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じじいと妖精

ここはどこだ?…


目が覚めると、砂浜にいた。周りは真っ暗だ。星達が綺麗に輝いている。まだ、頭がぼーっとする。


「お目覚めですか?ヒトミ様」


醜い妖精が話かけてきた。ヒトミは全てを思い出した。


「そうだ!デスとアリスは大丈夫か?」


プルトはなんだか、もじもじしながら泣きそうに話した。


「ご主人様とデス様はまだ目覚めていません。妖精の力で体はもう大丈夫だと思うのですが…まだ起きないようです。」


プルトが目配りする方を見ると、デスとアリスが眠ったように倒れていた。二人の体を揺すったが起きなかった。プルトに安静にしてほしいと言われて、渋々デスとアリスを寝かせた。


「プルト、砂浜じゃあ、回復しにくいと思うから家をだしてくれんか?」


妖精というのは基本なんでもできる。たぶん、家を出すことも出来るだろう。


「小さめの家にしてくれ、また見つかると困るからな。」


「かしこまりました。ご主人様のために。」


プルトは瞬く間に無いところから家を作った。そして、ヒトミはその家に飛行魔法を付呪した。


デスとアリスをベットの上に寝かせた。プルトには幻影をつくってもらい、姿を見えないようにしてもらった。さらに、雲の中に隠れてある。雲の中でも大丈夫なように自分の血代能力をつかって、触れるの反対で、雲や雷、雨などが触れれないようにした。



ヒトミはプルトがどこからかもってきたかもわからない、ご飯を食べていた。


「プルト、お前が俺らを治してくれたんだよな?」


「はい、そうです。ご主人様はもちろん、そのご家族も助けないとご主人様が悲しくなると思いそうさせていただきました。」


「プルト、ありがとうな。お前がいてくれて、助かった。」


プルトはとても嬉しかった。ありがとうといわれたことが少ないからだ。その少ないありがとうもアリスやデスからのものだ。プルトは本当にこの家族が大好きになった。


「それで、ここはどこなんだ?どこに飛ばした?」


ヒトミは現状を理解するために、まずここの居場所を聞いた。


ここは、バイド大陸というところにいるらしい。バイド大陸には、亜人や人間が混合している国がたくさんある。60年前の記憶が正しければ。


余談だが、我々がいた場所はセメント大陸で私たちがいた国はセメント大陸を全て支配している。そして、世界で一番強い国で、あまり、外の国とは関わらないことで有名だ。


それはセメント大陸出身の血族しか、血代能力を持つことができないからだ。バイド大陸の人間と子供を作っても血代能力は引き継がれない。そして、血代能力は、事象にまで影響し、強力な能力だ。これが、私たちがいた国が他国よりも力がある理由だ。勿論そんなところに、戦争なぞふっかるようなもんなら、逆に征服されてしまうため、他所の国は敵対しないようにいつも心掛けている。


因みにセメント大陸はバイド大陸より大きい。昔はたくさんの国があったが今は1つになっている。この1つになった戦争は、血代戦争と呼ばれていて、たくさんの血代能力が飛び交ったという歴史がある。


話は戻り、バイド大陸の話に戻る。


「そうか、バイド大陸か。今も亜人たちと仲良くしてるのかなー?」


そう、亜人たちと仲良くする考えをセメント大陸の人はもっていたい。だから、セメント大陸には亜人の人達がいない。そう、滅ぼしたのだ。だからバイド大陸の人達からは、薄汚い黒血人という差別用語で卑下されている。


「今も、共に暮らしているそうですよ。ただ、色んな国々が今は戦争しているそうです。だからこそ、ここを選びました。自分達のことで必死なら、国際指名手配の罪人は目もくれないでしょう。」


「そうかのう。わしらいうてもB級組織じゃからのう。まあ、プルトが考えてくれたなろそれでいいじゃろ。それにどこへいっても追われるなら、確かに戦争中で自分達のことで精一杯な所の方が隠れやすいしのう。」


そういえば、デスとアリスはまだ目覚めない。まあ、わしの回復力が凄いからしょうがないがデスとアリスは気力の部分に関しては普通みたいじゃ。気力とは生命エネルギー、死にかけで生命エネルギーが減った分回復しているというのが今の状態じゃろうな。


まだ、2日くらいかかりそうじゃ。その間どうしようかのう?


うーん。


久しぶりに、イクコ亜人国にいこうかのう。


イクコ亜人国はバイド大陸唯一、亜人だけでできた国。人口は1000万人。イクコ亜人国は様々な亜人がいる。その種類は100を越える。さらに、別の亜人と子供を作ることにより更に複雑化し、なんの亜人かわからない複合型の亜人も多い。


ヒトミはプルトが作ったご飯を片付る。プルトも一緒に片付けをする。


「いやー、この家水出るのすごいな。これなんていうの?」


「蛇口といいます。20年前にできた魔法道具の1つです。」


「魔法道具とは付呪と同じようなものか?」


「そうです。付呪したものを魔法道具といいます。現在は魔法道具を一般の人達にも普及して、ものすごく生活が豊かになっている国もあります。一番進んでいるのが魔導法国ですね。」


ヒトミがいなかった60年の間当たり前だが、文明は進んでいる。ヒトミはその事に実感し、その新たな文明に触れたいと見てみたいと感じた。


「なるほどのう。わしがおらん間に文明が発達しとるわい。プルト、イクコ亜人国を知っておるか?イクコ亜人国も文明が発達しとるのかのう?」


「してると思います。因みに今は兎の亜人が王様してるらしいです。」


「なんと、兎じゃと。一度あってみたいのう。プルトや、一緒に行かんか?イクコ亜人国。」


「ですが。ご主人様達が…」


「大丈夫じゃ、わしの反対の血代能力で触れれないようになっておる。それに、あやつらが起きるときに色々な情報があった方ら喜ばれると思わんか?」


プルトは考えた。今、騎士団は編成やら後始末やらでてんやわんやだと考えている。プルトの考えは正しく、騎士団は黄金の悪魔を追えるような状態ではない。したがって血代能力を無効にする騎士団長がこない。それなら、アリスが起きた後に情報を集めて褒めてもらうほうがいい。


「わかりました。ヒトミ様ついていきます。」


「よし、じゃあ明日の朝、イクコ亜人国に出発じゃ。」


早朝、ヒトミはプルトを肩に乗せイクコ亜人国を目指し飛んだ。プルトいわくワープしてすぐ着くらしいが、ヒトミはワープがあまり好きじゃないので飛んでいくことにした。


飛んでいると朝日が見に入った。とても美しいものだった。


「プルト見てみ、綺麗じゃろ。」


「そうですね。綺麗です。」


「な?飛行してよかったじゃろ。ハハっ」


朝日に照らされてそういって笑うヒトミの顔はとても温かく心が奪われそうになるくらい、可憐だった。


プルトの目にはヒトミしか写っていなかった。朝日が綺麗というヒトミの顔をまじまじと見ていた。心がなぜかざわついた。この時間が気持ちよかった。ヒトミと空を飛んでいるのが気持ちよかった。プルトは気付いていないが、自然と笑顔になっていた。



イクコ亜人国の辺境の村についた。この村は蛇の亜人達が住んでいるようだ。イクコ亜人国はいろんな亜人達が一緒にすんでいるが、たまにこのように自分たちの種族しか住んでない所もある。大抵は小さい集落や村などに多い。


「おーついたついた。やはり村だとあまり60年前と変わらないな。やっぱ都市当たりにいかないとだめかな。」


「はい、都市にはたくさんの魔法道具があります。ヒトミ様達が魔法媒体を手に入れるためにいった都市も魔法道具がたくさんあったと思いますが?見てこなかったんですか?」


「あー、入ったらすぐに君のご主人様が特大の火炎魔法をぶっぱなしてぼっこぼこにしたからのう、ゆっくり見回ることができんかってのう。」


「ご主人様は意外と大胆なんですね。」


「まあ、作戦みたいなこともあったし、大胆かどうかは、わからんのう。」


二人が話ながら村を歩いていると、周囲の目がとても集中していることに気付く。


蛇亜人しかいないのだ。そこに、人間と変な醜い生き物がきたら注目が集まるのは何も不思議ではない。


「おい、そこのイケメンのにーちゃん、ここにどんなようだい?」


ヒトミが声をする方に振り向くと、いきなり蛇亜人の兄さんが殴りかかってきた。


ヒトミが対応しようとしたら、プルトが虹色の光線をだして灰にしてしまった。


「おい!殺すことねえだろ!」


灰にされた蛇亜人の友達が怒りをあらわにそう叫んだ。


ヒトミは問題を起こさず、自分たちのこととか、この国のことなどの情報を集めてデスに伝えようとしていた。しかし、なんとなんと、プルトがいきなりやらかした。ヒトミはプルトのことを温厚な優しい妖精と思っていたが、少し手がはやいということを頭にメモをした。


「いやー、すまんとしかいいようがないのう。しかし、そっちにも問題があるぞ。」


「すまんで許されるか!」


「だったらなんで殴るのよ」


「それは…余所もんがきたから少し怖い目みさして舐められやんように…」


ほーん、ヤンキーちゅうやつか。昔もいたのう。こういう不良少年達。そこは今も変わらんのう。


「これは正当防衛じゃ。悔やむなら自分の行いを悔やむことじゃ。人に迷惑をかけることしたらあかんよ。」


「ううう、申し訳ない。で、でも!俺の大切な友達だったんだ!返してくれよう…」


「知らん!甘ったれるな。お前、勝手なこといいすぎや。確かに灰にするようなことは流石に可哀想やと思う。けどな、原因を作ったのはお前らじゃ。次あーだこーだいったらお前も殺す。」


周りはしーんとしている。プルトの光線をみて怖くなり動けないでいる。


プルトは申し訳ない顔をしている。自分がやらかしたことを理解している。けど、体が動いてしまった。プルトとにとってヒトミは大事な人の1人なのだから。


このままでは情報が手に入らない。どうしよう。プルトが殺してしまったし。うーん。


この時デスならどうするか



とりあえず、滅ぼすか。


うーん、ここで暴れても意味ないよなー。まあ、立ち去るのが一番か。


「プルト肩に乗れ、都市の方にいこうか。」


肩に乗ったら、そのまま飛行魔法で都市に向かった。


ヒトミ達が去ったら、蛇の亜人達はそれぞれ話だした。そして、もしかして黄金の悪魔ではないかと1人の蛇亜人がいった。そして手にもっているプレートを皆に見せた。


「ほら、ここに乗っている。騎士団を壊滅寸前に追い込んだ、黄金の悪魔のヒトミって奴にそっくりだ。しかも、あの変な生き物もいる!」


蛇亜人が見せているものは情報魔法をプレートにかけた。魔法道具だ。様々な情報をみてとれる。ようするに、スマートフォンのようなものだ。


「しかも、黄金の悪魔B級犯罪組織だ!早くイクコ亜人国に連絡しないと。」


こうして、何の変装もせず降りてしまったため、もう存在がばれてしまうヒトミ達であった。



「いやー、都市どこらへんだろな?」


「ヒトミ様わかりますよ。東に150キロの所にあります。」


「じゃあ、ちょっとスピードアップしていくか。」


「はい!」



二人の情報集め(ヒトミがただみて回りたいだけ)は始まったばかりだ。




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