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サンドボックスウォーズ  作者: 黒瀬雷牙
第九章 カノンの物語

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第五十二話 最後を飾る、星8レイド

 ホテルのラウンジのバックヤード。普段の華やかな空間から隔絶された、静かな戦場のような場所だった。


 藍沢流星は肩で息をしながら、黒羽怜王と並ぶ。剣の感触がまだ手に残り、戦闘の余韻が身体を震わせていた。


「はぁ……過去一、楽しかったな」


 流星が思わず笑みを零す。

 怜王も肩を揺らして笑った。


「そうだな……久々に、全力でぶつかったって感じだった」


 二人は同級生。子供の頃は悪ガキ同士で手を焼かせ合った仲だが、大人になった今は丸くなり、互いに敬意と信頼を抱ける関係になっていた。


 ある日、怜王に誘われたことがきっかけで始めたSBW。気づけば二人とも夢中になっていた。


「経営者の特権をフル活用だな」と怜王が笑う。

 流星は頷く。ギルドバトルやレイドの日には勤務を早めたり、個人ランク戦の時間を調整したりできるのは、経営者ならではの利点だ。


 最近では、自分や怜王が参加できないときに、他のメンバーたちにも、ギルドバトルやレイドの指揮を任せることが増えていた。ギルド全体の戦力やモチベーションを見極めながら戦い方を最適化する。そんな日々の工夫も、今では楽しみの一部になっていた。


 流星は深呼吸をして、静かに微笑む。


(やっぱり、最高だな。この世界も、仲間も)


 その時、ラウンジの奥から声が響いた。


「黒羽、お前サボってんのか!」


 支配人の郷田だ。怜王に理不尽な文句を言うことで有名で、怜王の能力を妬むことで知られる男だ。


 流星は振り向き、静かに視線を送る。


「何か用か、郷田」


 流星の鋭い視線に、郷田は言葉に詰まり、「い、いぇ……」と引き下がる。しかし、まだ怜王を睨む視線が残っていた。


 怜王は肩をすくめて苦笑いする。


「…仕事戻るわ。ありがとな、流星」


 流星は軽く手を挙げ、微笑みで返す。


「明日は早番にしてやるよ。大事なレイドだからな」


 二人はそれぞれの仕事へ戻り、静かにその場を離れた。


 翌日、夜九時前。


 ダークキングの面々は揃っていた。先の大戦を経て、それぞれが自分の進むべき道を見据えていた。


 ペインは、再び自身のギルドを立ち上げることを宣言する。

 鬼朱雀は、スペシャルオーダーズがカノンに挑む姿を見て、心の底から湧き上がる闘志を抑えきれなかった。「俺も、カノンや黒王と戦いたい」と言い、ペインの新ギルドに加わることを決める。

 椿は、フローライトではなく、あえてRainとは違う道を選び、斬々抜断への移籍を表明した。


 他のメンバーたちの中にも、この戦いを見て刺激を受け、他ギルドで自分を試してみたいと考える者が少なくなかった。


 そんな流れの中、この夜は、ダークキング最強の面々で挑む最後のレイド。目指すは、最大レベルの星8。

 全サーバーでクリアしたのは、4サーバーのラグナロクだけだった。


 ダークキングは、頂点に挑む。


【黒王】「お前ら、準備はいいか?」

【椿】「当たり前、いつでもいけるわ」

【鬼朱雀】「おう、ド派手に焼き尽くしてやる」

【シン】「ダークキング、最後の祭りだ」

【カノン】「おいおい、お前らが抜けてもダークキングはまだ存在するぞw」


 星8レイド・アマテラス


 ダークキング最強の面々が集結し、頂点への挑戦の舞台に立つ。


【黒王】「全員、位置につけ。今夜は一発で決めるぞ」

【カノン】「タイマンなら俺の出番だな。厄災の刃、見せてやる」

【椿】「局面を変える準備はできてるわ」

【オニッシュ】「前線を守る。どんな攻撃でも止めてみせる」

【ペイン】「双剣は全力で振るう、狙った奴は逃がさねぇ」

【鬼朱雀】「炎の洗礼を浴びせろ! 奥義も使うぞ」

【シン】「雷撃で削る。防がれても構わん」

【ヴァルター】「高速刺突で敵の前衛を崩す」

【狼牙】「HPが減るほど、俺の怒りも増す」

【Dr.D=eath】「デバフを叩き込み、回復も忘れん」

【BROS】「後衛暗殺、任せろ」

【ザン・シャオ】「手数で叩き潰す、容赦はしない」

【ケリー】「前衛、死なせないわ。全力で支援」

【アークライン】「射程から確実に仕留める」

【ドラテ】「俺が壁になる。時間を稼ぐ」

【nocturne】「混乱させて敵の行動を封じる」

【リュート】「分身と錯乱で敵を翻弄する」


 戦闘開始。

 アマテラスは轟音と共に光の柱を振るい、広範囲攻撃で圧力をかけてくる。


 オニッシュが俊敏に回避しつつ敵の前衛を抑え、ドラテが盾となって攻撃を引きつける。

 ケリーは前衛全員にバフと回復をかけ、戦闘継続力を支える。


 鬼朱雀が炎の魔法で広範囲攻撃、ザン・シャオは連続斬撃で中堅を殲滅。

 ヴァルターの突きがアマテラスの足止めに効き、狼牙の火力が徐々に蓄積されていく。


 黒王は戦場全体を把握し、流星や椿に的確な指示を飛ばす。

 椿の神器“天十握剣”が一振りで局面を塗り替え、カノンは凄まじいスピードで敵の弱点を突く。


 シンは雷属性のナイフで削り、アークラインが長距離からの致命の一矢で弱点部位を正確に狙う。

 BROSは後衛の敵処理を担当し、nocturneの暗黒魔術が敵全体を混乱させる。

 リュートの分身と錯乱が戦場をさらにカオスに変え、敵の攻撃を分散させる。


 Dr.D=eathが敵の耐性を貫通するデバフを連続で入れ、同時に味方の回復も行う。

 ペインの双剣が高精度で連撃を叩き込み、アマテラスのHPをみるみる削っていく。


 最後の決戦。

 全員が全力技を同時に発動。

 椿の天十握剣と、鬼朱雀のイラプト・インフェルノによる破壊の火炎竜巻。

 ペインとザン・シャオの双剣超連続斬。

 狼牙の怒涛の連打


 一斉攻撃がアマテラスを包み込み、光と炎、雷が渦を巻く。

 ついに、アマテラスは力尽き、空間が静まり返る。


【システム】《アマテラス 撃破》

【システム】《討伐成功 ダークキング全員生存》


 戦闘終了の瞬間、全員が息を切らしながらも笑みを交わす。


【黒王】「やったな、全員無事だ」

【カノン】「これが最強の力だ、見たか」

【椿】「さすがね、皆」

【オニッシュ】「前線は無事、役目は果たした」

【ペイン】「燃え尽きたぜ」

【鬼朱雀】「いやぁ、最高に熱かった」

【シン】「削り切ったな」

【ヴァルター】「前衛、仕事完了」

【狼牙】「俺の怒りも爆発したぜ」

【Dr.D=eath】「全員無事、完璧だ」

【BROS】「後衛も片付いた」

【ザン・シャオ】「やっぱ手数が正義だ」

【ケリー】「回復支援、万全」

【アークライン】「狙い通り」

【ドラテ】「時間稼ぎも成功」

【nocturne】「混乱作戦、効果的だった」

【リュート】「戦場を翻弄してやったぜ」


 ダークキングは、全員の力を結集して、星8レイド・アマテラスを討伐。


 ラグナロクでも達成していない、SBW史上初、全員生存の完全勝利。


 サーバー全体がその偉業を称え、彼らの伝説はさらに深く刻まれた。

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