【父】
【父】
訓読み:ちち
音読み:フ
部首:父
画数:4
意味
1 男親
2 親族の年長の男性
3 老いた男性
日曜の午後、買い物帰り。
私は食材でいっぱいのエコバッグを手に彼を待っていた。
こちらへ向かってくる親子連れが目に留まる。
お父さんと男の子二人の三人で、ゆっくりと歩道を歩いてくる。
大人しそうなお兄ちゃんは、年長さんかな。活発そうな弟くんは、年少さんくらい。
お兄ちゃんを真ん中に横並びで歩く三人。楽しそうに特撮ヒーローの話をしている。
弟くんがお父さんの隣に行きたくなって、お兄ちゃんの後ろに回る。
ステン、と見事に弟くんが転ぶ。
「お、大丈夫か?」
お父さんが振り向いて、弟くんに手を差し伸べる。ケガは無さそうだ。
お父さんがホッとしたところで、突然、お兄ちゃんが怒り出した。
「ボク、なにもしてない! おとうしゃんのせい~~!」
「なんでだ!?」
(なんでだ!?)
お父さんのツッコミと、私の心の声がシンクロ。
目の前で他の子が泣いた時、固まっちゃう子や助けに行く子がいる。
あの子みたいに、まずは自分が悪くないことを言いにくる子もいる。
怒られるのを怖がっているからなのかな。
「おとうしゃんが、そっちを歩いてるから、いけないんだよ!」
でも、お兄ちゃんはお兄ちゃんなりに、弟くんが怒られないように守ろうとして必死なんだ。
優しいお兄ちゃんに、弟くんが転んだことを自分のせいにされそうなお父さん。
いやいやいや。お父さんは車道側を歩いて、二人を守っていたんだよ。
絶対に良いお父さんだよ。
「でも、こっちは車がくるから」
お父さんは軽く言い訳しながら、グズる弟くんを抱き上げて行ってしまった。
「お待たせ」
彼がやってきた。
自然に私のエコバッグを持ってくれる。
当たり前のように車道側を歩いてくれる。
私は、その横顔を見る。
「何かついてる?」
「ううん。なんにも」
彼なら、いいお父さんになりそうだ。
今回は漢字のうんちくがなかったので追記。
『父』は、斧(諸説あり)を持つ手を表した文字で、指導的な立場の男性を示します。そこから現在の意味になったとか。
彼が手にしているのはエコバッグですが。




