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じじいと妖精の大攻略

「こちら!天空黄金森です!名前の由来はあの黄金の悪魔が根城にしていたということで決まったらしいです!」


飛行船からアナウンサーがカメラに向かってデスたちがいた森の紹介をしている。ちなみに、マイクとカメラは魔法道具だ。とても稀少なものだ。


首都では、アナウンサーが話している姿が、ARの様にうつっている。勿論景色も見えている。これらも魔法の力だ。この世界は科学ではなく魔法で文明が栄えている。


余談だが魔法のプレート(スマホ)も魔法道具であるが貴族以上のもでなおかつ首都にいるもの達でしか持っていない。それほど稀少なものだ。魔法道具を作るのは難しい。


ロネスとリリエッタが街中を歩いていた。リリエッタは久しぶりの休日にロネスと演劇を見に行く予定をしていた。本心はとても休みたいのだが、ロネスがどうしてもというのでしかたがなく一緒に行くことにした。


「いやー、しかし暑いなー。」


「夏だからしょうがないよ。それより、演劇楽しみだね。」


「そうだな。」


正直楽しみではない。この演劇恋愛物なのだ。リリエッタは恋愛というものがわからない。というより興味がない。モテないことはなかったが、相手を好きになるという気持ちが良くわからなかった。勿論親愛という気持ちはわかる。異性としていや異性でなくても、恋という意味の好きということがわからなかった。


リリエッタの青春は剣と魔法と勉学のみ。それは、周りが無理強いしたのではなく、リリエッタ自身がこのんでやったのだ。


結果リリエッタは、学年主席で卒業した。


「リリエッタ!あんかあそこ映像でてるよ!やっぱり都会って凄いねえ!」


はしゃぐロネスを追いかけ、映し出されている映像の方に向かう。周りにも人がたくさんいる。


ロネスは映像をみて驚愕した。宿敵の黄金の悪魔のいた所がうつされているのだ。


「リリエッタ、これ本当?リリエッタはここで戦ったの?」


「ああ、ここで戦ったよ。今までで一番な敵だったよ。」


「やっぱり、アリスもいたの?強かったの?」


「ああ、アリスもいたよ。それに大半をアリスが殺したよ。」


「そうなんだ。私では勝てない?」


「今のロネスの頑張りはわかるが、到底勝てないだろうな。」


「私の血代能力をつかっても?」


「ああ。」


ロネスはアリスに騙されてから、修行をしていた。その修行には騎士団の人達が付き合っていた。その付き合っていた騎士団の人達も、もういないのだが…


今も修行している。修行しているときに自分の血を皆がみて驚いていた。なんでも血代能力というものがあるというのだ。


ロネスは母親に遺伝で血が黒いと説明していた。一般市民が血代能力を持っていたと知られると強制的に貴族か王族の子供を生まされるはめになる。そのために血代能力を隠す家系も多い。


そして、今では血代能力もそこそこ使えるようになっている。しかし、リリエッタはそれでも足りないといっているのだ。自分には魔法の才能がない。今は生命を削る気力の習得を頑張っている。それでも足りないのだろうか?


「私が気力を使えるようになっても、アリスには勝てない?」


「多分、無理だろう。やつは、歴史に残る程の魔法の才能があり、妖精もついている。勝ち目がない。」


「なら、当然ヒトミにも勝てないよね。」


「ああ、あいつは化け物だ。デスとアリスを両肩に乗せて団長と当時の副団長と剣で切りあっていたからな。」


聞けば聞くほど化け物な連中だと、ロネスは思った。今、森の映像が流れている。本当に空に浮いていて本当に凄いと思う。こんだけ才能がある人達なのにどうして人のためになることをしないのだろう。しかし、あの森いってみたいな。


「ふーん、そっか。リリエッター、なんであの森一般公開することになったの?私達もいけるよね?」


「行けるね。しかも、騎士団の飛行船を使うからいつでも乗れるぞ。」


「やったー、じゃあ次の休みね。」


ああ、また次の休日が潰れてしまった。


彼女は知ることはない。この後自分の持っているスマートプレート略してスマプに連絡が来ることを。団長から蛇の貴族がヒトミと妖精を見つけたことを。そして、騎士団が運営する天空黄金森が大人気で更に忙しくなることを。


黄金の悪魔は他国にいったので、追わなくてもいいという情報がただひとつの救いとなった。







ヒトミとプルトは都市を目指して空を飛行中だ。


飛行中、プルトにこの世界の今の文明について教えてもらった。スマプというのは、いろんな情報を見ることができ、お互いに通話というものができるらしい。


「プルトや、スマプというものをお見上げにして帰ろう。絶対にあの二人は喜ぶぞ。」


「そうですか。わかりました。後で買いにいきましょう。」


二人はるんるんで都市にむかった。


イクコ亜人国の都市ヘルメールについた。ここには、歴代の王達がいて、とても栄えている。首都と同じくらいに人口があり、建物も多い。


「いやー、ついたのう。プルトのいった通り周りになんか映像が流れておるのう。これがニュースというやつか?」


「はい、今流れてるのはニュースですね。他にもドラマやバラエティーなどもあります。」


よくわからんがいろいろあるのだろう。きょろきょろ周りを見渡しているとある映像に気づいた。


「見ろ!プルト!わしらの森がうつっておるぞ!」


「本当ですね。観光地にされるみたいですね。」


「ここはイクコ亜人国だが、他の国の情報も見れるのじゃな。」


「はい、国際放送はそうなりますね。」


「まあ、話してもなんじゃ、さっそくスマプを4つ買いにいこう。」


「3つじゃないんですか?」


「なんじゃ?わしとデスとアリスとプルトで4つじゃろ?」


「あ、そうですね。あ、ありがとうございます。一生の宝物にします。」


二人はたわいもない話をしながら、スマプ屋に向かった。


スマプの種類はたくさんありどれもいいデザインばかりだ。どうせならそれぞれにあった見た目のスマプを買ってあげたいと思う。デスにあう、黒のメラメラしているスマプを見つけた。


「すみません、これいくらですか?」


「1200万ナロです。」


「は?高すぎんか?」


「スマプは稀少ですのですみません。」


店内には確かに店員しかいない。それもそのはず、一般人には買えないのだ。


1200万とはわかりやすくいえば1200万ドルと一緒の値段だ。


しかし、困ったな。金がないのう。どうしようか…


こんな時デスなら何をするのだろう。


うーん、いやー考えなくてもわかるのだがいやーそれをすると、いやしてもいいのかのう。どうせB級犯罪組織だし。


うじうじ迷っていると、プルトが店員に向かって虹の光線を放った。


やはりうちの妖精は手が早い。


「すみません、殺す必要はなかったですか?」


「まあ、よい。どうせ金なかったし。」


プルトを許し、わしとプルトはそれぞれのスマプを選んだ。わしはさっき選んだスマプと銀色のシンプルなスマプを選んだ。


プルトは紫のおどろおどろしいこわいスマプを選んだ。たぶんアリスのだろう。果たして喜ぶのだろうか。


ヒトミはプルトが自分で決めるのを見ていた。どうやら自分で決めることが難しいらしい。


わしはプルトに金色のスマプを渡した。


「わしが選んでやったわい。金なのは黄金の悪魔からとった。どうじゃ?」


「なんと、こんな金なんてそれこそデス様にした方がいいのではないですか?」


「そんなことなかろうお前も黄金の悪魔の妖精なのだから。まあ、厳密にいえば黄金の悪魔の娘の妖精だけどね。」


そう笑うヒトミから渡されたスマプをプルトは手を震わしながら受け取った。自分たちを代表する色をえらんでくれて嬉しいのだ。プルトは最近嬉しいがいっぱいではちきれそうだ。



「じゃあ、他の所もみてまわろうか?」


「はい!」


二人が店を出ると、周りに強そうな亜人達がいた。見た目で判断するに、ここの警備兵達だ。


「お前達は包囲されている。おとなしく捕まれ!黄金の悪魔ども!」


どうやら、バレてしまったらしい。どこでバレたのやらしかし、そこは考えても仕方がない。


ここはいつも通り暴れてこの都市を消すか。なんたって歴代の王達もここにいるらしいし、人口もめちゃくちゃ多いらしいしここを滅ぼせばイクコ亜人国は国として回らなくなりいずれ滅ぶだろう。


デスなら喜びそうだ。ついでにやっておくか。バレたしね、バレてなかったらやらなかったけど。


そうぐちくぢ考えていると、プルトが虹の光線で警備兵を全て灰にした。


やっぱりプルトは手が早い。


「だめでしたか?」


「いや、別によい。しかし、やるからにはとことんやる。この都市を滅ぼすぞ。」


「はい!」


そこからヒトミとプルトの大虐殺が始まった。


街中の人は逃げまどうが津波の如く飛んで来る攻撃は避けようもなく瞬く間に人々が消え去った。


都市は首都に応援要請を出した。それをきいた兎の王様が兵隊を引き連れて都市へむかう。


ヒトミ達はまだまだ人を殺す。


「悪いがわしは黄金の悪魔!理由もなく人を殺すものだ!ハハハハハハハ!!!!」


悪魔の笑い声が、鳴り響く。妖精の黒い炎により、周りは戦争をしているそうな景色に変わっていた。


至るところに死体や瓦礫が落ちていて、荒廃している。泣き声がさんさんと聞こえてくる。


「おい!まちな!俺達は歴代の王だ!貴様を屠る!」


ヒトミ達の前に歴代の王達が現れた。


「やっとでてきよったか!さあどれ程強いか…わしを楽しませてくれよ!!!!」


「くるぞ!!!」


「断罪するスーパーシルバー!」


ヒトミの体から爆発したように気力があふれる。


「なんだ、あの気力の量は!普通なら死ぬぞ!」


爆発したような気力達がヒトミの剣に集まっていく。色が濃くなり銀色に輝きだした。


「おわりじゃ!」


歴代の王達はその眩しいほどの輝きが最後の光景となった。









一時間後


「いやー、歴代の王もたいしたことないのう。一撃じゃ。」


「流石です。ヒトミ様。その生命エネルギーは本当にすごいです。妖精の私でも尊敬します。」


「なんでも無限湧きじゃからのう。」


ハハハハハハハと笑う悪魔と妖精。その光景を見た生き残った人達は彼らに見つからないように瓦礫の中でうずぐるしかなかった。まるで寒い日の朝のように。






イクコ亜人国、首都。


「報告!都市が滅ぼされたもよう!」


「なんと!歴代の王達は!いただろう!?」


偵察員はなにもいわない。しかし、その表情だけでわかってしまう。


「ま、まさか殺されたのか?」


「全員殺されました…」


「なんと!今すぐ王に連絡を!王に首都に戻るように。」


これは非常にまずい。王の右腕宰相としてする行動を。しかし、あの都市が滅ぼされたとなるともうこの国はお仕舞いだ。


一刻も早く王に相談せねば。











ヒトミとプルトは家に戻った。


「ただいまー」


「おい」


デスが恐い顔でこちらを見ている。アリスも同じような顔でこちらを見ている。


「てめーらどこにいってた。心配したぞ!おめーらいねーしここどこかわからんし、たぶんお前の血代能力のせいでここから出れんし。めっちゃムカつくぜ!」


デスの怒った顔とその声をみてヒトミは気持ちが溢れてしまった。


「本当に意識がもどってよかった!!」


ヒトミはおもいっきりデスを抱きしめた。






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