欲しいと私は思った。




