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ランボー、汝、神よ(一)  作者: 多谷昇太
プロローグ

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1/4

皆さん、これは例のアルチュール・ランボー関連の小説です。彼は青春の神様。かつて私はその信徒でした…。

 月明りに魅せられてビルの陰から一人のピエロがさまよい出る。ピエロは見失った友コロンビーヌを捜しているのだろうか?聞こえ来る波の音、潮の香に誘われるままに街角から海へと、港へと向かって行った。やがて眼前に広がる港のパノラマ、人気の絶えた深夜の山下公園。あまりに素敵なその夜景にピエロは友を捜すことも忘れて、魅入られたようにその場に立ち尽くした…。


「みなと」                     

港だ、夜の。

風が頬に冷たい。

停泊中の船の灯りが美しい。波に照り映えてゆらゆら揺れるその様は

海に金色の帯をながしたようだ。

遠くからウインチの音が聞えてくる。人夫たちのかけ声も。


さても今 港は眠っている。

波の揺り籠にゆられ、夜の闇に包まれて。

俺も帰って寝ることとしよう。

波の音がいかに心地よくとも 潮の香がいかに芳しくとも

今は帰ることとしよう。

港よ、お前もそのまま眠り続けるがいい、

静かに…


だがもし、

太陽が天空の真ん真ん中に来、

人々が薄地の服を纏うようになったら

港よ、甦れ!

すべての活気を取り戻せ!

その時俺は行く。

聖なる都パリへ、フランスへ。ランボーとなって!

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