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選ばれた異端  作者: 湯琉里羅
第1章 余命と病気
22/30

驚きと、診察と

宮原さんが部屋を出ていったのを確認してから、漫画を閉じる。

実は暇すぎて、この巻を読むのは二周目だ。


それにしても、宮原さんが能力者だなんて、びっくりだ。

ウソか本当か分からないけれど、こういうときの大人は嘘をつかないと知っている。

とはいえ、あまり絡まれると面倒だし、しばらくは冷たい態度を取るとするか...。


...この漫画、意外と面白かった。

全巻一気に持ってきておけばよかった。

今度、続きも持ってきてもらおう。


すると、廊下でガシャーンという大きな音が聞こえた。

部屋から出るつもりはなかったけれど、ドアの隙間から顔を出してみる。

看護師がカートから物を落としてしまったみたいだ。


特に手伝うこともなさそうだし、やることもなくなってきた。

少し、あの人の診察をのぞいてみようかな。


――――――――――――――――――――――――――――――


丁度診察が終わったときに、入れ替わりに遼太くんが入ってきた。


「お、どうした。なにか足りないものでもあるのか?」

「いや、暇だから見学しようと思って」

「そうか。そこのカーテンの裏で聞いてればいいんじゃないか。」

「うん。ありがとう。」

また少し、心の距離が近づいた気がして、嬉しくなる。


看護師が「次いいですか。」と聞いてきたので、「はい。」と返事をしてから、一応「来るぞ」と言っておいた。

入ってきたのは、若い男性だった。

今日は仕事の合間に来たようだ。

「本日はどのようなご要件で?」

「最近、喉の調子が悪くて。市販の薬を試してみたんですが、悪化してしまって...。」

「ここ数ヶ月で風邪をひいたりはしましたか?」

「いいえ、特にありません。」

「でしたら、この薬を処方しますので、食後に飲んでみてください。それと、味が濃いものや炭酸飲料は避けてください。」


「普通だな。」

人がいなくなった診察部屋で彼は言った。

『普通』という言葉に心がチクリとするが、

「大した能力でもないんでな。」

と返しておく。


『お前、"普通"じゃないな。』


あの日の言葉が蘇る。

僕だって、普通が良かったよ。

最後まで読んでいただき、ありがとうございます!

名前の案がすり減っていく笑 次回までしばしお待ち下さい。

感想・リアクション・アドバイス等々お待ちしています。

よければ、ブクマ登録よろしくお願いします。

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