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なろうモノ嫌いの異世界記  作者: 不連続がと
なろうモノ嫌いの異世界記2

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29/42

プロローグ2

 その映画館のシアタールームには、ある物語が上映されていた。


 大きなスクリーンが、情景を、映し出す。




『破改勇者はひた進む』





 平凡で、人生に希望を持てず生活に飽き飽きしていた高校生、比名(ヒナ) 軸人(ジクト)


 彼は、帰宅途中に、突然、異世界へと召喚される。




 そして、軸人は、異世界への道中、天使オレトゥエルにより、3つの起動型(アクティブ)チートスキルを与えられるのであった。




---


①数値の破改


相手のステータスを、オープンにして、確認することが出来る魔法。また、自身の持つ魔力とMPは、異世界の住人の平均の100倍になる。




②才能の破改


相手が持つ、「自分が持つ中で最強だと思うスキル」を奪い取り、自分のものとする魔法。




③精神の破改


打倒した相手の思考・記憶・精神を、自由に改変することが出来る。


---




 軸人を異世界へ召喚したのは、異世界の伯爵令嬢、メイテオだった。


 彼女の父親である伯爵に、悪魔コントンスが取り憑き、乱心を起こしているのだと言う。




 伯爵によって追放されてしまったメイテオは、旅の占い師パンドラの導きを受けて、伝説の勇者を異世界から召喚したのであった。


 愛称として、「ジーク」と呼ばれることになった軸人は、メイテオとの冒険の中で、両手盾の女戦士ケイティ、金色の小人魔女ギラギラを仲間に加えた。




 チートスキルと、心強い三人の仲間とともに。


 ジークは、ついに、コントンスを打倒する。




 伯爵領を救ったジークは、伯爵により、「勇者」として、伯爵同等の権力と財産を与えられるのであった。





 物語は、ここで終わったかのようにも見えた。


 画面が、暗転する。




 その広いシアタールームには、入り口から一番遠い、最後方の端の席に、二人だけ、観客がいた。


 だが、二人とも、席を立つ気配はない。




 この物語は、まだ終わっていないのである。




 そして、一見、終わりにも見えた、暗転していた画面は、再び、動き出した。


 タイプライターの音が響く演出ととともに、その続きを映し出す。




 黒字の画面に、赤い文字が刻まれる、


 そんな、極めてシンプルな演出で。






『△1改訂:だが、この物語の、真のタイトルは――』






 ここで、画面が止まる。




 二人の観客は、席を立った。シアタールームの出口に向かって歩き出す、その二人の会話がシアタールームに響く。




「これはまた、ずいぶんと……。乱暴な、導入ですね。」




 静かに、だが、楽しんでいるような、女性の声。




「はっはっはっ。ギム。あなたが演出してくれた、『義務(ギム)の自由さ』を見せてくれた物語も、大変素晴らしかったよ。」




「だからこそ、同じような話をしても、芸がないじゃあないか。私はね、反対に、『窮屈な権利(ケンリ)』の話をしようと思っているんだよ。」




 それに応える、自信に満ち溢れた、力強い、男性の声。




 役割を終えた、とでも言わんばかりの足取りで、二人は、シアタールームから退出する。




 残されたシアタールームの明かりは、誰もいなくなった後に、消灯された。


 だが、その部屋の見せる、暗い空間は、先ほどの二人とは対照的に、まるで、次の出番を待っているようであった。



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