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Soul-Move -新章開始-  作者: 癒柚 礼香
【エスナの地下迷宮】
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58話

今日のお昼頃のアクセス数がなんかヤヴァイ事になっててびっくりしました。


こんな作品を読んで頂いてありがとうございます!



よろしくお願いします。




【ロザリアSide】



私達のパーティ【オルペイの竪琴】はやっとの事で

【エスナの地下迷宮(ダンジョン)】の1階層の【試練の間】の前に来ました。



立ち止まって上を見れば、5メイル程の重厚な金属で出来た扉が目の前にそびえています。


淵は金に彩られ扉の表面には細かな細工が成されていて、よく見るとその細工は1人の人間と魔物の大軍が戦っている絵が永遠と書かれているみたいですね。



私はこの絵に魅入られた



ロザリアは知らないがこの扉に描かれた細工は英雄譚のとある1節である【魔物の氾濫】である


神々の住んでいた楽園に


冥界から溢れ出て来たとされる魔物


その魔物に対抗する為に神々は地上の人に各々で自らの加護を授けた


その中で1人の青年が英雄となり


世に溢れた魔物を打ち倒し


世界に数カ所ある常夜地帯に押し込めた


それが英雄譚の大まかな内容である




ー閑話休題ー




少しの間だけ魅入られたあと


不意にお腹に響くような重い音を立てて扉が開きました


皆も不味いとは思っているのでしょうが扉の中を覗いた時にそれは吹き飛んでしまったようです


まるでそこは王の謁見の間の様な


広々としていて突き当たりには黄金に光る巨大な玉座があった


エマが部屋と廊下の境界線を踏み越えてしまう


そこで気がついたのかエマが引き返そうとするが


扉は開いているはずなのに出てこない


いいや、出れないのだ


薄い膜の様な物が張っていてエマがそれを叩いても僅かに波打つだけ


「大丈夫かっ!?今たすけッ!?ってうおぁ!」


すかさず正義が大好きなカロンが助けに行くが


その拍子に膜をすり抜け中に入ってしまった


なんて使えないカロンなのだ…


だがもしかしてこの膜は…ギルドの受付のお姉さんが言っていた


入る事は出来ても抜けられない膜なのでは…


私は確信した


「どど、どーしよ!この膜って結界じゃん!?ボス倒さなきゃ解除されないやつだよ!」


エマが泣きそうになっている


自業自得だがパーティをやっている以上連帯責任である


それに、エマの事は好きだしカロンもポールも好きだ


皆見捨てる事はできない


私とポールは迷わず結界の膜をくぐった



玉座に座るのは


というか寝転ぶのは


Dランクの魔物[巨芋蟲(ビックワーム)


体長3メイル程の芋虫の上位種


思わずカロンが呟いた


「やっべ…相性最悪だぜ…」


そう、私達のパーティには炎魔法使いが居ません


炎魔法使いは火魔法使いと違って放つ魔法全てが爆発するので


乱戦では敬遠されやすいですが


ビックワームには爆発は効果的です


多分ポールの雷は殆ど効きません


ビックワームの体の表面は電気を通さないのです


ですが今回はビックワームと戦うつもりはなく、効果的な物は何もないです


ピンチです


それとこの魔物、芋虫の上位種とかいってるくせに


アホみたいに強いんです


雷は効かない


下手な斬撃はブヨブヨの皮膚が弾く


口からベトベトの糸を吐く


その隙にひたすらに突進してくる


なんか考えてるだけてイライラして来ちゃいました


でもここは怒りを抑えて連携しないといけません


まだビックワームはこちらを敵と認識して居ません


様子を伺っています


しっかり連携して攻撃すればある程度効果のあるファーストアタックになるはずです


そう思って居たのに


「このクソ蟲がぁぁぁぁ!!」


ポールがキレました


本当アホですね


顔も頭もアホですね


「我!雷神アーシェラの眷属!魔力を糧に雷の槍を授けよ!

雷の槍(サンダースピア)】!!!くそ!もう一回だ!!!」


ビックワームに全く効かないサンダースピアを2発程撃った後腰の短剣を抜いてかけ出したところを


カロンに殴られて説教されて居ます


アホですね


余程相性が悪い魔物でイライラしたんでしょうね


魔法を使う人は難儀ですね


ちなみに魔法を使う人は自分の髪と同じ色の神様に魔力を渡して魔法を貰うらしいです。


それを声に出して神様に聞いてもらうらしいですね。








ですが本当にピンチです


ビックワームが突進してくる


カロンが説教をやめ、剣をしまい盾を両手に持ち構える


そしてスキルを発動


スキル【鉄の護り(アイアンガード)


効果は正面から来る攻撃を防ぐ

効果は本人の筋力に依存する


と、聞いたことがあります


だけどカロンはとても鍛えています


ついこの前、筋力系のスキルも手にいれたみたいですし


カロンがビックワームに負けるのとは思いません。


もちろんカロンはビックワームの突進を5メイル程後ろに土煙を立てながらも止め切りました


これにはさすがのビックワームも驚いたのでしょう


いっしゅん震えた後に直ぐに行動に移そうとします


だけどそんな事は許しません

私の使える唯一の属性戦舞技

魔法は使えないのに属性戦舞技はつかえると言うのは変ですよね


属性戦舞技ー【砂転突(デザートドリル)


私の土属性の僅かな魔力を吸い取る


そして剣が青く光り砂を纏い砂が剣を中心に回転を始める


そして横合いから動きの止まったビックワームを突き刺した


否、回転する砂の刃て抉ったのだ


腹から僅かに噴き出す紫の血液


私の剣に纏った砂は紫の血を吸い取り光を失いボロボロと崩れ去った


だが手傷は追わせられた


直ぐさまバックステップで距離をとる


カロンも同じくバックステップで距離をとる


そして直ぐに私とカロンがビックワームに迫る


ビックワームに突進させる余裕を生ませない為だ


突進すると場所がコロコロと変わるから攻撃がしづらいのです



役立たずのポールは雷魔法を傷口に向かって撃っている


時折皮膚に着いた血を伝って傷口に電流が流れている様なので


役立たずの汚名は返上だろう


そうして私達のギリギリの戦闘は続いた





エマはカロンが怪我をするたびに回復魔法で傷を癒していた


私も時々怪我をすると直ぐにエマの回復魔法を飛ばしてくれた


だけど暫くするとエマの魔力が切れたんです


後は魔力回復薬(マナポーション)に頼るしか無く


すでにエマが今1本飲んだので、マナポーションの残りの数はパーティ合計で12個


ここに来るまでの戦闘で4本


ビックワームとの戦闘では1本


残りは7本しか無い


だがビックワームも随分弱ってきています


もうそろそろ勝てるかもしれない、"アレ"が来る前に倒せればだけど…





嫌な予感は的中するものですね



マナポーションが残りは5本を切った時だった


私達が懸念していた事



それは【狂化】



E〜Cの人型で無く知能の低い魔物が瀕死状態になった時に時折見られる


又は魔物が稀に持つスキルの【狂化】


全ての攻撃が2倍になり


防御も2倍になります


ただしスキルや魔法は使えなくなり


大半がアホになります



だけどこれはかなり脅威で、私達パーティは既に精神的な疲労が限界に来ていますし、これ以上の激戦には耐えられません


私達のパーティはここで全滅する運命



そう思いました



「…大丈夫?」



パーティが絶望し、私が地に膝をつけた時


鈴のなる様な心地よい声が聞こえたのです


僅かに視線を横にやるとそこにいたのはフードをかぶった謎の人


カロンの様にむきむきでは無いようです


手を差し伸べながらその人は僅かにフードから覗く口元を開いた


「…手を貸したあげようか?」


男性でしょうか?


ひどく中性的だが、僅に低く辛うじて男性だと判断出来る声


その声から発せられる言葉は


悪魔の囁きとも


天使の救済とれた


「…お願いにゃ…」


私は差し出された手を握った


その彼の口元が僅かに綻ぶ


その手を引かれ私は否応無く立たされた


その手を放し


その彼は剣を抜き放ち駆け出した


彼は只、立たせて上げようと声をかけただけかも知れないし


私たちのピンチを知って結界をくぐって来てくれたのかも知れない


彼は【狂化】で暴走したビックワームの突進を剣で受け流し


しかもその後に通り過ぎていくビックワームの側面を圧倒的な力を持って斬り裂いたんです


そしてのたうちまわるビックワームの脳天目掛けて蒼く光る剣を一閃


圧倒的でした



のたうちまわっていたビックワームが痙攣した後、大きく倒れこみました



不意に顔に吹き付ける風



その風でめくれる彼のフードはめくれ



一瞬目を見開き驚いた表情をしましたがすぐにフードを被りました



私達の脳裏に焼き付いた黒髪の彼の顔を



忘れる事は無いでしょう



胸の動悸が止まりません


何故でしょう


私にはこの気持ちがわかりません



風に乗って彼の匂いがしそうです




は、話を変えます!


ま、まさかこのタイミングで助けが来るとは思わなかったので感激です


エマはなんか力が抜けたみたいで腰を落とし彼を見ながら頬を紅潮させ泣いています


王子様…とか聞こえるけど王国の王子は違う人ですよー


カロンは「おぉ、救世主よ…」


とか言ってなんかトリップしています


ポールは魔力が切れて気絶していますがそれは安心したからでしょう


私は彼の方を見ました


深くフードをかぶってしまった彼はこちらにすこし歩み寄って来ました


そして私達の方を一通り見た後僅かに微笑みました


「…大丈夫そうだね…もう俺は……行くね…じゃあね」


そしてそのままダンジョンの奥に歩いて行きました


彼とはまた会えそう



なんとなくそんな気がしました。




【SideOut】




『獣人族/猫人族(ワーキャット)[lv:12]』 :【農民】/【剣士(ソードマン)


ロザリア


必要経験値/規定経験値:350/1100


能力(スキル):【筋力補正:弱】【剣術補正:弱】

【食いしん坊】【俊足補正:弱】




誤字脱字発見しましたら報告していただけると幸いです。


文の表現が間違えていた等も受け付けます。

私は語彙が少ないのでそこら辺の指摘は嬉しいです。


ちなみに私はメンタル弱めです……チラッ

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