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信長さん  作者: はいむまいむ
第七章A 美希、時を追う
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年末&新年特別編 守れ、弾丸娘 第五話 沈黙

続きます。

俺は女の子の真向かいに座り、彼女の顔を眺めながらお茶をすする。程よく温かいお茶は、この寒い空間にひと時の安らぎをもたらしてくれる。

しかし、安らいでいるのは俺だけでどうにも彼女は安らいではくれないようだ。


「……」

「……」


沈黙というものは恐ろしい。部屋の中で唯一音を発しているのはテレビから発せられるアニメの音だけである。

正直な話、このアニメが面白いか面白くないかと言えば俺には判断が出来ない。それは単に俺が文学的な才能が無いからであり、特段このアニメが悪いわけでは無い。ただ、もしこのアニメを文学的な才能の持ち主が見ていたのであれば評価は変わるのかもしれない。俺はただこのアニメはプラモデルを作っている時の単なるBGMに過ぎず、それ以上でもそれ以下でもないのだ。

女の子は依然無言であり、これ以上俺が介入するのも難しいと考えたので俺はとりあえずあきらめて煎餅をかじり、内容も良く分からないアニメを見ることになったのだ。


はっきり言って、最初から内容が分からないものを途中から見ても何も面白くものないけれどもね。


―― 


「……」

アニメも終わり、夕方の報道番組が始まる。 

座り図も、彼女の口が開かないのも変わらない。

俺はお茶が切れたので、またお茶を入れるために席を立つ。その時に女の子に「お茶飲む?」と聞いたが、彼女は無視をした。なんか悲しくなった。こんなに悲しい気持ちになったのは初めてだ。


台所に戻り、お茶を入れようとして茶葉の入った缶を取りだそうとした。しかし、手が滑ってしまい、蓋が閉まったままその間は地面へと落ちた。


「あっ……」


台所に金属の音が鳴り響いた。これも茶葉が残り少ない証拠だ。

俺が缶を拾い上げ、お茶淹れの続きをしようとすると居間から声がしてきた。それは、俺が恐れていた人物の起床であった。


「だ、誰!?」


それは、とてつもなく大きな声だった。


次回で前編が終わります。

四月に入ったら、本編も再開します。

これは守ります。(政治家風)

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