第二百八十八巻目 輝かしい栄光の姿
「さて、まずは友よ。私は君のことを何と呼べばいいかな?」
ウイスキーの中に入っている大きな一つの氷を見つめ人差し指でそれを回しながら聞いてくる。
「俺の名前は織田信長。好きなように呼べばいい」
「ほぉ……そんな名前どこかで聞いたことがあるがまぁ、今はそんなことはどうでもいいか」
「お前の名前はなんていうんだ?」
「私の名前かい? みんなは私のことを教祖と呼んでいるけれどもそれじゃ嫌かい?」
「あいにく俺は特定の宗教だけを信じる気はないんでね」
「なるほどぉ……君はずいぶんの変わり者と見た」
「それはお互い様じゃないか」
俺がそう言うとこいつは「ガハハハ」と見た目からは想像できない大きな笑いをして、立ち上がった。そして、部屋の隅にある引き出しから一枚の紙を取り出してそれを俺に見せた。
「これは?」
「ポスターだよ。私の輝かしい栄光の姿を映したものでもある」
「?」
「……おや? 今の姿を見て何も分からない顔をするならばわかるが、ポスターのこの姿を見て驚かないとは、驚いたねぇ」
「なにか、おかしいのか?」
そう言うと、こいつは目をぱちくりさせて「まぁ……おかしいっていうわけではないけれどもねぇ」といって、ウイスキーを一口口に含んだ。
「自分でいうのもなんだが、私は元政治家で、名を鈴木宗一郎というんだ」




