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二人で漢字る感じ  作者: M


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16/16

【父】

【父】

訓読み:ちち

音読み:フ

部首:父

画数:4

意味

 1 男親

 2 親族の年長の男性

 3 老いた男性


 日曜の午後、買い物帰り。

 私は食材でいっぱいのエコバッグを手に彼を待っていた。

 こちらへ向かってくる親子連れが目に留まる。

 お父さんと男の子二人の三人で、ゆっくりと歩道を歩いてくる。


 大人しそうなお兄ちゃんは、年長さんかな。活発そうな弟くんは、年少さんくらい。

 お兄ちゃんを真ん中に横並びで歩く三人。楽しそうに特撮ヒーローの話をしている。


 弟くんがお父さんの隣に行きたくなって、お兄ちゃんの後ろに回る。


 ステン、と見事に弟くんが転ぶ。


「お、大丈夫か?」


 お父さんが振り向いて、弟くんに手を差し伸べる。ケガは無さそうだ。

 お父さんがホッとしたところで、突然、お兄ちゃんが怒り出した。


「ボク、なにもしてない! おとうしゃんのせい~~!」

「なんでだ!?」

(なんでだ!?)


 お父さんのツッコミと、私の心の声がシンクロ。


 目の前で他の子が泣いた時、固まっちゃう子や助けに行く子がいる。

 あの子みたいに、まずは自分が悪くないことを言いにくる子もいる。

 怒られるのを怖がっているからなのかな。


「おとうしゃんが、そっちを歩いてるから、いけないんだよ!」


 でも、お兄ちゃんはお兄ちゃんなりに、弟くんが怒られないように守ろうとして必死なんだ。

 優しいお兄ちゃんに、弟くんが転んだことを自分のせいにされそうなお父さん。


 いやいやいや。お父さんは車道側を歩いて、二人を守っていたんだよ。

 絶対に良いお父さんだよ。


「でも、こっちは車がくるから」


 お父さんは軽く言い訳しながら、グズる弟くんを抱き上げて行ってしまった。


「お待たせ」


 彼がやってきた。

 自然に私のエコバッグを持ってくれる。

 当たり前のように車道側を歩いてくれる。


 私は、その横顔を見る。


「何かついてる?」

「ううん。なんにも」


 彼なら、いいお父さんになりそうだ。

 今回は漢字のうんちくがなかったので追記。

 『父』は、斧(諸説あり)を持つ手を表した文字で、指導的な立場の男性を示します。そこから現在の意味になったとか。

 彼が手にしているのはエコバッグですが。

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