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真実
「ばぁーーか」
確かに遠くでそう聞こえた。
俺は目が霞んでくる。
そこには俺が好きだった、いやこれからも好きな女の子がいた。
「ソラ、なんでここにいるんだ?」
そして、ソラから事の経緯を聞いた。
実は母親が俺にソラが騙されているんじゃないかと心配になり、ソラの原稿を渡して試したこと。
本当はそこで母親が判断してソラが生きていることを伝えようとしたが、俺がすぐ帰ってしまったこと。
それを聞いたソラが面白いから様子を見ることにしたこと。
ソラが受賞した作品は別のタイトルでペンネームで発売したこと。
「私のこと幻滅した?」
俺は一言。
「そんなことでお前を嫌いになるなら新人賞で賞取れないよ、ばぁーーか」
そう言いながら俺は泣いた。
「な、泣くなよ、ばぁーーか」
彼女のことを知るのはとても難しいことだと僕は知った。




