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ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
3章 新たな力と幼い?天才達
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ホテルでの一幕

宜しくお願いします。

更新が告知より遅れて申し訳ありません。


(どうしてこうなったー!?)


 さほど広くない室内に不釣り合いな大きさのダブルベッドに腰掛けた状態で頭を抱えているユキナリ。隣の部屋からは水が上から下に流れるような『シャー』という音と、ピチャピチャと水を踏むような音が聞こえてくる。


(あれー?)


 ユキナリが首を捻っていると、いつの間にか水の音が止まっていた。


 ガチャリという音が、妙に部屋に響いたように感じられた。


「し、失礼します。」


 開いた扉から現れたのは、僅か数十分前に初めて会ったエルフの少女であった。


 先ほどまで来ていた黒いワンピース姿ではなく、裸体にバスタオルを巻いただけという非常に扇情的な姿をしている。白く煌めく様な肌が温水で温められた事でほのかに赤くなっている。


 湿った髪から滴り落ちる水滴が、細い首筋から豊満な双丘の谷間へと流れ落ちていく。……エロイ。


 顔や身長はとても可愛らしい少女なのに、その胸だけがアダルトというアンバランスな魅力を持ったエルフ少女に、目が釘付けになってしまうユキナリ。


「あ、あまり、見ないで下さい……。」


 ユキナリの視線に恥ずかしさを感じたのだろう、エルフ少女が両腕で身体を抱きしめて隠そうとする。だが、そんな事をすれば腕に圧迫された胸がさらに強調される結果となり、より彼の視線を集めてしまう事に彼女は気が付いていなかった。


 恥かしそうにしながらもユキナリの隣へと、ちょこんと座った少女。両者の距離はユキナリの肘と少女の肩が触れ合いそうなほど近くであった。


 少しの間流れる沈黙の時間。顔を俯かせた少女と、状況を把握できていなく混乱しているユキナリ。


 先に動いたのは少女であった。覚悟を決めたかのように1つ頷くと、そのエルフ特有の幻想的な美少女顔をユキナリへと向けた。


 半ば反射的にユキナリも彼女へと顔を向ける。


 交わる視線。蒸気した肌に潤んだ瞳。さらには……。


「あの……、初めてなので、優しくしてください……。」


 なんていうキラーワードを吐いてくるという始末。


 どんな朴念仁であろうが、餓狼に変身してしまうであろう凶悪さであった。


 その吸引力に抗えなかったかの様に少女に飛びかかるユキナリの姿があった。






 ユキナリがエルフ少女とホテルに居る頃、恋人であるシャナは自宅の裏に設けた空き地で剣を振っていた。フリーランドに居を構えてから、寝る前の日課としている修業の一環である。


「ふっ!はっ!たぁー!」


 上段からの振り下ろし、薙ぎ払い、切り上げと一連の動作を延々と繰り返していく。肘の動きや腰の捻りに意識を向け、より洗練された動きを求めていく。


 1時間程集中して剣を振っていると、武芸に長けたシャナとはいえ大量の汗をかいてしまい、着ていた薄手のシャツが肌にピッタリと張り付いてしまっている。


「ん?」


 何かを感じたかの様に夜空に顔を向けるシャナ。くしくもこの時、風俗街にある高級ホテルの一室でユキナリがエルフ少女に飛びかかった時間と同じ時間であった。


「流れ星……。」


 夜空を掛ける、星の軌跡。それは一瞬の事であったが、シャナの優れた動体視力は見事に捉えていた。願い事をするような時間はなかったが、星や月といった夜空に浮かぶ天体はアーツの種別として使われているように、このアリエントでは縁起の良い物として扱われている。


「何か良いことが起きそうですね。」


 微かに笑みを浮かべたシャナは、剣を握りなおすと修業を再開した。その動きは少しだけイキイキとしているようだった。






ご覧いただきまして有難うございます。

今回は書いていて気恥ずかしい表現ばかりになってしまいました。

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