side story - 真夜中の秘密
まだまだ書きますよ〜
枕投げはギリギリ先生にばれていないみたいで、そそくさと就寝準備をした。
いよいよ消灯時間がやってきて、電気が消えると、
「明日に備えてしっかり寝るんだぞー」
という声を残し、先生はどこかへ行った。
自分の部屋に向かったんだろうか。
余計なことは考えず、早めに寝た方がよさそうだ。
「おい、起きてるか。」
「もちろん。」
「準備バッチリだ。」
ん?
「びびりすぎだろ。先生はもういないぜ。」
「好きな人言いたくないとか?」
「もしや盗聴する気か。」
どうやら話そうということらしい。
いやだ、絶対に、今日は寝たい。
「あのな...。」
「待て、俺が行く。」
なんだなんだ。
「昨日は大事な試合があった。だから、寝た。でも明日はもう帰るだけ。つまり、これは夜更かししろと言われているようなもの!大体、ここで寝るバカがいるか。」
無視無視。俺は寝るんだ。
「こうなったら...おりゃ!」
ばさっ、という音がして視界に結斗が入ってくる。
どうやら、わずかな抵抗もここまでのようだ。
「...わかったよ。」
「よし、いつ先生が来てもいいように各自体制を整えるんだ。」
なんだか、楽しそうだし、いいか。
「さて、準備はいいか?」
せっかくだし、話題がなにであれ、楽しむとしよう。
「じゃあ...西川、どう?」
それは、恋愛的な話だろうか。
誰も先陣を切らないのを見計らって、結斗が話し始めた。
「なんやかんやで七年近く一緒だから、どっちかというと親友感が強いな、俺は。卓は?」
卓が答えようとすると、楠木が
「でも先輩は彼女がいるでしょう。」
と割り込んだ。
「ああ。そもそも西川は俺の好みじゃない。そういう楠木はどうなんだ。」
「俺ですか。クラスメイトに好きな人がいるんで。」
次は自分だろう。三人は他の三人の話を聞くときより幾分真剣にこちらを見ている気がしたが、おそらく気のせいだ。
「俺も結斗と同じで親友って感じがする。」
と淡々と言うと、なぜか全員落胆した。
一体どうしたんだろうか。
「お前なあ...。」
「うわあ...。」
「まじか...。」
あまりにもオーバーにリアクションされるから、
「なんだよ、その反応...。」
と言う。
結斗は何か考えると、思いついたように
「奏の好きな人は知ってるか。」
と聞いてきた。
「知らないというか、知ろうとしたことがないよ。恋愛とか興味ないし。」
と答えると、また全員が落胆する。
楠木があまりに大きな声で
「そんなのこの部活では常識だろ!?」
と言うから、
「声でかいって」
「静かにしろ」
と二人が焦った声で注意する。
「あ、すまんすまん。」
つくづく思うのだが、楠木という後輩は先輩に対しての口調が軽い。
それより、人の恋愛事情を知っているのなんて、相談されるか、相当陽キャかの二択であり、俺にはどちらも当てはまらない上に興味がない。
いや、興味がない、というと少し違う気がする。
なにせ数字のこともある。いまは暗闇でよく見えないから気持ちが楽でありがたい。
もし好きな人ができたりしたら、数字が見える時につらいし、まずこの事を理解してくれる人はいないだろう。そんな感じで、恋愛には興味がない。
「うわ、可哀想になってきた」
なにがなんだかさっぱり分からない。
「片想いかー」
「いや、どういうこと?」
耐えきれずにつっこむと、
「なんでもない。」
と今度は秘密にし始めたので、余計気になってしまい、彼らに情報を開示させるべく、ちょっとした口論が始まったのであった。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます!
女子部屋バージョンも書く予定です。しばしお待ちください。
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