こんな駄文、聴き流してくれ
はあああ、俺って心底気持ち悪ぃ。顔はブサイク、声もブサイク。おまけにスタイルも良くない。頭は良くない。性格も良くない。ヤニ臭い。酒好きなのに酔うと面倒だし、鬱になる。本当に馬鹿。死んだ方が社会貢献ってくらいに死にたい。睡眠薬でも眠れなくなって、とうとう激鬱だ。本当に死にたい。明日が来ないで欲しい。永遠に眠っていたい。この人生の答え合わせなんていらないから、逃げていたい。世の中は適材適所、ゴミはゴミ箱へ。お願いします。あーーーーもう!!!!!!ストレスでの散財癖が抜けない。余計にそれでストレスになるのに、またパチンコも打っちゃった煙草買っちゃった。仕事は休んで好きなことばっかして、好きなことでもストレス溜めて、ちっ、何が楽しいんだよこんな人生。クソクソクソ、世の中みんなクソだと言い張る俺が一番クソってのは嫌ほどわかってる。働けなくて金もないのに鬱は休んでろだと。休むにも金が必要ってわかってんの??てか、鬱だと言って受け入れてくれる会社ありますか?ないですよね??俺も俺みたいな奴、いらないです。書類選考でさよならですよ。もう本当にお願い、ストレスで頭痛い。死なせて、それがダメなら殺して。リスカして酒飲んで煙草吸ってリスカして……なんだよこのクソみたいなループふざけんな死ねよ。いい加減。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい……。自己嫌悪が自己完結しない人間でごめんなさい。誰かに当たり散らさないと精神を保っていられないとかクソの中のクソだけど、どれくらい死にたいが強くなったら、俺の命と引き換えに俺の我儘は許されますか?我儘言うな?あぁ、そうですか。そうですよね。俺の我儘なんか誰も聞いちゃいない。俺は転職してお星さまになるんだと願ったけれど、そんなポジティブはずっと続かなくて、やっぱペンギンになって空を飛ぶんだあ、って酔った調子で言った。お願い死にたい。けど、この自殺衝動を止めて。死にたくない死にたい死にたくない死にたい死にたい死にたい……。俺の人生にも、ちょっぴり良いことが起こることを俺は知っている。不幸体質な俺でも、湊という幸運の女神の元では幸せを感じることができる。お願い湊、俺を死なせないで。またあの幸福を味あわせて。ねぇ、湊。お願いだから、俺を一人にしないでよ。はあ、俺ってやっぱ気持ちが悪い。こんなことを深夜に思って、湊のいない部屋で、湊を一人恋しく思って、「湊、いまちょっといいかな?少しでも湊の声を聞きたくて……。起きてたら電話してね。別に寝てたとしてもこのメッセージに深い意味はないから、気にしないで」なんて酔った勢いで打って送信して、数分後に既読がつかなくて送信取り消しをする気持ち悪さを持っている。お願い、俺を殺して?俺は醜いです。俺は気持ち悪いです。生きてても誰かの不快感を募らせるだけで何も役に立たないクズ同然です。こうやって文字で自傷行為をするのも傷が浅すぎて痛くないです。包丁を手元にください。どんな幸せを味わっても、俺は数時間後には死にたくなってる。死ぬ理由を探して見つけては嬉嬉としてこれがあるから、俺の人生は生きにくいんだと堂々と主張する。バッカじゃねぇの?って言いたくなるだろ?俺自身も思ってんのよ。スパッと切った横線。滲む赤。あーあ、これすらもつまんねぇな。もっともっと限界までいってぶっ倒れて生死の狭間を彷徨って、一回地獄みて帰ってくるみたいな最っ高な刺激が欲しい。俺が生きてるって証明してよ。俺、ずっと自分に殺され続けてんだ。ブスブスブスブスブスブスブスブス!!!!鏡を割った。その破片でブスな自分が多角的に見えるだけだった。お洒落な町って俺を殺す。俺だけ馴染めてない。俺だけどこにも馴染めてない。人間じゃない?俺ってそんなに人間じゃない?人間になってみたかった。俺だってずる賢い人間に。何でも持ってる人間に。何で俺にはこんなにも何もないないない。あっ、恥と障害なら売るほどあるよ。一ついる?嫌なことだけは永遠に覚えているこの脳みそが憎いよ。不幸顔って誰の得にもなんねぇから、すんなよなあ。って自分に言い聞かせても、いっつも不貞腐れたような顔してる。可哀想なくらい貧相な身体で、こんな俺にはちょっとは優しくしてくれよ。なんて、まだどこかで救われることを願ってる。死にたいならヤラせてよ。そんなこと言われたって、愛してもない奴とヤるほど俺は落ちぶれてねぇし。このままだと自分が壊れてしまいそうだから、その前に死にたいって言ってるの。壊れたいだなんて思ってないの。何なら、保守的にプライドを持って、死にたいって言ってるの。訳分からんだろーが、俺だって訳分からんのよ。過去の汚れを引きずって、今更何のプライドがあんだよって話だけど、死んでも嫌だってことは世の中たくさんあるんだよね。例えば、コンビニで煙草を買う時に目が悪くて数字が見えなくて、渋々、銘柄でもいいですか?って言う時が俺もあるんだけど、これがさ、「数字もっとデカく書けよ」とか「銘柄でわかんねぇのかよ」とか、そういう横柄な態度を取る奴を見てると、ああ、死んでもこうはなりたくないなって思うんだよ。何でこうも歪むんだろうね、生きてると。天は人の上に人を造らないはずなのに、どうしてこうも横柄になれるのか。また天は人の下にも人を造らないはずなのに、どうしてこうも人を見下すのか。俺は階級社会が嫌いだ。そのせいで人が人ならざるものになったんだ。俺は人間より劣っているせいで、怪物だと自覚して、劣等感刷り込まれて、何をするにも怖くて、ああ、やっぱ俺だからこうなるよなって不運な俺を嘲笑うことしかできないんだ。俺だって、望んでこうなったわけじゃない。俺だって、もっと幸福に生きてみたい。最悪、死んだっていいからさあ!!ねぇ、聞いてんでしょ?神様。それか、悪魔。寿命をあげるから、俺を幸福にしてみせてよ。そう願った俺は、突如、眠くなり目を閉じる。
「やあ、君、僕を呼んだよね?」
「えっ……誰?」
「僕だよ!僕!!え、忘れちゃったの?」
そいつは俺に向かって悲しそうな顔をする。
「あ、悪魔?」
俺は寝る前に考えていた悪魔のことで頭がいっぱいだった。リスカして血が出てる状態で悪魔呼んだらそりゃ来るよなって謎に納得した。
「うん!君、僕と友達になりたいんでしょう?」
「うん……名前は……」
「氷野 京一郎、でしょ?君が何回も教えてくれたじゃん」
その悪魔は俺の周りを楽しそうに彷徨き、ずっとニヤけている。
「そっか、教えてたか」
「それで?何して欲しい??なんでもできるよ」
首を傾げて聞いてくる悪魔。俺はまとまらない思考で適当に思いついたことを言った。
「じゃあ、ペンギンになって空を飛びたい」
その瞬間、目の前の景色が変わる。湊の高層マンションその屋上。俺は柵を超えて、そのまま下へと落ちてった。ああ、綺麗だなって思った。死の恐怖は何もなかった、ただただ落ちてっただけ。トンネルをくぐり抜けて、出た先には遊園地が広がっていた。湊ときた遊園地だ。
「京一さん、ちゃんと楽しんでますか?」
湊は鎌をかけて聞いてくる。
「ちゃんと楽しんでるよ」
と答えた俺の横にはルイルイがいた。
「京ちゃん、これから俺らは特別任務や」
「何、それ?」
「お化け屋敷のお化け役にドラッグを渡すんだよ。もう忘れたん?」
「ああ、そうだった」
話合わせるためにそう言ったけど、そんなのここで初耳だ。合図は足首をつかまれること、だそうだ。
「永遠に夜でいいのにって思ったことありませんかー?」
着ぐるみの隣りで何やらスタッフが大声で呼びかけている。その呼びかけに誰も足を止めない。俺だけが食い付いた。
「それって、明日が来ないってこと?」
「はい!明日やるべきことから逃げたくありませんか?私達は、今日を生きる人達から明日を遠ざけるお仕事をしているんです」
誇らしげに自身の仕事を語るスタッフ。
「へぇ、変わってんね」
俺は興味をなくし、湊達を探したが人混みで見つからなかった。
「どうですか?お兄さんも試しに明日から逃げてみます?」
というとスタッフはVRゴーグルのようなものを準備している。
「その、仕事はないの?」
「え?」
「俺が明日やるべき仕事はどうなるの?」
「あぁ、それならご心配ありません。我々は今日と明日の間に無限という空間を発生させるとこができます。この空間では時が流れません。だから、明日は来ないんですよ」
「その無限って簡単に出入りできるの?」
「申し訳ないのですが、無限から出ることは不可能なのです」
「んーーー、ちょっと待って。湊と相談するから」
「お兄さん、こんなチャンス二度とないですよ!?それに、無限の中ではひとりになります」
「……じゃあ、無理」
俺はそのスタッフに背中を向けた。
「何で?永遠に明日から逃げられるのに……」
「俺、湊のことを一人にさせたくないんだ。湊って、とっても寂しがりだから」
「じゃあ、死にたいなんて言うなよ」
悔しそうな顔して、そいつはボソッと俺に聞こえる独り言を言った。
「た、確かに……!!」
「京一さん、もうこんなところで何やってるんですか?」
湊が俺の腕に抱きついてきた。
「湊。あのさ、明日が来なければいいと思う?」
「急に何ですか?」
「明日のやるべきこと全部投げ出して、今日が永遠と続くとしたら?」
パチッと目が覚めた。湊の答え、聞きそびれちゃった。
「京一さん、おはようございます。今日は早起きですね」
生活リズムが狂ってから、朝起きれなくなって、朝ごはんを持ってくる湊と会えなくなっていた。
「おはよ。湊さあ……」
起き上がって、食事をしている湊を後ろから抱きしめる。
「な、何ですか?」
湊のこと、最近抱きしめてなかった。この反応でそれに気づいた。
「明日が永遠に来なければいいのにって思うことない?」
「ありますよ」
「でも本当に来なくなったら嬉しい?」
「ん〜、一時的には嬉しいかもしれないですね」
「何で?何で一時的なの?」
「だって、今日の京一さんと明日の京一さんは違うから」
「え?」
「知ってますか?人間の身体って、日々生まれ変わってるんですよ」
食べながら、湊はそんな話をする。
細胞単位で見れば、死んで生まれてをループしてる。
「じゃあ、今も俺は死んでるんだ」
「死にながら生まれてますね」
「じゃあさ、湊が大好き!って細胞だけで俺の体内を埋めつくして、ずーっと俺と一緒に今日に閉じ込められたら?」
「あはっ、迷っちゃいますね〜!」
彼は嬉しそうな声で笑った。
「何で迷うの?俺は湊と永遠に、時間の概念がない場所で閉じ込められてたいよ」
「そしたら、僕は京一さんと一緒にお酒が飲めないし、夢の俳優にも医者にもなれないし、そして何より、ツンツンした京一さんが見られなくなるじゃないですかあ♡♡」
「え、そんな理由?」
「そんなって言わないでくださいよ。僕にとっては超重要なんです!」
そう主張する湊が可愛かった。
「湊、んーっ」
湊の頬にキスをした。
「なっ、何ですか?」
「湊とずーっと一緒にいたい」
「え、そんな急に可愛いこと言われても……。照れるじゃないですか……」
耳が真っ赤になってて、こんな赤面、ヤる時以外で久しぶりに見た。
「湊、俺は死にたいんだよ。俺を最優先にして?」
その耳に息を吹きかけるように囁いた。
「あっ、ああっ、ちょっ……京一さん??」
「なーに?」
「僕、また遅刻しちゃう……」
と余裕のない顔で苦しそうに、勃起をしていた。
「その背徳感が癖になるでしょ?」
と上に反り勃ったそれを優しく撫でた。
「あぁ、本当。悪い人」
なんて口では言うが、自分から舌を絡めてキスをしてくるんだから、君だって悪い奴だ。
「湊は天使みたいだ」
「え?」
「昨夜、悪魔に会ったんだ」
「そうなん、ですか?」
「湊みたいな背丈の少年だった」
「……う、浮気ですか??」
疑いの目で見つめてくる。
「ふふっ、してないよ。俺が好きなのは湊だけだから」
「京一さん……」
「それで思ったんだ。湊は俺に幸福をくれる天使だって」
湊が腰を反らす。悪魔が悔しがってる顔が目に浮かぶ。
「あっ、そんな可愛いこと言われると、んっ……」
「俺、生きてもいいのかな?」
「生きてもいいですよ。というか、生きててください」
湊に肯定されると、涙が出そうになった。
「湊と一緒なら生きていけるかもね」
「んんっ!!はあはあ、キュン死しそうです……」
俺の手を縋るように必死に握ってる湊。
「ふふっ、可愛いね」
「あんっ、んっ、ぶっ飛んじゃいそう」
湊と目線が合わない、どこか上の虚構を見つめているみたいだ。
「奥グリグリされんの気持ちいい?」
「ぅん、気持ち、いい……もっとぉ……♡」
「二人でずっと気持ちいいことだけしてたいね」
「ああっ!んっ、気持ちいい……好きぃ……」
「一緒に飛んじゃおっか」
「うん!」
元気よく返事されて、一緒に絶頂を迎えた。
「湊、何で制服着てんの?」
煙草タイム。湊を引き止めた。
「学校に行かなければならないからです」
ふん、冷たーい奴。さっきまで俺に組み敷かれて喜んでたくせに。
「今日は休んでよ。俺、二回戦もしたいんだけど」
「無理なものは無理です」
「えーなんでよ。中学生なんか出席日数関係ないじゃん」
「貴方にはわかんないですよ。僕がどれだけ怒られて、どれだけ焦っているか。所詮、他人の人生だからそんな軽率なことが言えるんですよね」
湊は俺の想像を超えて怒っていた。あ、やばい。また死にたくなる。
「……あ、ごめんね。俺、自己中だったよね。気付けなくてごめんなさい。学校、頑張ってね」
死にたい死にたい死にたい死にたい死にたい!!と脳内がパンクするほど死にたいでいっぱいになった時、救いの手を差し伸べるかのように湊は俺を抱きしめた。
「……はあ、ごめんなさい。僕も言いすぎました」
「ううん、湊は間違ってないよ。湊の人生は湊が決めていいの。俺の声にも惑わされずに」
「僕は京一さんがいない人生なんて耐えられません。だから、京一さんが最優先です。貴方が死にたいと思った時、僕はいつもそばにいます」
「湊……ううっ、湊ぉ……!!」
俺は湊を抱きしめて泣いてしまった。自分の情けなさと湊の優しさがドロドロのシェイクみたいに混ざって甘かった。
京一さんは昼からお酒を飲んで煙草を吸った。それも何だか楽しくないようで、ずっとため息をついて、それから、僕を蹴ってきた。
「痛っ!何するんですか?」
「ふふっ、怒ってる湊もかあいーね!」
全く、小学生みたいだ。
「かまって欲しいんですか?」
「いーや?そーゆーわけじゃないけど……」
「じゃあ、何ですか?」
と聞くと、少し不満気な顔した後で、彼は両手を広げてハグを求めてきた。
「セックスはいらない。疲れるから」
「わかりました」
そして、彼は数十秒のハグにも飽きて、映画をつけた。70年代のアメリカ映画だ。煙草・酒・セックス・車の若者向け映画だった。
「あーあ、こんな時代に生まれたかった」
「京一さんはきっとイケイケな一軍ですね!」
「助手席に湊を乗せて、かっこいい車を走らせて、煙草をふかすんだ」
妄想のノスタルジックで僕は貴方とタイムスリップする。そのカーラジオからはお洒落な音楽が流れるんだ。
「ふふっ、何だか僕だけダサいですね」
助手席にいて気が付いたけど、僕はとても陰キャで、キラキラしている貴方の隣りには相応しくない。
「そんなことないよ」
貴方はちゅっと、横から僕の額にキスをした。
「きっとこの時代でも、僕はいじめられっ子ですよ」
「そんな湊が俺は好きだよ」
京一さんとのドライブの絵がやっと想像できた。京一さんは殴られている僕のところに駆け寄ってきて、いじめっ子達を蹴散らして、僕を車に乗せてその場から立ち去るんだ。僕が「助けてくれてありがとうございます」と言うと、「別に、俺のためにやっただけだ」と自己肯定感の低さからなるメサイア症候群で僕を助けただけと言わんばかりに言う。そして、ダイナーキッチンに行って、ハンバーガーとポテトとコーラをテイクアウトすると、僕にそれを乱雑に渡す。「食べていいよ」って。
「京一さんが運転している横で僕は似合わないサングラスをかけるんです」
「そして、ラジオから流れるお洒落なミュージックを二人で口ずさむんだ」
「ふふっ、僕はドライブしたくなりましたよ」
と彼の肩に頭を乗せて、甘えた。
「俺、酒飲んじゃったよ。湊が乗る車で事故はできない」
あぁ、もう!大好き!!僕のこと思ってくれてるのすごい好き♡♡
「じゃあ、僕が運転しますね!」
とハンドルを握る仕草をして、アクセル踏んで、ぶーんと口で言った。
「湊、海に行きたい」
「わかりました。ちゃんとシートベルトしてくださいね」
僕はぶん、ぶんぶんぶーん!と吹かしまくって、スピードを出して走った。
「ふぅ、風が気持ち良いね」
煙草を吸って、貴方はこのおままごとに付き合ってくれる。
「京一さん、どの音楽かけます?」
「ザ・ビーチ・ボーイズで」
六畳一間で僕達はドライブをする。ジャンクフードが食べたくなって、僕達はダイナーキッチンへと向かう。実際はジャンクフードを宅配してもらったのだが、そんなのはちょっとした差異だ。京一さんはポテトをつまみながら、僕のスマホというカーラジオから流れる曲を歌っていた。
「京一さん、僕にもポテトください」
ケチャップを先に付けたポテトを口元に持ってかれた。僕が食べようとすると、ヒョイっと引っ込められて、食べれなかった。
「ふふっ、ちょっと揺れたね」
と悪戯っぽく微笑む。今度は食べさせてくれようと僕の口元に持ってくるけど、少し位置がズレていて、僕の左頬にケチャップが付いてしまった。
「もう、ちゃんと食べさせてくださいよ〜!」
信号待ち、僕は彼の方を向いて、そのポテトを自ら迎えに行った。
「ごめんね」
と言って、全く反省してないような顔して、彼は僕の頬についたケチャップを舐めた。
「あはっ、事故っちゃうよ〜!」
そんなのはお構いなしに彼は音楽に乗せて、身体を動かしている。
「湊、信号赤だよ」
突然、彼にそう言われて、僕は慌てて急ブレーキをかけた。
「はぁ、危なかっ……!」
僕が一息ついて、ハンドルから手を離すと、彼は僕の顔を掴んで、キスをしてくる。結構、ディープめの。彼はコーラにウイスキーを混ぜて、コークハイにしていたんだ。お酒が回ったのか。
「セックスはしないんじゃなかったの?」
顔を真っ赤にした彼に、僕は余裕な顔して尋ねた。
「意地悪ぅ」
彼は唇を尖らせた。助手席に座り直した。けれど、僕の太ももをいやらしい手つきで触りながら、甘えてくる。僕まで我慢できなくなりそうだ。
「わかりましたよ、あの駐車場に停めますから」
彼の押しに負けて、広大な駐車場の隅に僕は車を停めた。彼は車が止まるや否や、僕に襲いかかってくる。今まで我慢していた分を吐き出すかのように。
「京一さん、待って。後部座席でしましょう?」
「うん……」
僕達は狭い運転席から、後部座席という名のベッドへと移動した。京一さんは指で僕のナカをほぐしてから、自分のを挿入れて、何往復か腰を揺らすと、
「湊ぉ、動くの疲れたぁ。湊が動いて〜」
と僕に覆いかぶさってきた。僕は不器用ながらにも腰を上下に動かした。すると、彼の身体が熱を帯びてきて、僕のお尻を揉みこんで、僕の乳首を舐めながら、僕の顔を上目遣いで見つめてきて、僕の奥を突いてきた。えっっっろ!!!何だこの人、えっろすぎ……!!
「あんっ、!死ぬ死ぬ、死んじゃう"……!!」
「はぁ、はぁ、出すよ?」
この合図、何回聞いても大好き。その数秒後、京一さんの熱いのが、僕のナカに大量に注がれるんだ。彼がビクビクっと腰を痙攣させて搾り出してるのも可愛くて大好き。
セックスが終わると僕達は車に乗っていたことも忘れ、冷めたポテトをつまんだ。
「湊ぉ、あーんして?」
と甘えてくる京一さんにポテトを食べさせる。僕の手から草を食べるうさぎのようにちょこちょこ食べる京一さんが可愛くて、凝視してしまった。
「美味しいですか?」
「油っこい」
そんな感想ですら愛おしい。
「人生って、無意味だね」
「え???」
突然、何を言い出すんだこの人は。あぁ、賢者タイムか。
「この感情も、死んじゃえば全部無意味になるんだね」
「どんな感情ですか?」
「美味しかったはずのポテトが冷めてるって感情だよ」
貴方はポテトを見つめて適当なことを口にする。
「悲しいですか?」
「いいや、悲しくないよ。湊がいるからね。だけど……」
「だけど?」
「熱から冷める瞬間って、ちょっぴり虚しい」
と貴方は微笑んだ。
「じゃあ、また温め直せばいいですよ。電子レンジ使いますね」
僕はポテトをキッチンペーパーの上に並べて、電子レンジで温め直した。それを京一さんに食べさせると、京一さんは目を丸くして、「美味しい……」と呟いた。
「愛してるよ、湊」
パンツを一枚履いただけの裸体の彼は、隣りに座る僕を抱きしめて、また温め直すかのように愛を囁いた。
「まだ足りないです」
なんて、火力を求める僕は愛の亡者だろう。
「じゃあ、なーに?ディープキスして欲しい??」
彼は僕の首に腕を回す。その肋骨が浮き出てる細くて薄い身体に刻まれた大きな傷、どれも全部大好きで、目のやり場に困っちゃう。
「京一さん、そのままで一分ほど待ってください」
「何で?俺、ちゅーしたいんだけど」
はああああ、可愛すぎて無理!!!!はやく僕とキスしたくて若干唇を突き出してるの可愛すぎる。僕は呼吸を整える時間が欲しかったんだけど、寧ろこれは焦らしプレイで逆効果。
蕩けるようなキスをして、僕はまんまと赤面した。




