第二百七十四巻目 手招き
く~りすますがことしもやってくるぅ
たのしっかった、できごとうぉ
けしさればいいぃ!
俺は肩車をしながら、階段を上りようやく二回へとたどり着いた。俺の年齢にもなると、これだけのことをしているのはかなり常軌を逸した行動だと思う。二階……というか、この建物自体はそこまで昔とは変わっていないようで、少し掃除されてこぎれいになっているぐらいに見える。もちろん、もともとの悪環境っぽさは変わらないので少し薄暗く、少し咳が出てしまいそうな場所だ。
すると、肩車をしていた怪しい奴が急に「もう、降ろしてもらって結構ですよ」と言ってきた。だから俺は、肩車をしている手を放して降ろさせた。
「どうもありがとうございます」
「まぁ、礼は受け取っておこう。それで、俺はこのまま帰っては」
「いけません」
「……だろうな」
やはり、こいつは俺をこの二階にあるドアの先に連れて行きたいようだ。私もさっきまでは抵抗をしたり、何だったら逃げ出そうとかも思っていたいたが、さすがに重労働をした後ではそう言ったことも出来なくなり、抵抗をするであれば従順にしたがり殺された方がいいと考えるようになったのだ。まぁ、一つなぜこんな馬鹿げた行動をとろうと思ったのかというと、この怪しい奴がどうにも危険そうに思えないという点だ。もちろん、弱そうということもあるが、私が感じた雰囲気の通りであればこいつは危険ではないと思うのだ。もちろん確証はないが、さっきまで肩車をしていた時にはこいつは私に対して愚痴を言ったり、「眠い」と言ったぐらいで危ない行動はしなかった。正直、もし何か危ない行動をしようと思うのであれば、絶好のチャンスであるし、正直な話もしこれから何か御構想という考えがあるのなら、俺もそう言う事には慣れているから直感で分かると思う。もし、俺がこれから危ない目にあわされるのだとしたら、この怪しい奴の演技がうますぎるということになる。それならば殺されても本望だ。
俺が、今きょろきょろと周りを確認しているこいつのことを、色々と推測していると突然
こいつは「それでは教祖様、行きましょうか」と、言って歩きだしたのだ。
「……俺は何も返答は返していないんだけれどもなぁ」
そして、奥の二番目のドアの前に彼女は立ち、俺を手招きしている。とりあえず、俺はそこに向かうことにした。
今週は後二話投稿します
明日も投稿しますぅぅぅぅぅぅ




