第22話 落ちた橋
それから間もなく、一行は――すっかり姿を変えて――工房から出てきた。全員が《サブオーロラ》の流儀に倣った新しい服を身につけていた。すり切れたフード、革の帯、金属のポケットがついたベルト、補強されたブーツが、地上の古い服に取って代わっていた。錆と油の臭いが布に染みついていて、その服にも歴史があるのだろうと思わせるほどだった。
アートは、煤で汚れた分厚い暗色の帆布のコートを着ていた。縫い目は不揃いで、縁には錆の跡がある。大きなフードが顔の一部を隠し、影の下で青い瞳だけを光らせていた。厚手の布のズボンを、使い古した工具ベルトで留めていて、それが彼に労働者のような雰囲気を与えていた。手には、焦げた革の手袋をはめていた。
ダイアナは、両脇に銀色の金属板がついた、袖なしの暗い革のベストを着ていて、腕がむき出しになっていた。薄紫の髪は――前は三つ編みだったが――今は高い位置でまとめられ、ほつれた髪が顔にかかっていた。すり切れた濃い灰色のキャップが、頭の一部を覆っていた――反抗的な雰囲気だ。革の帯で留めた細身のズボンと、底の厚い灰色のブーツ、そしてダクトの光の下で目を引く金属の手袋が、その装いを仕上げていた。
「服はそろったし、次は第一層ね」
若い《アーチャー》が言った。
「いいね! みんな似合ってるじゃないか……でも、このデカブツを見ろよ! こいつがうまく紛れ込めると思うか?」
ハロルドが、マルコスを指さして言った。
マルコスは、錆びた分厚い防護板のついた暗い革のベストを着ていた。それでも、しっかりとした作りのまま、動きやすさは保たれていた。乱れた茶色の髪と、油断のない緑の瞳が、壁の煤と対照をなしていた。膝を補強した革のズボンをはいている。重いブーツが、一歩ごとに金属の床に響いた。
ハロルドは、アートのものに似たコートを着ていた。彼のものは胸の前を軽い金属のベルトで留めていて、高い襟が顔の一部を覆っていた。短く整えられたひげは、周りの汚れた環境と対照的で、油断のない茶色の瞳が、黙ってすべてを見定めていた。手縫いのポケットがついた黒い綿のズボンをはき、太ももには革の帯を巻いていた。
「問題はそこじゃない。中に入れたとして、どうやって戦うんだ? 俺とエララとハロルドは魔法を使うから、武器はいらない。でも、ほかのみんなは? 弓も装備もなしで、ダイアナはどうする? 槍のないメンナは? 剣のないマークは?」
アートが尋ねた。仲間たちを見ながら身振りを交え、答えを待っていた。
「心配してくれてありがと。でも、自分たちでなんとかするから」
メンナが、そっけない口調で答えた。
彼女は、灰色がかった革の袖なしのコートを着ていて、肩には細い銀の帯が二本入っていた。白い髪は、今は高い位置でポニーテールにまとめられ、頭上のエネルギー管の青みがかった光の下で際立っていた。強い青の瞳が、刃のように薄闇を切り裂いていた――冷たく、それでいて生き生きと。煤にまみれ、地下の住人のような格好をしていても、まっすぐな姿勢と自信に満ちた歩き方が、その正体を物語っていた。兵士として仕えることに慣れた者だと。
「落ち着きなって、おじさん! 次の層には、腕の立つ見張りなんていないよ。いるのは科学者だけ。武器なんか必要ないって。それに、《ゼロ層》より下には、魔法を封じる共鳴装置があるんだ。つまり、そこじゃ、あんたもただの役立たずのおじさんってわけ」
エイデンが挑発した。赤い瞳の少年は、狙いどおりになったのを見て、にやりと笑った。
エララは、新しい服の暑さを感じながら、深く息を吸った。
「これじゃ、まるで犯罪者の一団ね」
《サポート》のリーダーは、一枚仕立ての、暗く重いマントをまとっていた。すり切れた革の帯で留められ、その帯がサスペンダーのように全体を支えていた。破れたフードからは、波打つ赤毛の房がこぼれて首筋にかかり、翠玉のような瞳の輝きが、薄暗い周囲と対照をなしていた。質素な変装の下でも、彼女には生まれながらの威厳があった。言葉より先に、周りを黙らせる眼差しだった。
「いいじゃん」
少年が笑った。
「ここじゃ、犯罪者のほうが長生きするんだ」
アートは少年を見据えた。
「それで、どうやって俺たちを次の層に入れるつもりだ?」
「とにかく、ついてきて! それと、また質問攻めにされる前に言っとくけど……ここで生まれたけど、ここにいたいと思ったことは一度もない、ってとこかな」
少年は、光がかすかに脈打つ金属の天井を見上げた。
「ここを自由だって思う人もいる。でも俺にとっては……檻なんだ。ここも、上も。だから、この見世物小屋が燃えちまえば、それで十分なんだよ」
一行は黙り込んだ。エイデンはフードを顔の上まで引き下ろしながら、出口へ歩いていった。
「行くよ! あんたたちの言う『《砕けた道》』に行けそうな道を知ってる。でも、街の果ては派閥の縄張りなんだ」
「そこには何があるの?」
ダイアナが尋ねた。
少年は肩越しに振り返った。疲れた笑みが浮かんでいた。
「次の層への門。それで、あそこを無事に通れた奴は一人もいない」
遠くから鍛冶場の音が響き、地下都市の人の声や機関の音と混ざり合った。
エイデンについて金属の通路を進むうちに、一つのことがはっきりした。《サブオーロラ》は、ただの隠された街ではなかった。一つの生きた有機体であり、彼らは今、その一部になっていたのだ。
しばらくすると、光が弱まった。
空気は濃く、暑くなり、鍛冶場の音は遠い唸りに変わった。エイデンは狭い通路の間を案内していき、やがて目の前に道が開けた。真ん中で亀裂の入った巨大な橋が、青緑色の霧に覆われた深淵の上に架かっていた。霧は、生きた煙のようにうごめいていた。
「『落ちた橋』……」
ハロルドがつぶやいた。
「いったい、何なんだ、これは?」
ケーブルが、断ち切られた動脈のように垂れ下がり、酸化した金属が、深淵から立ちのぼる熱気に震えていた。向こう側には、フードの見張りたちと、錆びた台座の上に組まれた見張り塔が見えた。そのさらに先には、次の層へのエレベーターがそびえていた。黄色がかった光に囲まれ、ゆっくりと回転する、巨大な円形の構造物だった。
エイデンは、ひび割れたダクトの陰にしゃがみ込み、橋のすぐ下の崖を指さした。
「あの下が……《砕けた道》だよ」
「下?」
ダイアナが彼を見つめた。
「あれ、毒ガスの井戸にしか見えないんだけど!」
「そうだよ」
少年が答えた。
「ガスは『試練』の一部なんだ。吸っても立っていられた奴が、次の層へ『進める』って言われてる」
「試練?」
アートが眉をひそめた。
「つまり、奴らは人々にあの霧を渡らせてるってことか?」
エイデンは頷いた。
「《ギア》は、それを『純粋さの証明』って呼んでる。ガスが、強い者と弱い者をふるい分けるんだって。向こう側に着けば、体が適応する……魂が強くなるって、信じてる人も多い」
彼は皮肉な笑みを浮かべた。
「本当のところは、話しに戻ってきた奴が一人もいないってことさ」
ハロルドは腕を組んだ。
「毒ガスの崖……地下都市の、さらに地下に。なんて無茶苦茶な工学なんだ!? 深さと長さは、どれくらいあるんだ?」
「ほかに道はないの?」
メンナが尋ねた。
「あるよ」
エイデンは上の足場を指さした。
「あの鉄の通路が、エレベーターまでまっすぐ続いてる。でも、使えるのは《ヒドゥン・ギア》の兵士だけ。出入りを仕切ってるのは《深淵の太鼓》だ。ああ! それと、ついでに言っとくと、渡るのはたったの五百メートルくらいだよ。深さのほうは……」
目の前の深淵を見つめた。
「深そうだね」
「五百メートル?」
ハロルドは目を見開いた。
「どんな影響があるかもわからないガスを吸いながらか!?」
「正確には、五百五十二メートル」
エイデンが訂正した。
「最初の三百メートルを過ぎると、霧が濃くなる。地面は不規則な間隔で崩れてて、三メートルから六メートルの裂け目がある……それに、下からの風が、何もかも中へ引きずり込むんだ」
「そのガスは、どこから来てるんだ?」
アートが尋ねた。
「次の層から」
「まるで地獄ね」
メンナがつぶやいた。
「ほとんどそんなもんさ」
エイデンは続けた。
「ガスは、記録が残ってないくらい古い部屋につながる割れ目から上がってくるって言われてる。濃さは、マスクなしなら、大人を二分もかからずに倒せるくらい。それに、ひび割れた橋を最後まで渡りきれば『生まれ変われる』って、本気で言う人もいるんだ。だから、こいつを持ってきた」
彼はフードの中から、小さなガスマスクをいくつか取り出した。
アートは眉を上げた。
「で、今までに何人生まれ変わったんだ?」
「ゼロ」
一行は、新たな囚人の一団が橋を渡って連れていかれるのを、黙って見つめていた。その中には、ほとんど歩けない身重の女性もいた。フードの見張りたちが、冷たく荷車を押し、台座まで引き連れていく。
エララは拳を握りしめた。
「罪のない人たちを連れていってる……」
「しっ!」
ハロルドが彼女を制した。
「今じゃない」
ダイアナは、フードをじっと観察していた。
「あの緑の人たちは、ほかとは違うよね?」
「階級だよ」
エイデンが説明した。
「苔色の緑は中間の指揮官。輸送と選別を受け持ってる。青は工学と研究。黒は……」
目を逸らした。
「黒は終点さ。紫については、言うまでもないよね?」
アートは深く息を吸った。フードのリーダーがシルヴェインに重い傷を負わせた光景が、はっきりと頭に浮かんだ。
「それで、これからどうするんだ?」
「信じるんだよ」
少年が言った。ポケットから何かを取り出す。小さな金属の笛だった。それを唇に当てて吹いたが、何の音も出なかった。
ハロルドは片眉を上げた。
「天才的だな! 沈黙で奴らを倒すつもりか?」
エイデンは口の端で笑った。
「おじさん、しゃべりすぎ」
ガラクタの山の陰から、黒っぽい毛の小さな犬が現れた。ガラスと金属くずで作られ、鼻づらに合わせて調整されたガスマスクをつけていた。犬はエイデンを見ると、尻尾を振った。少年はしゃがみ込み、丸めた手紙を首輪に取りつけた小さな入れ物に入れて、笛を二度、軽く吹いた。
「行け、ティモ! 道はお前のものだ」
犬は通路を駆け出し、低く漂う霧の中を走っていった。その目に、ガスの輝きが映っていた。小さな体は、青みがかった靄の中へ、たちまち消えていった。
メンナは、信じられないという顔で見ていた。
「あの子、一匹で《砕けた道》を渡るの?」
「信じて!」
少年が答えた。
「問題は、犬が渡れるかどうかじゃない……俺たちが無事に向こう側に着けるかどうかなんだ」
それがどういう意味か、誰かが尋ねるより先に、低い声が背後から響いた。
「いい場面じゃねえか……犬に、手紙に、笛……」
全員が振り返った。二人の男が、影の中から現れた。どちらも暗い色のベストを着て、腰に太鼓を下げ、左右で色の違う目が、ダクトの黄色がかった光に照らされていた。
「だがな、小僧、この下じゃ、太鼓が先に聞きつけずに笛を吹ける奴なんていねえんだよ」
張りつめた空気。遠くのエレベーターの音が、低く、絶え間なく響いていた。青い霧が、深淵からゆっくりと立ちのぼっていく。エイデンは本能的に一歩下がった。
「任せろ……」
アートが、ほとんど唇を動かさずにつぶやいた。
一人目のフードの男が、両端に刃のついた短い鎖を引き出した。二人目は、橙色にぱちぱちと火花を散らす電撃の棍棒を掲げた。最初の攻撃が来る前に、エララが手を上げ、一行に黙って散るよう合図した。
太鼓が、一度だけ鳴った。
ドンッ!
その音が響き渡り、混沌が始まった。
鎖の男が腕を振り回し、鋼がエイデンに向かって空を切った。少年は反射的に身をかがめた。
刃が、フードの布を切り裂いた。
敵が二撃目を構えたそのとき、力強い手がその手首をつかんだ。マルコスは男の腕をひねり、鉄の壁へと投げつけた。その衝撃の金属音は、機械の絶え間ない反響の中に消えていった。
「音は立てない、だろ?」
その隣に現れたハロルドがささやいた。
計算された動きで、《サポート》は半透明のマナの細い糸を生み出した。糸は二人目の敵の首に巻きつき、男を後ろへ引き倒した。続いてエララが踏み込み、男の胸に触れて、短い魔法の電撃を放った。男の体は弓なりに反り、こわばった。
一人目が、また起き上がった。息を荒らげている。メンナが正確な回し蹴りでそれを阻み、男を仰向けに倒した。ダイアナが身軽に、男の首に膝を押し当てた。
「少し寝てなよ、お友達」
男が意識を失っていく中、彼女は言った。
静寂が戻った。それを破るのは、遠くの機械の音と、ガスの唸りだけだった。エイデンは、まだ息を切らしながら周りを見回した。振り向いたとき、二人目の敵――電撃の棍棒を握っていた男――が、背後で起き上がり、今にも殴りかかろうとしていた。
棍棒が少年に届く前に、青い火花が空を走った。
背後から、アートが現れた。流れるような動きで体を回して一撃をかわし、棍棒をつかんで床に押しつけ、男を押さえ込んだ。衝撃が金属を震わせ、フードの男は気を失って倒れた。
アートは、まだ目を見開いているエイデンを見て、口の端で笑った。
「で、どうだ、坊主? 今度は誰がおっさんだって?」
エイデンは胸に手を当てて、引きつった笑い声を漏らした。
「わかった、今のはあんたの勝ち。でも、俺だってよけられたし……」
「ああ、そうだろうな」
アートは片眉を上げて答えた。
「あいつが二時間くらい待ってくれればな……」
ハロルドが近づき、二人の敵の脈を確かめた。
「しぶとい連中だな……まあ、大事なのは、うまくいったってことだ。ほとんど音も立てず、死人も出さず。完璧!」
エララは頷き、それから周りを確かめた。
「こいつらがいないことに誰かが気づく前に、ここを離れないと」
エイデンは、息を整えようと深く息を吸った。
「ティモは、もうすぐ向こう側に着くはずだよ……」
「これが、その道?」
エララが指さした。《サポート》のリーダーは、次の手順を頭の中で整理しようとしていた。
「そう! ほとんど崖登りだけどね。危ないから、誰もこの道を行こうなんて思わない。だから、ここを選んだんだ」
「リーダーがあのマナの翼を作って、みんなを連れて下か向こう側まで飛んだほうが、早くないか?」
マルコスが尋ねた。
「ああもう!」
ハロルドは額に手を当て、鼻を鳴らした。
「『目立たないように』の、どこがわからなかったんだ?」
「急いだほうがいいよ」
ダイアナが、真剣な口調で遮った。
彼らは気絶した敵をガラクタの山の陰まで引きずっていき、布と錆びた鎖で覆い隠した。遠くで、エレベーターの低い反響が、地下の雷鳴のように響いていた。少年はフードを直しながら振り返った。
「準備はいい?」
アートは、自信に満ちた半笑いで彼を見た。
「いつでも!」
そして、霧の青い幽かな光の下で、一行はひび割れた橋の縁から姿を消した。《砕けた道》へと続く、でこぼこの小道を下りながら。




