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復讐  作者: 誠也
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追い詰めてやる

警察署からの帰り道、俺は考えた。復讐と言っても、赤ちゃんの俺に何ができるだろうか。笠井さんはきっとすぐに逮捕状を取って、神崎を逮捕するだろうし、そうなったら、こちらは手出しができない。笠井さんはいろいろ協力はしてくれたけど、逮捕を俺が復讐するまで待ってくれないかな。いや、警察として犯人をいつまでも野放しにはできないだろうし。くそ、時間も無いのか。

・・・そうだ、神崎を殺す方法がまだあった。確か殺人罪の刑で一番重いのが死刑だ。神崎を死刑に追い込めばいい。そのためにはまず、神崎の周りを全て敵にすればいい。

社宅に帰ると、裕太にお願いして、ツイスター、フェスブック等のSNSで神崎が犯した罪と死刑としてほしい旨を全て書き込み、どんどん拡散していった。もちろん夏希の名前は伏せている。今のSNSは情報が広がる速度がものすごく速いから、その内メディアが拾う可能性もある。そうなればこっちのものだ。

それから数時間後、神崎は笠井さんの手によって逮捕された。神崎逮捕直後の映像をテレビのニュースで放映されていたので、拡散の効果があったようだ。よしいける。あとは起訴されて、裁判員裁判になれば、ベストだ。

笠井さんの連絡によると、神崎は罪を否認しているようだが、家宅捜索をしたところ、防犯カメラに映っていたと思われるフード付きの上着と、俺の部屋の合鍵が見つかったようだ。問い詰めると鍵は夏希のものを拝借し複製したと吐いたらしい。これから夏希の証言と合わせてさらに追い込んでいくとのことだ。あとは笠井さんに任せて待つとしよう。

それから2ヶ月後、神崎の初公判が開かれた。メディアで何度か報道されるまでになっていた今回の事件について傍聴する人はそれなりに多くなっていたが、俺達はなんとか法廷に入ることができた。今回の裁判は、裁判員裁判ではなかったが、勝てる見込みはある。裁判が始まると、神崎側の弁護士は無罪を訴えるが、検察側は数々の証拠を基に神崎を追い詰める。客観的に見ても神崎側がかなり劣勢だ。そこに更なる追い討ちで、証人に夏希が出てくる。もちろん、衝立で神崎には夏希の姿が見えないようにしているが、夏希は少し怯えていた。検察の人が夏希を落ち着かせた後、証言が始まった。夏希がゆっくり、一言一言話す言葉に、神崎側の弁護士は焦りを隠せなくなっていた。神崎側が劣勢のまま、今日は閉廷した。量刑が重い裁判のためか、さすがに即決裁判とはいかないようだ。


「明菜、どうかな?勝てるかな?」

「有罪なのは間違いないと思う。あとは、判決を待つだけだ。」


それから2週間が経過し、判決が出た。

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