表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/6

気づいたら夕方

4話目です!


よろしくです!!


白く透きとおった肌、少しだけ膨らんだ胸に力を加えれば折れてしまうんじゃないかという華奢な身体。

前回までのこれではお互い服を着た状態だったのだが、今の僕の身体は全裸にシャワーの水がしたたっていてとてもつややかだ。このセリフだけだとただの自画自賛になってしまうが、


もうわかってると思うけれど再び入れ替わりが発動した。目の前に立っているのは困惑した表情の紅羽で、奥ではあたふたしている僕自身の姿が確認できる。


これはどうごまかしたものかと考えるが、こんな状況でとっさに何か思いつくはずもなく、一番最初に口を開いたのは紅羽だった。


プルプルと震えながら振り返って、僕の身体に向かって話しかけている。心なしかこめかみに怒りマークがうかんでいるように見えなくもない。

ここはどうにかルセラにごまかしてもらうしかないかと思っていたが、ルセラは紅羽のことは目もくれず入れ替わってしまったことにパニックになっている。こういう状態だと神の子でもあてにならないもんだ。ダメだ、僕自身で何とかしないと。


「す、すいません、わたくし、たびとくんの親戚のるせらともうします。」

違和感ありありのしゃべり方になってしまった。口調は急には変えられない。

裸のまま何やってるんだということもよぎるが、そんなことよりもこの場を乗り切らなければいけないという思いが強い。

だってこのままじゃ僕は両親がいない間に女子を家に招き入れてシャワーを浴びさせていた変態になってしまう。ここでごまかせないと、この幼馴染は口がとても軽いからおそらくこれから生きにくくなってしまう。


「え、いやでも、旅人の親戚に外国の人がいるなんて聞いたことないし、」

まあそうだよね、よく考えたら親戚だとしても聞いたこともないような親戚に僕一人の家でシャワー浴びさせるってアウトだよね。


「はっ!!そう————」

そうこの状態で誰もが混乱していて、あってはならないことを見逃していたのだ。なんで気づかなかったって、実際同じ状態になればわかると思うよ、だって僕自身は、—————

「なんで悪びれもなく、女子の裸覗いてるのよーーーーー!!!」


僕の身体に入ったルセラが紅羽に背負い投げされている。うわー、僕の身体が宙を舞う姿なんて見ることあるんだね、いたそー、あとであの体戻るんだよな、やだ———




ふわっ———————————————え?


背中に激痛が走る。向こうから、「よかった、もどれた」との声が聞こえた気がした。やっぱり罰自体は結局僕が受けることになるんだね、まあ見ちゃったことに間違いはないから仕方ない。


ただ目の前にいる笑顔で怒りマークをうかべる幼馴染はまだこの罰を許してくれていないらしい。腕をぽきぽき鳴らしたあと、胸ぐらをつかまれる。

「で、その親戚さんがなんで家で裸になるような状況になってるのかなぁー」怒っっ!!


「はい?私親戚なんかじゃないですよ。」

ここで急にさっきの会話を全く聞いていなかったルセラの参戦、それを言っちゃおしまいだ!


いつの間にか紅羽は僕の背後に回って首を絞め始めている。当たってるから!!紅羽の女の子の部分当たっちゃってるから!!いろいろな意味でくるしいよ。


「私はこれからのこの人間界を統べる神になる予定のルセラと申します。以後お見知りおきを!」

事情を知らない人が聞いたら100%厨二病にしか聞こえないセリフを吐いているのはルセラ。ただし紅羽はすでにルセラの方には聞く耳を持っていない。


「事情を話すのでどうにか怒りを鎮めてください、紅羽様!!」

「いきなり私を称えだすのはごまかそうとするときの癖だってわかってるからね!よくそれで放してもらえると思ったよね!?」

と言って紅羽はさらに力強く締めてくる。そうすると必然的に密着度は上がるもので、


「ふふっ、抱きついちゃって二人ともとても仲がよろしいんですね。」

優しい笑みをうかべてルセラが言い放った一言についに紅羽が僕のことを放してくれた。げほっ、ごほっ、


「いや、そんなんじゃないから!!ただ、そう!幼馴染としてこいつのこと見張っとかなくちゃいけないってだけで、今のはその旅人のためっていうか、いやそんなんじゃないんだけど、」


急に一人でつぶやきだした紅羽。もちろん僕はむせているので何を言っているのかは全く聞こえなかったけれど。


「ってそんなことじゃなくて、あんた誰よ!なんでそんな姿でへい、ぜ・・・!?」

ルセラは紅羽のいうことは聞き流すスタンスのようで、どうやら僕の置いた着替えに気づいたらしく着替え始めているんだけど、ちょ、ちょっと、裸に直接ジャージ着るのはどうなんでしょうか!?今後そのジャージをどうしろと?もう使える気がしない。


「聞こえませんでしたか?私の名前はルセラと今言ったつもりだったのですが?」

ものすごく平然とした顔でなんでわかってくれていないのか、といった表情をするルセラ。

「だからそうじゃなくてっ!なんでここにいて、そう関係性!旅人とどういう関係なの?」

「関係ですか?うーん?まあそこの彼に拾っていただいて、汚れてしまったのでシャワーを貸していただいただけですが?」

「拾ってきて、汚された!?」

おい!ちょっと!!言い方考えて!!!それじゃ僕がお金で拾ってきて汚しちゃったみたいになるから!!!!

かぁぁぁっと赤くなる紅羽のほほ、あぁぁぁああ!!絶対よからぬ勘違いをされたあぁぁあ!やばい!殺される、うわっもうすでに紅羽がこっちをかつて見たことのないような顔で睨んでいる。さて、撤退する準備を、あ、でも僕の家はここだった。もう逃げ場ないね。


「ちょっと待って!お願いだから説明させて!お願いだから腕をならさないで!」



結局すべてを説明できたのは、僕が目を覚ましてからのことになった。


あれ?いつの間に日は落ちたのだろう?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ