エピローグ2
――エンデュラン王国、王都オルタナピア
「召喚屋ギムズ御一行、王都にごとうちゃーくっ!」
石造りの街並みを押しのけるように存在感を示す、街のランドマーク、競技場。その入口を前にして、ポタル・ギムズは大きく伸びをしてみせた。
彼女は、後に付いてきている、オンに振り返り、声を掛ける。
「さて、オン。いや、オン・オワリ・ギムズくん。確認です。今回の目的は……、あれ……?わたしたち、なにしにこんなところまで来たんだっけ?」
「ポタ姉、相変わらず、はしゃいでるねぇ……。」
オンは、そう返答し、胸の内ポケットからメモ帳を取り出し、開こうとした。そのとき。
「……我々が、招待した。」
ポタルとオンの側方に、いつの間にか、少年が立っていた。王都の軍服と紅い帽子を身に纏ったその少年は、姿に似合わない落ち着いた声で続けた。
「賢者リトル・ウィンターが、黒曜岩龍の使い魔の顔を見たがっている――。ようこそ、王都へ。」
その少年、アキに案内され、ポタルとオンは、リトル・ウィンターの屋敷に向かい、歩き出した。
「うーん?そうだっけ?言われてみたら、そんな気もしてきたねぇ。」
ポタルが、歩きながら、明るく話す。
「まぁ、いっか――、二人には、聞きたいこともたくさんあるし!」
「紅葉になって舞う気分とか――、」
「サジタルオンの乗り心地とか!」
「「!?」」
オンとアキが、足を止めて同時にボタルの方へと振り返る。
「ポタ姉、まさか……、本当に、観て――!?」
◇◇◇
――シアタールーム
オンを送り出した直後、キョウザメエルと、清掃員――パンドラは、立ち話をしていた。
「彼、オンくん、だっけ……?かなり惜しいところまで来ていたね。理性と調和の天使、キョウザメエル――、もとい、迷神・コントン様?」
パンドラの言葉を聞きながら、キョウザメエルは、眼鏡を外し、胸のポケットに掛けた。黙っているキョウザメエル――迷神コントンと呼ばれた――に対して、パンドラは続けた。
「で、どうするの?コントン様。"友達"なんて、またいい加減なこと言って……、そのうち、会いにでも行く?」
コントンは、それでも答えない。まとめていた髪を解くと、髪がばさっと広がった。パンドラは、やれやれ、と首を振り、お手上げのポーズをしてみせた。
「もー。さっきまでは、あんなにおしゃべりだったのに……急に思わせぶりに黙って……不機嫌ってわけじゃないんだよね?」
「じゃあ、パが締めるよ?……いいんですねー?それだったら、コントン様、早くシアタールームから出て。ほら、ほら。」
パンドラは、コントンの背中を押し、強引にシアタールームから追い出すと、外から、出入り口のドアを閉めた。そして、「THEATER ROOM 2」と描かれた、大きなドアに、パンドラは、表示の札を張り付けた。
表示の札に書かれていた文言は――
[めでたし、めでたし。]
なろうモノ嫌いの異世界記2 <完>




