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「橘さんって、同棲してるんですよねぇ?」


昼休み。

コンビニの弁当を開けたタイミングで声がする。


「……してるけど」


顔上げると、後輩がにこっと笑う。

距離、ちょっと近い。


「いいな〜」


机に肘ついて、覗き込むみたいな姿勢。


「お弁当とか作ってくれないんですか?」


「いや、あんまり」


「え〜、意外〜」


なにが意外なんだろうなと思いながら、箸を進める。


「年上彼女って、もっとちゃんとしてそうじゃないですか?」


悪意はない。

ただの会話。


「忙しいんで」


短く切る。

それでも、引かない。


「じゃあ寂しくないですか?」


くすっと笑って、少し首を傾げる。


「一緒に住んでるのに、あんまり構ってもらえないの」


その言い方。

ちょっとだけ、引っかかる。


「別に」


それ以上広げる気はない。


「えー」


わざとらしく不満そうな顔して、

それから、少し声のトーンを落とす。


「私なら」


「もっと大事にするけどなぁ」


にこっと笑う。


ああ、これか。

内側で、すっと線を引く。


「あ、そう」


声の温度は変えない。

態度も変えない。


でも、それ以上は踏み込ませない。


「橘さんって、優しいから」


続けてくる。


「ちょっと押したらいけそうですよね」


軽い冗談みたいに笑う。


……うるさい。




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