side story - 片想いと片思い
最近は調子が良いです。まだまだ書けます!
俺、菊池結斗はいま困った状況にいる。
事の経緯は入学当時から始まる。
親友である西川奏に、遼太が好きなことを告白され、協力してほしいと言われた。
その場で軽く了承したけれど、協力といっても何をしたらいいのか、当時はよく分かっていなかった。
それから、意図的に二人になるように仕向けたり、さりげなく探ってみたりした。
そして中学に入り、今度は笹川みなみという女子に「自分は菊池君のファンという設定で遼太くんに近づくのに協力してほしい。」と必死に頼まれ、薄々承諾。
そんなわけで、二つの秘密抱えた俺は、少し戸惑っていた。
驚いたことに、笹川も合宿に特別参加していて、よくあの鬼顧問を突破したものだ、と感心した。
それぞれから探るように指示されている俺は、夜に部屋で恋バナをしようと提案し、遼太に探りを入れた。
当然、部内では奏が遼太を好きなことはほぼ全員知っている。遼太が鈍感だから気づいていないのか、気づいていないふりをしているのか。それを探るべく、部屋の二人にも協力を頼んだ。
そして、当の本人は「恋愛には興味がない。奏は親友。」とのこと。しかも、結構ガチっぽい。予想してはいたが、これは俺にとって、まずいことでもあった。俺はあの二人の気持ちをどういう風に処理すればいいのか。
奏の気持ちはLove寄りで、笹川の気持ちはどちらかというとLikeなのだが、あの奏が笹川のことを許すとは思えない。よって、二人の気持ちを同時に成立させるのは無理に近しく、その両方から相談を受けている俺は、もうどうしようもないのだ。
遼太との付き合いは幼馴染である奏の方が長いのだが、最近はクラスが同じである笹川のほうが会話の量は多いと言える。正直、もし遼太が恋愛に興味があったのなら、どちらに傾いていたか分からない。
そもそも俺自身、どうして彼女らを手伝うことになってしまったのか、と後悔している。
今更断るわけにもいかないが、いずれどちらかを優先しなければいけないのは、目に見えている。
どうする、どうすればいいんだ...。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
次は女子部屋ver.の予定です。
更新までしばしお待ちください。
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