44話【剣聖王子】
短いですが
よろしくお願いします
【率いる者Side】
我が従える3万の勇敢な戦士たち
月が天上に舞う中
砂塵鳥爪獣との決戦を後日に控えた戦士達を束ねる7人の指揮官が我が目の前に集っていた
日の出と同時に攻める為、今いるのは【深淵の密林】付近の崖にある洞窟からあと半日程森に沿って進んだ場所にある森に面した村、
ロヴェスキィ村の外側である
そして今我が居るのは、夜営地に点在する小さなテントの中心に位置する一際大きなテント
そのテントだけは入り口から今だ明かりを漏らしあたりの暗闇を僅かに照らしている、
それが、まだ人が行動している事を示していた
我の前では大きな声を響かせた指揮官達が白熱した様子で意見をぶつけあっていた
「今日の朝から隠密部隊からの報告が途絶えた!今の今まで一度も連絡が来ないんだぞ!何者かにやられたとしか考えられん!」
「まて、早まるな、ダストファングバードに居場所がばれて殺された可能性もあるではないか」
「…しかし、帝国の刺客にやられたと考えるのが1番…」
この規模の集団となると平原のど真ん中に居座っても魔物や盗賊が襲ってくる事は無い
その為、夜営地の中心にあるこのテントの中の人間達は議論に集中していた
ここにいるのは各部隊の指揮官の合計6名と冒険者の代表者1人
それと1人の青年である
最初に叫んだのは重戦士部隊の指揮官の男
土神の派生神であるとされる岩神ガルシア様の加護を得ている灰色の髪と瞳ををもつ
帝国嫌いで有名な頑固な人物だ
その軽率な発言に注意を促したのが我、
他人からは好奇心の溢れる様なキラキラとした顔と言われ
火神の派生神であるとされる炎神ヘスティナ様の加護を得ている自らの髪は燃え上がる様に赤い
瞳は真紅だろうか
今は好みでは無いが従者に無理矢理着させられた襟のヒラヒラしたシャツ、それにきらびやかな服を羽織っている
我が名はアイゼント・ノイン・トリステイン
今回の討伐隊を指揮する事を王に任されたトリステイン王国の第二王子であり
不本意だが王国最高峰の剣の腕を持つとされる
【護国八剣】
の一角
序列八位【剣聖王子】
の名を冠している
帝国の刺客の説を推すのは魔法部隊の指揮官の男性
風神の派生神であるとされる雷神アーシェラ様の加護を得ている黄色い髪長髪にに三白眼で小さな黄色の瞳を持つ
ローブを着ていて痩せこけた頬がとても不健康そうな人物
「敵は倒せば良い。ただそれだけじゃないのか?」
「がはは、そうだそうだ。そんな細かい事気にせず狙った獲物を倒せば良いんだよ」
「コイツの適当な発言に同意するわけじゃないが、確かに今は目先の驚異に団結しなきゃダメじゃないか?なぁ王子様。それに帝国は攻める時は真っ直ぐ正面から責めてくるから暗殺はなさそうだな」
「うむ。そうだな、今は目先の驚異に対抗する為の作戦を練るぞ」
「「「「ハッ!!」」」」
簡潔に自分の疑問をぶつけて来たのは冒険者の代表者の男
冥闇神ベクターナ様の加護を得ている紫の髪と瞳をもつ若者だ
冒険者ランクはA
冒険者のランクは魔物のランクとほぼ同じなのでこの男はAランクー下位だがーの魔物とも殺りあう事が出来るとされる
今回集まった冒険者の中では1番の実力者だが頭が少し弱そうだ
がははとうるさい男は歩兵部隊の指揮官
上半身にコートを羽織り胸に大きな傷がある
火神フライオヌ様の加護を得ているオレンジのオールバックの髪型に同じ色の瞳をもつ
豪快な人物だ
それに半分同意したのは軽戦士部隊の指揮官、
軽薄でチャラそうな顔に
風神ウィコフス様の加護を得ている緑色の髪と目
だが実力は折り紙付きの立派な戦士だ
これは余談だが
別に軽薄でチャラいから軽剣士になったわけではないし、
別に軽薄じゃないしチャラくもないとは本人の談であるそうだ
王子はその軽戦士部隊の指揮官の意見に同意し場をまとめ
指揮官達は同意し作戦を練る為に設けた会議は明け方まで続いた
その間回復部隊指揮官と魔法剣士部隊指揮官は必要最低限の意見を挟み
男臭い談義の傍観に回っていたと言う
【SideOut】
4/17[修正]




