第87話「秘密の友達」
その頃、麻友は喫茶店で未だに仮先生と丸田さんとでだらだら会話を続けていた。
「あの、もう帰ってもいいですか?」
「まだまだ、だからね丸田さんアメリカではこうして…」
「俺だって初めてなんだから分からないっすよー」
仮先生と丸田さんで麻友を無視して会話してる最中喫茶店の時計が15時のチャイムを知らせた。
もうこんな時間なんだと思い麻友は二人に気づかれないようにそっと席を外し入り口へと向かった。
「もうダメだ、あのままいては夜になってしまう」
カランコロンと喫茶店のベルが鳴り麻友は外に出た。
空が暗く沈みカーカーとカラスが鳴いてる最中麻友はこれからどうしようかと考えた。
買い物も頼まれていないし会長の家に帰ろうか。
今では美女コンテストも無事に終わってるかなと考えると麻友は足を速めた。
コンコン。
ドアをノックする音が聞こえ誰だろうと思い会長はドアを開けた。
するとそこには見知らぬおばあさんがいた。
だが、日本人ではない。
海外の人なのだろうと感じられ会長は少し驚いていた。
「あのー」
「ここに女の子が住んでると聞いたのですが」
おばあさんは日本語も上手く会長は理解できると招き入れた。
「ええと、麻友のお知り合いで?」
「もしかしてあなたが高持学校の生徒会長さん?」
「え、ええ」
「麻友さんから話を聞いていたわ、1人で学校と家を支えている娘さんだと」
「あなたは?」
「私はアメリカから来たヒルズといいます、麻友さんの秘密の友達としてはるばるやってきました」
「麻友にこんな素敵な友達がいたなんて初めて知ったわ。さぁ、中へどうぞ、今美女コンテストをしていてちょっと騒がしいのだけど」
会長はヒルズを家の中に通すと美女コンテストをしてる広場ではなくお客様専用の部屋へ通した。
そして、紅茶を入れに席を外す。
ヒルズはお客様専用の部屋で周囲を見渡した。
「まぁまぁ、話を聞いていた通りなのね」
「ちょっと会長さん、もう夕方だし美女コンテストの終わりの会の挨拶をしてほしいって林檎さんが」
夕陽は姿の見えない会長を探しに家の中を歩き回っていた。
そこにヒルズは部屋を出て夕陽と鉢合わせとなった。
「お客様かしら?」
「初めまして、あなたが夕陽さんね」
「はい、そうですけど」
「麻友さんから聞いていたわ、Sっ気で友達思いの良い子だって」
「麻友ったら、Sっ気は余計なことだっていうの」
「何か言ったかしら?」
「いいえ、それより誰かお探しですか?」
「あなたに来てほしいのよ」
そうヒルズはいうと夕陽をお客様専用の部屋に招き入れた。
「あの、私は会長さんを探してて」
「これを見てごらんなさいな」
周囲を見渡すようにヒルズはそういうと夕陽は驚いた表情をした。
そう、そこにはたくさんの写真が貼られてあったのだ。
しかも、会長の子供の頃の写真だ。
「これは…」
「あら、夕陽さんもいらしてたのね」
「会長さん、この写真は一体」
夕陽は周囲の壁一面に貼られてある写真について聞いた。
「子供の頃の写真よ、私はあまり覚えてないのだけれどお父様は旅行に行った時の写真だって言ってたわ。でも、これがどうかしたの?」
「会長さん、あなた子供の頃にお母様との思い出はあるかしら?」
会長はヒルズは何を言ってるのかと改めて聞いた。
「あの、何を言って…?」
「あなたのお母様はガンで亡くられた」
「ヒルズさんどうしてそれを」
「あなたのお父様から聞かされたの、お母様は私の1番の親友でねどんな人にも優しく向日葵のように笑ってポカポカしてる人だった」
「お母様が」
会長は驚いてるとヒルズは周囲の写真を見ながら言った。
「あなたのお母様は写真にして残すことが嫌いでね、アメリカで記念写真を撮るのにも1枚たりとも写ろうとしなかった」
会長は黙ってヒルズの声を聞いていた。
「だから家にお母様の写真が残ってるかもしれないと思ったのだけれどやはりここにもないのね」
「ヒルズさん、もっとお母様のことを教えてください」
会長はヒルズに昔のお母さんのことが知りたくて話を伺った。
傍にいた夕陽は2人だけのお話だと思いその場を去った。
「会長さんのお母様も事情があったのね」
お客様専用のドアの外でぽつり呟くと玄関である扉が開かれた。
「ただいま戻りました」
「麻友、おかえりなさい」
「ただいま、こんなところで何してるの?」
「会長さんにお客様よ。それより喫茶店でのお話は済んだの?」
「それが会ってた2人が自分たちの世界に入っちゃって私は用済み」
「あなたも苦労したのね」
廊下で夕陽と麻友が会話してる間、美女コンテストの会場では林檎の不満の声が聞こえていたのであった。
お久しぶりです。
あれからデスクトップパソコンからノートパソコンに変えました。
デスクトップのキーボードをカチャカチャする音好きだったのですが昔からノートだったので使い慣れてるノートに戻ってしまいました。
やはり何でも慣れてる物が1番ですね。
それでは。




