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ノーマネー・ノーライフ  作者: ごまだんご
2章 新たな仲間と安住?の都市
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リビングアーマー

宜しくお願いします。




 ガキンガキンと金属同士がぶつかり合う音が森に響く。力強く打ち下ろされる鎧の人の両手剣をシャナは細身の鉄の剣でうまく受け流している。


「飯ー!食い物よこせー!!!」


 さっきから鎧の人はそれしか発しない。余程腹が減っているのか我武者羅に剣を叩きつけている感じだ。それでも結構強いのだろう、シャナは中々攻めに転じることができないでいるようだった。


 シャナが苦戦しているのは装備の差も関係してくるだろう。テビニーチャで荒くれ者を吹っ飛ばした魔剣【風薙ぎの剣】はユキナリの腰に吊るされており、シャナが握っているのは既製品の鉄の剣である。対する鎧の人は大剣と呼んで差支えない大振りの両手剣を振り回している。あれをまともに受けたら鉄の剣は折れてしまうだろう。シャナの技術力で受け流しているからこそ打ち合えているのだった。


 ユキナリだってテビニーチャで発覚した、自分じゃ使えない魔剣をシャナに与えようとしたのだが、シャナが拒否をした。


「私はまだご主人様と正式な契約をしておりません。無論私はご主人様を裏切る気など一切!ございませんが、それまではご主人様より良い装備をするわけにはまいりません!大丈夫です。剣の性能などに頼らずとも必ずやお守りしてみせましょう!」


 と熱く断られてしまったのだ。契約とか意味不明な事もあったが、取りあえずシャナが納得していないのだったら無理強いすることもないと渡していなかったのだ。


 相手の鎧の人は防御力にも自信があるのかな?かなり強引な攻めになってるけど、それでもシャナが攻めれないとこをみると余程固いのだろうか。


 ユキナリもただボーっと見ていたわけじゃない。ちゃんと相手を観察して現状を正しく理解しようとしていた。鍋をかき回せながら…………。


 今作っているのは肉と野菜がゴロゴロ入ったシチューだ。量はそんなに多くないが濃厚な香りが周囲に散布されている。足りない分はたき火で焼いている大振りな肉で腹を満たそうという献立だった。


 もうすぐ昼時という時に受けた襲撃だったので、戦闘力のないユキナリは戦いが終わった後の準備を観察と並行して行っていたのだ。料理のできないシャナに勝てる数少ないユキナリの仕事である。


 しかし、この行動が思いもよらぬ副産物を生み出した。シチューのおいしそうな匂いに気を取られたのか、鎧の人が戦闘中だというのに一瞬動きを止めて棒立ちになったのだ。


 戦いにおいては気に聡いシャナは相手の異変を感じて、急激に身体を反転させると後ろ足で鎧の人に強烈な蹴りを喰らわした。斬撃が効かなくとも強烈な物理攻撃で吹っ飛んだ鎧の人は、木の幹に勢いよくぶつかって動かなくなった。


 その際に鎧の頭部がはずれ音をたてて転がっていった。


「なんと、リビングアーマーだったのか。」


 シャナが驚いているが、リビングアーマーとは魔法によって生命を与えられた鎧型の魔物である。生命といっても主人の命令に忠実に動いたり、本能によって殺戮を犯すなどの知能しか有していないのだが。


 シャナが驚いたのは、そんなリビングアーマーが食糧を求めて襲ってきた事だった。中身が空洞で食事の必要がないリビングアーマーが取る行動としては不自然すぎる。さらに、通常のリビングアーマーでは考えられない戦闘力を有していたのも疑問だ。彼らの鎧や剣は鉄製のなまくらがいい所で、先ほどのような性能のいい装備品を着たリビングアーマーの話しなどシャナは聞いたことがなかった。


 いったいどうなっているのか?しかし、それらの疑問は鎧から現れた者によって解消されることになった。


「いたたたー、す、すみません。食事を恵んでは頂けないでしょうか?」


 鎧の空洞となった首部分から這い出してきた三歳児ほどの小さな女の子が、ユキナリ達に対して謝罪をしてきたのだった。それは見事な土下座だった・・・。





ご覧いただきまして有難うございます。

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