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第62話 地球の私、俊則のお母さん

認識できないような不思議な空間。

私と俊則は手をつないで、いつの間にか居た。


私はもう何度か来ているからあまり驚かなったけど。

俊則があまりにも落ち着いているから逆に驚いた。


「俊則?驚かないの?初めてでしょ、ここ」

「うん?あー、驚いているよ。けど隣に舞奈がいるからね。何も怖いものなんてないよ」


「っ!?……もう♡……好き♡」

「うん。俺も舞奈大好きだよ」


――ああ。


なんでこの男、こんなにかっこいいの?


私もう凄く色々経験したけど……

いつまでも新鮮な気持ちで俊則の事どんどん好きになっちゃう。


本当に運命だったんだね。

私たち。


私は自然に俊則に抱き着いていた。

優しく抱きしめてくれる彼の体温が、幸せな気持ちを湧きたててくれる。


「コホン。あー。良いかのう?」

「「うわっ!」」


突然声を掛けられ、二人同時に驚いちゃった。

もう、おじいちゃん!?


笑っているし……


「はははっ、ええのう、若いもんは。初めましてじゃな俊則くん。わし舞奈の祖父じゃ。よろしくの」

「は、はい。お孫さんとお付き合いさせていただいております本田俊則です。まだまだ未熟ですけど、精一杯愛すると誓います」


「ほっほっ、真面目な子じゃな。うん、わかっているよ。……かわいい孫を頼む」

「はい」


うわー。

俊則真面目かっ!


もう、恥ずかしいじゃん。

……スッゴク嬉しいけど。


「舞奈」

「う、うん。なに?おじいちゃん」


「デレデレじゃの」

「っ!?…もうっ……うん♡」


おじいちゃんはすごく優しい顔で楽しそうに笑う。

そして私の手を握った。


「舞奈と俊則くんのおかげで、わしの最後の力を使わずに済んだのじゃよ。じゃから少しだけ若い二人にプレゼントしたくてな」


「えっ?……“カエル”じゃないよね?」


「はっはっは、もう少しいいもんじゃよ。……お前たちの不安を少しじゃが解消できるものじゃ……それっ!」


「「!?」」



※※※※※



見覚えのあるオフィスビルの一角。

多くの人があわただしく動いている。

その中で一人の女性が笑顔を浮かべながら…


――電話で話をしていた。



※※※※※



「はい。ええ、その件はすでに了解を頂いております。はい。ありがとうございます……ふう。オッケーだね」


私は受話器を置いて加奈子に視線を向けた。


「すごいじゃん舞奈。今月何件目?――こりゃ記録更新しそうだね」


電話を切り大きく伸びをする私に、加奈子が笑いながら話しかけてきた。


(…だからエロいってば加奈子)


ほら、また部長がいやらしい目であんたのおっぱいばかり見てるし……


「んー?なんか最近調子いいんだよね。ほらわたし仕事に生きるしかないからね」

「どんな決意よ。全く。……ねえ、でもさ、最近田辺さんと良い感じじゃないの?」


「ん?田辺さん?……ああ、ないない。だってあの人女恐いらしいよ。なんか過去に酷く振られたらしいし」


「ふーん。あーそーなんだ。へー」


「っ!?な、なによ、その言い方……ほ、ほんとだよ?たまにご飯行くくらいだし」


「ソウデスネ」

「もー、加奈子」



※※※※※



「えっ、これって……私?――えっ?だって……」


私と加奈子が働いている風景が頭の中に流れてきた。

しかも。


――私の記憶にない光景だ。


「うむ。実はな舞奈。お前さん地球で生きておるんじゃよ。まあ一部がこっちに来たという事じゃな」


「えっ?」


「……心が不安定じゃったろ。俊則くんと会うまで」


「っ!?……確かにおかしかった気がする。すぐ泣いたりしたし……」

「すまんな。言うつもりはなかったんじゃがな。お前さんの懸念を消してあげたかったのじゃよ。――これで問題ないじゃろ」


確かに私は。

加奈子の事とか…

お父さんお母さんに後ろめたさがあった。


だからおじいちゃん……


「ありがとうおじいちゃん。嬉しい。……この世界で一生懸命生きていくよ」

「ああ、そうしなさい。……俊則くん。手を」


「は、はい」


「お主の場合は、こういうことはできんかった。悪神が絡んでしもうたからの。じゃからせめてもの罪滅ぼしじゃ。見るといい」



※※※※※



「ねえ、ママ先生。抱っこ」

「ふふっ、甘えん坊さんね」


「うん。ママ先生大好き♡」


小さな私設のような保育施設に俊則の母、洋子はいた。


彼女は夫を亡くし、最愛の息子を奪われ心が壊れてしまった。


だがかつての創造神であった神薙大輔の渾身の能力使用により、心は修復され。

辛い気持ちを心の支えになるように改変していた。


事実は同じだが感じ方を変えていた。


そして絵美里の父により、多額の賠償金と働き先を紹介され。

彼女は深い悲しみを抱えながらも…


毎日を大好きな小さい子供たちに囲まれ、幸せに暮らせていたのだった。



※※※※※



「…母さん……グスッ……よかった……ヒック……ああ、幸せそうだ……うあ…」

「…俊則……よかったね……わたしも嬉しい」


「……う、ん…ありがとうございます。……俺ももう懸念はありません。舞奈たちと幸せに生きていきます」


「すまないな。これが精いっぱいじゃ。許してほしい」


「頭を上げてください。こんなに嬉しいプレゼント……感謝しかありません」

「…君は優しい子だな。さすが“あいつ”が選んだだけはある」


遠い目をするおじいちゃん。


ん?

あいつ?


「そうじゃ。最後に一つ」


にやりと悪戯そうな顔をして、おじいちゃんが体を薄くしながら私たちを見る。


「もう会う事はないじゃろう。わしも違う世界で婆さん、コホン。美奈と暮らすでのう。……俊則くん。近いうち再会があるぞよ。――『ざまあみろ』とわしが言っていたと伝えてほしい」


「えっ、出会い?……誰とですか……まさか」

「ほっほ、それは言えんが……なあに、すぐわかる。舞奈」

「うん」


「じゃあの。幸せになりなさい」

「……グスッ……うん」




気が付いた時。

私と俊則は抱き合いながら私の自室にいたんだ。


きっともうあの空間に行く事はないのだろうと私は感じていた。


でも。

ありがとうおじいちゃん。



大好き。


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