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皆さん、これは例のアルチュール・ランボー関連の小説です。彼は青春の神様。かつて私はその信徒でした…。
月明りに魅せられてビルの陰から一人のピエロがさまよい出る。ピエロは見失った友コロンビーヌを捜しているのだろうか?聞こえ来る波の音、潮の香に誘われるままに街角から海へと、港へと向かって行った。やがて眼前に広がる港のパノラマ、人気の絶えた深夜の山下公園。あまりに素敵なその夜景にピエロは友を捜すことも忘れて、魅入られたようにその場に立ち尽くした…。
「みなと」
港だ、夜の。
風が頬に冷たい。
停泊中の船の灯りが美しい。波に照り映えてゆらゆら揺れるその様は
海に金色の帯をながしたようだ。
遠くからウインチの音が聞えてくる。人夫たちのかけ声も。
さても今 港は眠っている。
波の揺り籠にゆられ、夜の闇に包まれて。
俺も帰って寝ることとしよう。
波の音がいかに心地よくとも 潮の香がいかに芳しくとも
今は帰ることとしよう。
港よ、お前もそのまま眠り続けるがいい、
静かに…
だがもし、
太陽が天空の真ん真ん中に来、
人々が薄地の服を纏うようになったら
港よ、甦れ!
すべての活気を取り戻せ!
その時俺は行く。
聖なる都パリへ、フランスへ。ランボーとなって!




