表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
猫神様のペット可物件【完結・猫画像あり】  作者: BIRD


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/137

第91話:報告と見張りと匂いチェック

 商業ギルド・セベル支部。

 俺は受付嬢に依頼の完了を報告した。


「ロティエル様の救出完了しました。今は怪我も無く自宅で休んでおられます」

「良かった……御無事で……。クルスさんありがとうございました」


 受付の女性が、ホッとしたように目を潤ませて微笑む。

 強い魔獣が多い辺境の地では、狩りの際に命を落とす者が多いらしい。

 ロティエル様は運よく途中の木に引っかかって助かったけれど、深い谷底まで落ちていたら岩に叩きつけられて即死だったかもしれない。


「こちらは今回の報酬です」

「え?! こんなに? 1人運んだだけなのに?」


 受付嬢がカウンターテーブルに置いた布袋には、金貨がギッシリ詰まっている。

 近距離移動で1人運んだ報酬なら、金貨1枚でも多い気がするのに。


「今回は人命救助ですし、この街にとって失ってはいけない大切な方を救って下さったのですから、これは当然の額です」

「そ、そうですか……」


 受付嬢が笑顔で布袋をズイッとこちらへ押し出す。

 俺はちょっと苦笑しつつ、それを受け取って異空間倉庫に入れた。



 ◇◆◇◆◇



 神々の諸島(アケト・マヌ)・西島。

 ライオンサイズのフサフサ銀猫に変身した俺は、星空を見上げて呼びかける。


「星の精霊たちよ、セベルの街の近郊を見回ってくれるかい?」

「はい、イリの神様の仰せのままに」

「もしも魔獣の大群が街に向かうようなら、阻止してくれ」

「畏まりました」


 セベル近郊の見張りに向かうのは、俺の神力から生まれた精霊たち。

 彼等は他の精霊とは異なり、邪気を祓う聖なる力を持っている。


「セベル近郊以外に、魔獣や魔物が多い地域はあるかい?」

「イリの神様が加護をお与えになった冒険者たちが定期的に狩っているので、セベルほどは増えていません」


 見張りの一団を送り出した後、俺は他の精霊に聞いてみた。

 どうやら異様に魔獣が多いのは辺境地区だけのようだ。



 ◇◆◇◆◇



 神の島・自宅の居間。

 夜が明けて帰宅した俺は、ルカの念入りな匂いチェックを受けた。

 ルカはソファに座る俺の膝の上に、ズイッと迫るように乗ってくる。


「……」

「あ~、ルカ? これは今日助けた人の匂いだよ」


 スンスン、フンフン、ルカは俺の腕や胸の辺りを嗅いでいる。

 多分ロティエル様の匂いがするんだろう。

 俺は苦笑しながら自己申告した。


「みっ、みみっ?」

「また女の人なのって言われてもなぁ……」


 もはやハッキリ分かるルカの猫語。

 まるで飲み屋帰りの亭主にツッコミを入れる嫁のようだ。

 苦笑する俺を、ソファでお腹出して寝転がるユガフ様が、面白そうに目を細めて眺めていた。


挿絵(By みてみん)

挿絵代わりの画像は作者の保護猫たちです。

閲覧やイイネで入る収益は、保護猫たちのために使います。

是非イイネをぽちっとお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ