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月と星座と剣士の旅〜魔法が苦手な俺が、魔法で神様を救う話〜  作者: く~が~
トリトン‐ヴィクトリア編

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114/128

114話 5月24日#08

 定期船の食堂では、乗客たちに軽食が振る舞われていた。


 以前ウラヌスで食べた料理に比べるとずっと素朴だが、なかなか美味かった。



 「うーん」テンは、食堂全体を見渡していた。「いないね、モルガンさん……」


 「人間の食い物は食わないんじゃないか?」と、レイは言った。


 『何食べてるんでしょうかねー?ワタクシもよく存じません』ピエール33世は緑色にピコピコ光った。


 「まあ、それは置いといて、」リアはソラの方を向いた。「どうするの?あたしたちがウィルゴに会いに行ったら、たぶんあの人もついて来ると思うけど?」


 「仕方ない……」ソラはため息をついた。「あたしたちの目的とは違うけど、『目的の人物』は一緒だから……あとはウィルゴに判断を仰ぐ」


 「ちなみに、」テンは、ソラを安心させたいのか、柔らかく微笑んだ。「今から会う『ウィルゴ』さんは、モルガンさんのことを知ってるの?」


 「うん……」ソラは頷いた。「次に会ったらウィルゴと勝負して、モルガンが勝ったら『鍵』を渡す約束……してた……」


 「それ、大丈夫なのか?それを契機に、またレジェンダリが力をつけるんじゃ……?」



 俺が心配していると、ピエール33世がこう言った。



 『まあ、大丈夫だと思いますよ。この国にいるレジェンダリは、たぶんモルガンさんと彼女のお母さんだけだと思いますから。例え『黄金の林檎』を手に入れられたとしても、昔のような支配力を取り戻せるとは思いません』


 「ウィルゴも同じこと言ってた……でも、あたしは心配……」


 「まあ、そうよね」リアは肩をすくめた。「ちなみにレジェンダリって、あたしたちが束になってかかって、勝てる相手よね?」


 『どうでしょうね』ピエール33世が答えた。『まあ、そんな戦いをしたら、少なくとも街の1つか2つくらい消し飛ぶと思いますけど』


 「……じゃ、今の話、なかったことにして」


 「困ったな」俺は天井を見つめた。「またややこしい奴が現れたな」


 「確かにねえ」テンは苦笑いをした。「でも今のところ、僕たちにできることはなさそうだね」


 「もう乗船してるんだもんな」そう言ってから、レイはあれ?と首を傾げた。「モルガンは、飛べるのか?」


 『それは……本人に聞かないと、何とも』


 「飛べるなら、無断で乗船している可能性も……?」


 「……だったら、自分の翼でヴィクトリアへ行けって話だけど」



 ――いずれにしても、テンの言うとおり、今は成り行きを見守ることしかできなそうだ。



 夕飯を食べ終わると、俺たちは席を立ち、船室へと戻った。

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