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ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
2章 新たな仲間と安住?の都市
18/66

ドワーフ

宜しくお願いします。



「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。」


 胡坐をかいた俺の脚の上にちょこんと座った小さな物体が一心不乱にウサギ肉の丸焼きにかじりついている。


「ご主人様は甘すぎます。襲ってきた相手に施しを与えるなど。」


「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。」


 シャナはプリプリ怒りながら大きなクマ肉をムシャムシャと食べている。膝の物体はシャナから発せられる非難の視線を華麗に受け流している。いや食べるのに夢中で気付いていないのだろう。


「もぐもぐ、あ・・・。」


 物体が食べていた肉が綺麗さっぱりなくなると、悲しそうなつぶやきが漏れた。


 まだ食い足りないのか。小さい身体のくせに、よう食べるやっちゃなぁ。ほれ、まだたくさんあるから食べなさいな。


 別の肉を差し出すと、物体は俺の顔を見て「いいの?」と聞いてくる。にっこり笑ってやるとパアっと笑顔になってかぶりついた。


「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。」


「それで、どうなされるのですか?ご主人様。このドワーフを。」


 シャナの言うように、現在、俺の膝の上に座って猛烈な勢いで肉を食べているのはドワーフの少女だった。


 ドワーフとは、ファンタジー小説等でもお馴染みのずんぐり低身長に筋肉質で髭面のおっさんといったイメージの種族だ。手先きが器用で鍛冶が得意。酒好きで豪快。確かに男性のドワーフはイメージそのままの習性を持っている。


 では、ドワーフの女性はどうなっているのか?その見本が目の前にいる。身体の大きさは三歳児くらい。大人になっても永遠にこの大きさのままなのだ。まさに合法ロリ。一部の好事家にはとても人気のある種族なのだ。


 他の特徴としては髭の代わりにリストバンドのように手首にフワフワの毛が生えている。モコモコしていて手触りも極上だ。シャナもポニーテールを撫でるのと甲乙つけがたい。


 さらに酒は飲まない代わりに大食漢でとにかくよく食べるらしい。


「そうなのです。私はこう見えても25歳のお姉さんなのです。」


 ドワーフの説明を自ら話してくれた彼女は、【ミール】という名前のドワーフの女性だった。なんと現在の俺より年上なんだと。ビックリだよな。年上だと分かってもやっぱり見た目的には三歳児。頭に手を乗せて撫でると気持ちよさそうに笑顔になる所を見ると甘やかすのは大丈夫そうだ。


 さて、突然現れたミールだが、お気づきの方もいるでしょう。彼女はユキナリ達に襲い掛かったリビングアーマーに入っていたのだった。ドワーフ族は意外と力がなく、重い槌やハンマー等を振り回して戦うような事は出来ないという事で、代わりに発達した魔力を使い鎧や剣を操って戦うスタイルがドワーフの普通である。ミールは自身と鎧の間の空間を魔力で埋める事でリアルな動きをすることができたのだが、これはドワーフでも優秀な魔力の持ち主でないと出来ない技なのである。


 取りあえず襲ってきた事に関して、ユキナリが気にしていない事からシャナもその事については文句を言うつもりはないらしい。若干その目には主人の膝を独り占めしているミールに対しての羨望が見られるようだが…………。


 ユキナリからどうして襲ってきたのかと聞かれたミールは自身の過去について語りだすのであった。


「もぐもぐもぐもぐもぐもぐもぐ。」


 まだ食ってたんかい!





 

ご覧いただきまして有難うございます。


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