96話≫〔修正版〕
よろしくお願いします。
ー【縛りの咆哮】ー
「GURAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!!」
大気が震え、天井のから隙間に溜まった塵が舞い落ちる。
そしてその咆哮には背後に居たゴブリンですら震え上がった。
それはサイクロプスでさえ例外ではなく、
強者と弱者の立場が逆転した。
「おいっ!…大丈夫か!?」
背後でカマさんの心配する声が聞こえる。
俺はそれに軽く手を上げる事で返事をして、地面を踏み抜き一瞬でトップスピードまで加速する。
あまりの速度に眼を見開くサイクロプスに向かって上段から剣を振り抜く。
流石に受けるのはマズイと判断するだけの知能はあったのか、
サイクロプスは肩に担いだ棍棒を咄嗟に俺に向かってぶん投げて来た。
「グラァァァァァァッ!!!!!」
「…ッ!?…オラァァア!!!!!」
俺はそれを力任せに切り裂くが、
剣を振り下ろした隙を突いてサイクロプスが距離を詰め、
右の拳をフックの要領で振り抜いて来た。
「グォォォォォォォォォォォ!!!!!」
ブォォオォォォン!!!!!!
スキル【野生の本能】が警鐘を鳴らす。
咄嗟に両手で短剣を2本引き抜き身を捩りながら、
まるで登山で使うピックの様に短剣を扱い、サイクロプスの迫り来る右腕に突き立てながら迫る。
ザザザザザクッ!!
ブシャァァァァ!!
短剣を抜いて次の場所に突き刺し進む。
抜くたびに噴き出す血が地に降り注ぐ頃には既にサイクロプスの頭部まで移動していた。
「ギャァァァァァァァァ!!!!!」
サイクロプスが悲鳴を上げるが容赦はしない。
悲鳴を上げる裂けた口に短剣を投擲する。
サイクロプスの口に寸分たがわず突き刺さった短剣は口を塞ぎ血が溢れ出た。
そして投げた反動で横に回転し速度をつけて、
もう1本の短剣をサイクロプスの単眼にブッ刺した。
「ーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」
眼球から半透明のゼラチン質の物体と血が混ざり合った液体が溢れ出してくる。
形容し難い痛みに声にならない悲鳴を上げるサイクロプスだが、
まだ終わりにはしない。
止めと言わんばかりに単眼に突き刺さった短剣を回転しながらの回し蹴りで脳の深部まで打ち込む。
「オラァァァァァァ!!!!」
流石にこれは致命傷になったのか、
サイクロプスの先程まで握っていた拳はだらしなく広がり、
その巨体は糸の切れた人形のように地面にうつ伏せに倒れこんだ。
倒れこんだ風圧で辺りを土埃が舞う中、
俺は言いようのない達成感に包まれた。
やはりそれをゴブリンを倒し終えたカマバール・リードレールことカマさんは引きつった笑みを浮かべて見ていたのはもはや必然と言えよう。
(おぉい…あれって…獣系の咆哮スキルの一種か…?
その莫大な魔力と滅多に見ない珍しいスキル。
カナデ…お前は一体何者なんだ…?
…いや、これも野暮ってもんだな。
俺とお前は1時的とはいえパーティメンバーだ、余計な事は聞くまい。)
カマさんは想像以上に出来た人間であった。
個人的な事を追求はしない。
冒険者たる者の鉄則である。
そんな事など全く知らないカナデはレベルアップ特有の身体が熱くなり満たされる感覚を久し振りに味わっていたのだった。
【SideOut】
『半人族[lv:27]』 :【剣士】/【戦舞技師】/【全属性魔術師】
雪埜 奏
必要経験値/規定経験値:505/2800
能力:【戦舞技補正:強】【鈍感:大】
new!【剣豪:Ⅰ】new!【魔力探知:強】
【体力補正:強】new!【筋力補正:弱】
【解析の眼】【弱点解析】【縛りの咆哮】
【野生の本能】【下克上】【全属性魔法】
【魔力量増大:中】【隠密】【暗視】【魅了】
【砂塵の爪甲】【魔法操作:強】【思考加速】
【瞬間移動】【予測の眼】【血分体】【下位従属】
【魔法威力補正:中】【魔法命中率:中】
【超回復】【粘糸精製】【識字】
【色素調整】【剥ぎ取り補正:弱】
残存Point:[6]
所持金:[105900エル]
称号:【魂を鎮める者】
経験値700獲得
[!]パーティ打倒により経験値分割されます。
経験値600を手に入れました
※規定経験値を超えました。
1levelupします。
必要経験値がresetされます。
1Point獲得
※ボス級魔物打倒により2Point獲得しました!
【魔力探知:中】→new!【魔力探知:強】
【剣術補正:強】→new!【剣豪:Ⅰ】
【剣豪:Ⅰ】は全5段階になります
new!【筋力補正:弱】




