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Soul-Move -新章開始-  作者: 癒柚 礼香
【エスナの地下迷宮】
75/145

94話≫〔修正版〕

よろしくお願いします。








1階層の扉を抜けて地下へと伸びる階段を駆け降り、

2階層をカマさんと駆け抜けて行く。


【エスナの地下迷宮(ダンジョン)】2階層、この階層はボス級魔物としてCランクの魔物が出る。


前にも戦った[単眼鬼(サイクロプス)]は動きこそ把握しているが、

油断は出来ない。

だが今回はカマさんも居る、

よほどのイレギュラーが無ければ勝つ事が出来るだろう。


適正ランクはCランクの個人か数人のCランクパーティらしい。


なぜそこまで振れ幅が大きいかと言うと、

個人だと実力は拮抗、

パーティでやっと余裕を持って倒せるという目安だからだ。

正直ややこしいけど、最初に口すっぱく説明する為間違える事は無いらしい。


階層をうろつく魔物のランクは殆どDランクで、稀にCランクの魔物が居るそうだ。


この階層に出現する主な魔物は、


骸骨騎士(スケルトンナイト)]、


石巨人(ゴーレム)]、


下位悪魔(レッサーデーモン)]、


の3種類

レベルこそ低いがスケルトンナイトは筋肉に制限されない人外の動きをするし、

ゴーレムは耐久性に優れている。

レッサーデーモンは小柄な体躯の為すばしっこい。

そういう特徴をつかんでいないとだめなのだ。


そしてできる事なら、


スケルトンナイトは胸の鎧の下に隠れたコアを破壊する、

ゴーレムも身体の何処かに隠されたコアを破壊する。

レッサーデーモンは心臓を一突きにする。


などといった弱点も抑えておくとなお勝利が近づく。



ーーカタカタカタカタ…



歯を噛み鳴らす音が通路に響いた。


さっきから頻繁に遭遇するスケルトンナイトの歯を鳴らす音だ。


錆び付いたり傷ついた全身鎧を身に纏い、

バスターソードやツーハンドソードを握っている。


兜の奥に見える赤い光はゆらゆらと揺れ、

不必要に不安を掻き立て心が落ち着かなくなる。


また遭遇した。

今度はスケルトンナイトの群れだ。


前から響く5体分のスケルトンナイトの足音。



ーーガチャガチャガチャ



後ろからも鎧が骨に当たる音がする、数は4体だろうか…


「カマさん、どうやら挟まれたようです。前…頼めますか?」


「任せろカナデ、俺の後ろには骨1本も通さない。」


カマさんは俺と背中合わせになりそう答えた。


その立ち姿はまさしく血の滾る獅子の如く、フリフリのゴスロリを着ていたとしてもなお、

歴戦の戦士を思わせる風格を醸し出していた。


カマさんは腕に装着している手甲(ガントレット)を打ち鳴らし吠えた。


「オラァァ!!行くぞ骨共!!【巨人の拳(ギガンフィスト)】ォォオ!!!!」



轟轟轟轟ッッ!!!!



ゴバァン!!バキバキバキッ!!



カマさんの拳を受けたスケルトンナイトは脆くなっていた鎧ごと粉々に砕け、

周囲に居たスケルトンナイトも衝撃波であちこちの鎧と骨を砕きながら吹き飛んで行った。


俺もカマさんばかりに頼ってはいられない。


スキル【全属性魔法オール・アトリビュート・マジック】発動


炎属性下位槍魔法発動


俺は空いた手をスケルトンナイトの群れの中心に向けて、狙いを定めた。


そして発動キーを唱える。


「…【炎の槍(フレアスピア)】!!」


ギュルルルルルルルルルル!!!!!!


瞬間、眼前に現る炎の槍。


それは回転し始め推進力を増していき、

周囲の空間を焼き尽くしながら狙った獲物に向かって一直線に向かって行った。



ドゴォオオォォォォォォォン!!!!!



ゴォォォォォォォ……………



直撃したスケルトンナイトの腹部の鎧は穴が空き、焼けただれた後、内部で爆発を起こした。


そして周囲に居た残りのスケルトンナイトも爆風と粉砕したスケルトンナイトの破片でダメージを負い消滅した。


辺り一面は火の海、スケルトンナイトは既に跡形もなく塵と化していた。





その時一瞬カナデの方を向いたカマバール・リードレールが引きつった笑みを浮かべたのを気がつけというのは酷だろう。




××××××××××××××××××××××××××××××××××




(あの爺め、何が期待のDランクを手助けしてやれだ…予想以上だぞ…Aランクの俺の拳とタメを張れる威力の下位魔法なんて聞いた事がない……

一体どれほどの魔力込めたらスケルトンナイトが粉々になるんだ……)


カナデの【全属性魔法オール・アトリビュート・マジック】の下位魔法は

循環(サーキュレーション)】に使った古代魔法の概念を知識に取り込み己が物としていた事により、

既に決まった威力と形態の現代の魔法の威力調整までも可能にしていたのだ。


それに魔法の制御の高さにより効率よく魔法が練れる。

よって余計な魔力が魔法の威力に回され、結果的に魔法の威力があがったのだろう。


そんな事は勿論知らないカマバール・リードレールことカマさんはこの青年について深く追求するのを諦めた。

というより自分から手を引き、やめる事した。


なぜやめたのか…

それは聞くだけ野暮な事であろう。


Aランクともなれば色々と面倒な事に嫌気が指すと言う物なのだろう。


ともかく、ウォルテッドに無事に帰れた暁にはギルドマスターのダインに気が済むまで文句を言うと誓うカマさんだった。


だが同時に、これ程まで若い青年がいずれ自分と同じ歳になった時。


一体どれほど大成し、強大な力を手にいれるのか…


それが無性に気になり、同時にその青年の成長に僅かでも関われた自分を嬉しく思った。



(まったく、爺の野郎、最高に厄介な奴を押し付けやがったな…)



そう思うカマバール・リードレールの顔は思考とは裏腹にとても楽しそうに口角を吊り上げ、嗤っていたそうな…。



そして自分の倒す分のスケルトンナイトの生き残りを砕き、逸れた思考を元に戻したのだった。




××××××××××××××××××××××××××××××××××




時間はまだ27日の昼を回った頃だろう。




2階層ー【餓鬼の間】ー



半円状に広がる5匹の[混沌小鬼(ゴブリン)]。

そしてその中心に鎮座する玉座に座るのは…


単眼鬼(サイクロプス)]。


一つ目の鬼。



「準備はいいか?カナデ」


隣にカマさんが居るのが心強い。


「あぁ、大丈夫だ」


1人じゃない。

仲間と共に行動する喜び、

仲間が居る事がどれほど心の支えになるかと言う事を実感した。




【SideOut】



半人族(デミヒューマン)[lv:26]』 :【剣士(ソードマン)】/【戦舞技師ダンズ・ワー・トリッグ】/【全属性魔術師オール・アトリビュート・ウィザード


雪埜(ユキノ) (カナデ)


必要経験値/規定経験値:2475/2700


能力(スキル):【戦舞技(センブギ)補正:強】【鈍感:大】

【剣術補正:強】【魔力探知:中】【体力補正:強】

解析の眼(アナライズ・アイズ)】【弱点解析ウィクネス・アナライズ】【縛りの咆哮(バインド・ロア)

野生の本能ワイルド・インセィティクト】【下克上】【全属性魔法オール・アトリビュート・マジック

【魔力量増大:中】【隠密(スパイ)】【暗視(ナイトヴィジョン)】【魅了(チャーム)

【砂塵の爪甲】【魔法操作:強】【思考加速(アクセラブレイン)

瞬間移動(ワープ)】【予測の眼(ヴィジョン)】【血分体(ブラッド)】【下位従属】

【魔法威力補正:中】【魔法命中率:中】

超回復(ハイ・リカバリ)】【粘糸精製】【識字】

色素調整ピグメント・アジャストメント】【剥ぎ取り補正:弱】


残存Point:[3]


所持金:[105900エル(10万5千9百エル)


称号:【魂を鎮める者(クロムソウル)




経験値2950獲得


[!]パーティ打倒により経験値分割されます。



経験値1475を手に入れました







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