第二百五十八七巻目 スマートフォンとアプリ
「ところで少し話は脱線しますが、リーダーはスマートフォンというものを持っていますか?」
「いや……まだ持っていない」
「ならば、“アプリ”というものが何か分かりますか?」
「あぷ……り? アップルと言う奴の仲間か?」
「いえ、全然違いますよ!」
家入はそう言って笑ってくれた。なんとも腹立たしい。
家入は胸ポケットからさっきとは違う板のようなものを取りだして、それの画面を私に見せてきた。表面上にはボタンが無く、側面に用途が謎なスイッチがたくさんついている。
「これがスマートフォンという奴です。最近ではこれを使わないと、色々と厄介なことが増えてきましたからねぇ」
「そう・・・・・・なのか?」
「リーダーだって今を生きる現代人じゃないですか! もちろん絶対持ってなければいけないなんてことはありませんけれども、やはり情報化が進む中で情報端末を持っているか否かはかなり重要なことになっているのですよ」
「そうなのか……」
「まぁ、そのスマートフォンに入っているものにアプリケーションというものがあるんですよ。アプリケーション略してアプリと言います。覚えておいて損はないと思いますよ
「まぁ、そのうち覚えることにするよ」
確かに覚えて損はないと思う。これについてはな。
「そのアプリケーションで私・・・・・・もとい研究者連中で作ったアプリで、こう言うものがあるんですよ」
「ん?」
家入はスマートフォンの画面を光らせて、ボタンを操作せずに画面を指で動かしてなんか小さい資格を触って画面を開いた。そこに書かれていたのは『楽しい科学実験』と書かれたものだった。
「このアプリはですね、表向きには夏休みの自由研究に使える総合実験ツールになっているんですが……」
と、言うと家入は一度スマートフォンの画面を私から離して、何か操作を始めた。
「このようにしてですね……コマンドを入力してやると・・・・・・ほら!」
「ん?」
家入は黒色の画面に白い文字が書いていある画面を私に見せてきた。そこに書いてあったのは、開発者モードと書いてある画面で、白い枠がそこにはあった。
「ここの白い枠をタッチすると・・・・・・入力を出来るようになるです。そこに『Delgado』と入力すると・・・・・・出来ましたねぇ」
家入が文字の入力に成功すると、そこに表示されたのは地図とこれまた白い枠だった。
「ここから、重要な話に入っていきますよ。リーダー」
また、家入は私に対して飽きないようにと遠回しに言ってくる。ならば、飽きないように面白く言えないものなのだろうか?




