第二百八十二巻目 教祖の部屋への道
「教祖の部屋?」
「はい! あなたを示したのは教祖様ですから。それに教祖様とあなた様には非常に深い縁があると聞いております」
「俺は、そいつとの縁を感じたことはないけどなぁ」
というか、縁があったらそいつも俺みたいな人生を歩んでるってことになるけどな。
「まぁ、私も正直詳しいことはわかりませんが、たぶん教祖様に会ったら分かりますよ!」
「適当だなぁ……」
なんだかジョンと話してるみたいだ。
※※※※
部屋の奥へと歩いていくと、歩く先で談笑している野蛮な奴らは、案内をされる俺に道を開けてくれる。偏見ではあるが、本来であればこいつらのような奴らは道を開けることはしないと思うから、それ相応の対応をとっているのだと推測される。
部屋の奥には古くさびた扉があり、そこには縦に三つ南京錠が設置され施錠をされていた。
「この扉を開けると地下へと続く階段があります。ここは三階なのでたぶん地下までは遠いと思いますが、頑張って部屋まで向かってください。部屋にはすでに教祖様がお待ちしておりますので」
「ん? えっ? 一緒に行かないの? 案内をしてくれるんじゃないの?」
「ここからは神聖な場所故、教祖様と教祖様が認めた方以外の侵入は許されていないんですよ。ただ、いままで教祖様が許した方はいないので実質教祖様以外でここに入るのは、あなた様が初めてなんですよ」
「だからって……なんだかなあ……」
「まぁ、もうここまで来たんですから、どっちにしても行ってみてくださいよ! 別に悪いことなんてないと思いますよ?」
悪いことなんてないとは思うが……なんだかやだなぁ………。




