第二百五十八二巻目B ふざけやがって……
次はいつになるんでしょうね
かなり長い距離を歩いた。果てしなく長い廊下と思っていたが、ちゃんと終わりがあったことに私は感動を禁じ得なかった。しかし、その感動というものはどうにも本当に感動しているわけでは無くただこの空間、この家入といる事に辛さを感じてそれが転じて感動となってしまっているのだ。なんとも悲しいことだ。
どちらにしても、この終わりが私にとっての始まりということになるのだからこれからの時間が苦痛にしかならないのだからあきらめることにしよう。
「リーダー、こちらです。この部屋があなたを連れてきたかった場所です」
家入は扉を開きながら、手で私に入るように示してくる。
「入らないとダメ?」
「むしろここまで来て入らないんですか?」
「私は別段それでもいいんだけれども」
「ならば、帰りの案内をしないと言ったらどうしますか?」
「暗闇の中を一人で帰らなければいけなくなるなぁ……」
「人間は誰しもが暗闇は苦手なはずですよ?」
「うむ……」
確かに人間というものは暗闇が苦手だ。むしろ暗闇が大好きな奴がいるんだったら、少し引いてしまう。ただ、暗闇を歩くだけなのであれば……なんとも微妙な感じだ。
「分かったよ、入ることにしよう」
「ありがとうございます。それでこそリーダーですよ」
なにが、「それでこそリーダーですよ」だ。ふざけやがって……。




