2-1 再会I 〜男ならば〜
今日は更新出来ないとか言って本当に申し訳ございませんでした!
かさねがさねごめんなさいっ今回短いです!
「……ここか」
壁、というより柵に囲まれた町がそこにあった。
名前はえーと、なんだっけ?
まあそんな事はどうでもいいか。とりあえずは誰かに事情を説明するべきだな。
「貴様っ何者だ!」
開いていた門を通ろうとした瞬間、どこからかそんな声が聞こえた。
完全に敵意が入っているのだが、やけに高い声だな。
「女の子?」
「誰が女だ!」
姿は未だ見えずに、声だけが聞こえる。見えないにしてはやけに近いな。
それにどうやら女じゃないらしい。声の主を探してキョロキョロしてみるけど……ふむ、いないな。
「こっちだ!」
「ん?」
視線を下に向けるとそこにはフードで頭を隠した小学生くらいの女の子が立っていた。
「幼女?」
「誰が幼女だ! それにボクは男!」
「あ、悪いな」
これが所謂男の娘って奴か。そんでもってボクっ子?
随分とキャラが濃いな。幼女だし……あ、男なんだっけ。
「お前何しに来たんだよ!」
「あ、丁度良いや。ここに仁美、いや仁美さんって住んでるよね」
「いない!」
うわー、めっちゃ声に敵意がこもってるんだよなー。
これは完全にチョイスミスか?
まあ、俺がチョイスしたわけじゃないんだけど、俺としてはアイちゃんの事早く助けてあげたいんだよなー。
いくら後半年は余裕で平気だとしても、やっぱり一人は寂しいだろうし。
そういえば俺とドームで再会した時はやけに嬉しそうだったよなー。
久々に人と会えてやっぱり嬉しかったのかね。ふふふ。
「……お前、何一人でニヤニヤしてるんだ?」
「おっと失敬」
めっつぁ呆れ顔で見られてた。やばいやばい。
何故か元々悪印象だったのか更に悪くなっちまうところだった。
って、手遅れか。
「あ、そうそう、それで仁美さんがいないってどういう事?」
「何でお前がそんな事気にするんだよ! あっわかった! さてはお前仁美さんのファンだな!」
「ファン?」
ああ。そういえば仁美って[剣姫]とかいう二つ名がつくほどの有名人だったな。
もしかすると仁美に会うためにわざわざここまで来る奴とかいるのかね。
まあ仁美って美人だしな。ファンがいても不思議じゃない。むしろいないのが不自然だ。
「えーと、君アイちゃんって知ってるよね? 倉本アイちゃん」
「っ! ななな、どどど、どうしてアイの名前が出るんだよ!」
突然顔を真っ赤にして動揺を露わにしている幼女。あ、男だっけ。
ニヤニヤ、さてはこいつアイちゃんに惚れてるな?
まあ、アイちゃんって可愛いからな。それは仕方がない。
……けど、明らかにアイちゃんの方が年上だよな。
まあ、年の差恋愛を否定するわけじゃないけど、もっと若い子に良い子はいないのか?
いや、ここから見たところそこまで大規模な町って感じじゃないし、子供が少ないのかもしれないな。
「近くのドームにアイちゃんがいるから、安全に助けるために人手が欲しいんだ。って説明すれば理解して貰えるか?」
「なっ! またあいつドームで帰れなくなってるのか!?」
あー、やっぱり今回が初犯じゃないのか。どうりで落ち着いてるわけだ。
だから俺もこんな冷静なんだけどな。ブレインはクール、だけどハートはインフェルノって感じだな。うむ。
……あれ? インフェルノって地獄って意味じゃなかったっけ? まあいっか。
「つまりそういう事だからさ。だから仁美、さんの力を貸して欲しいんだよね」
「仁美さんなら今いないぞ!」
「……えーと、それって俺を追い返すための嘘じゃなかったって事?」
「そうだ! 仁美さんなら今、とおさんと二人で旅に出ているんだ!」
……父さん……ね。まあ、いるってわかってたけどさ。
ここにはいない。だからアイちゃんがいないって気付く事も出来なかったって事か。
まったく。アイちゃんもドームに行くなら仁美がすぐに助けてくれるような状況の時に行けば良いのに。
ぶっちゃけ仁美と一緒に行けばいいのにって思ったらダメなのかね。
そうすれば安全だろうに。
あ、けど、もしかすると召喚に上手くいかないと帰れないって感じで自分を追い込んでいるのかもしれないな。
ふふふ、アイちゃんはやっぱり努力家で良い子なんだなー。
「な、なあ。なんでさっきから黙ったと思ったら変な顔になるんだ?」
「悪い。気にしないでくれ」
おっと。顔面の筋肉には力を入れておかないとな、常に。
「仁美、さんがここにいないのはわかったけど、他に戦える人っていないのか?」
「……いないんだ……ここはとおさんの張ってくれた結界のおかげで魔獣たちは近寄らないから……」
「……へえ。そうなんだ」
つまり、普通なら襲ってくる魔獣から町を守るために戦える人がいるけど、この町に限っては仁美の旦那さんが優秀な魔法使いとかそんな感じの何かで、これまた優秀な結界で町を守ってるから戦える人を置いていないと。
いやまあ、平和な日本の一般市民にいきなり戦えって言っても無理なのと同じか。
だけど、この世界には日本と違って魔物とか魔獣とか危ない連中が蠢いてるんだろ?
そんな世界で生きていたら自己防衛ぐらい出来る気がするんだよなー。
……いや、それだけ旦那さんの結界が信頼されてるって……いやいや、戦国時代の日本だって一般市民に戦う力はなかった、はずだ……。
けど、あの時代の日本とこっちじゃ状況が違うか……くそっ、頭がこんがらがって来たぞ。
けど、確定でわかった事はこの町にアイちゃんを助けるための戦力になりそうな人間はいないって事か。
「仁美さんはいつ戻ってくるか分かるか?」
「……いや、わからない」
「そうか」
タイミング良く仁美が帰ってきてくれるだなんて、そんな都合良くマンガみたいな展開は期待しない方が良さそうだな。くそっ。
つまりだ。これってそういう事だろ?
俺一人で助け出してみせろって事だろ?
男ならさ。
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