合宿 - カウント『1』
久々の更新です!
「よし、全員いるかー?」
先生が声を張り上げる。
「楠木がいませんー」
とキャプテンが言うと
「まったく、また寝坊か...。」
先生が厳しい顔をしたのを感じて、空気が張り詰める。
なんやかんや、この部活は厳しいのだ。
「とりあえず、先に進めといてくれ。保護者の方に連絡してくる。」
先生が言い終わるやいなや、当の本人が走ってきた。
髪がぼさぼさで、寝癖がなおっていないし、制服も雑に着ているのがよくわかる。
やはり寝坊か。
「おい!今日から合宿だってのに、弛んでるんじゃねえぞ。」
そう、今日から部で3日間の合宿がある。
1日目は移動と軽い練習、2日目は現地のチームと対戦して、3日目で帰ってくる、という、いつもよりは軽めの合宿。三連休明けはすぐに学校だが、参加はほとんど強制。もし参加しなかったら、どのような罰が待っているのか...考えるだけでも恐ろしい。
「す、すみません!いつもよりは早く寝たつもりだったんですけど...。」
それじゃあ言い訳になってない。それどころか先生を怒らせてしまう。
「言い訳はあとで!さっさと位置につけ。」
説教確定だな、可哀想に。
「はい...。」
少し萎んだ声で返事すると、位置―俺の隣に来た。
まだ顔が眠そうだ。
キャプテンからの話が終わったあと、俺達一行はバスに乗り込み、現在宿に向かっている。
宿から徒歩20分ほどのグラウンドを借りているそうだ。
バス内は楽しげな会話で溢れていて、楠木はぐっすり寝ている。
ちなみに、今回の合宿は少し違うところがある。
それは笹野が来ている、ということ。
いつも試合に来る熱心なファン(結斗の)だし、意外ではないけれど、親に許可を取り、予定をキャンセルしてまで来たいものなのか。
笹野は奏の隣に座っているが、ふたりとも会話はしていないみたいだ。
バスは思っていたよりも早く到着し、各自ユニフォームで着替えてから集合、ということらしい。
6号室のメンバーは卓、楠木、俺、そして結斗。
笹野と奏は養護の先生と3人で部屋にいるらしい。
部屋に入ると早速、広い空間と、机に置かれたリモコンと菓子。
「おおー!広いじゃねえか!」
「うるせえ、結斗。」
「だって広いじゃん!」
だからと言って騒ぎすぎだ。
「...一旦黙れ。下手したら先生に見つかる。」
と、卓。
「うひゃあ、卓怖え。大丈夫大丈夫。」
楠木はいつの間に着替えを済ませ、部屋の隅でうたた寝している。
そうそう、当然楠木は遅刻常習犯だが、卓だって遅刻が多い。
ふたりで"寝不足コンビ"と言われるほど。
「おい!騒いでないでさっさと着替えろー!」
声のした方向を見ると、開いた扉の前に、怒り顔の先生。
「げっ先生!」
「げっ、とはなんだ結斗!」
「い、いやいやそんなこと一言も言っておりません、ただ寝ている楠木に注意しただけで...」
「は!?勝手に売るなよ!さっきまで騒いでたくせに!」
「起きたのかよ!」
今回の合宿も騒がしくなりそうだ。
パス練をしながら、背番号1を追いかける。
...そういえば、今日で祖母が死ぬまで、あと一日だ。
部活の最中はあまり考えたくなかったけれど、あと1日となると頭から離れなくなってしまった。
そのせいか、今日はコントロールが悪い。
今日が試合でなくてよかった、と心の底から思う。
ああ、またボールを逃してしまった。
「ぼーっとすんな!ついてこい!」
「わかってるよ結斗!」
いくらなんでも早すぎる。
こちらに合わせようとは思わないのだろうか...。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
いよいよあと1日...。この合宿、どうなってしまうのか。
次回更新までしばしお待ちください...。
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