74 東の海に浮かぶ孤島編 part 01(改訂)
アクエリアス
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手紙には、古代の文字で綴られた謎めいたメッセージが記されていた。
「東の海に浮かぶ孤島に、古代の秘密が眠っている。その秘密を解き明かす者には、世界を揺るがす力が授けられるだろう」
アリス:「……これ、どういうことかな?」
ミクリ:「さて、どういうことでしょうね」
フノン:「地図にも載っていない場所からの手紙なんて、初めてのことです」
アリス:「ま、いっか! 面白そうだし! 力は別にいらないけど、ナゾトキには興味あるから行ってみよう!」
新たな冒険の予感に、アリスたちは期待に胸を膨らませて船を出した。
出航から数日後。
それまで穏やかだった空が急激に暗転し、遠くで雷鳴が轟き始めた。嵐の気配を感じ取った船員たちが、慌ただしく準備を始める。
船長:「全員、帆を畳め! 船体を固定しろ、嵐が来るぞ!」
荒れ狂う波が船体を叩き、冷たい雨が激しく降り注ぐ。
アリスたちは互いに声を掛け合いながら、荒れ狂う海に耐えていた。
アリス:「うう……船に酔ったよぉ。ゲホッ、気持ち悪い……」
ミクリ:「これだけ揺れたら、胃の中が空っぽになっちゃうな……」
フノン:「ふふん。私はこの程度なら平気ですよ」
アリス:「なんでそんなにピンピンしてるの……?」
フノン:「ハイエルフですから!」
ミクリ:「エルフって船酔いに強い特権なんてあったか?」
フノン:「いえ、私がハイエルフだからです!」
根拠があるのかないのか分からない自信を見せるフノン。
彼女は風を抑える魔法で船の揺れを軽減し、ミクリは素早い身のこなしで荷物が崩れないよう固定して回った。
しかし、これほどの猛嵐のわりに、船は驚くほど安定していた。
アリス:「……さては、またアクエリアスだね。干渉しすぎちゃダメだって言ってるのに」
数時間後、嵐は嘘のように収まった。
水神の「過保護」なおかげもあってか、船は大きな損害を受けることなく嵐を乗り越えた。
翌日、平和な航海を破る影が現れた。
遠くに船影が見えたかと思うと、それは猛スピードで接近してくる海賊船だった。
船長:「全員、戦闘準備だ! 相手は海賊だ、容赦はするな!」
アリス:「よし、気分転換にひと暴れしますかね!」
ミクリ:「そうですね。船酔いも吹き飛びそうだ」
フノン:「さっさと片付けましょう」
海賊たちが喚き声を上げながら船に乗り込もうとするが、相手が悪すぎた。
アリス:「この野郎! 横一文字ィ!」
アリスの一振りで、十人ほどの海賊がまとめて海へ吹き飛ばされた。
フノン:「メテオストライク」
空から降ってきた隕石が海賊船に大きな風穴を開ける。
ミクリは閃光の如き動きで敵の背後に回り込み、次々と海賊たちを無力化していく。
メリッサは後方で負傷者の治療に当たっていた。
(メリッサの本音:本当なら全員石にしてやりたいところだけれど、一般の船員たちの手前、化け物を見るような目で見られないよう、おとなしく加勢に徹しておきましょう……)
激しい戦闘の末、アリスたちは一方的に海賊を殲滅。
手に入れた戦利品を船員たちに分配し、再びのんびりとした航海を再開した。
しかし数日後。
船は未知の海域へと入り、海の色が不気味な紫色に変わり始めた。
船長:「気をつけろ! 海の中に何か巨大な影がいるぞ!」
その瞬間、水面を割って巨大な怪物が姿を現した。
アリス:「うわ、でっかいタコ!」
フノン:「あれはクラーケンですね。吸盤に気をつけてください!」
アリス:「吸盤だね、了解!」
ミクリ:「閃光攻撃!」
ミクリが怪物の目を狙って斬りかかり、フノンは「ファイアバースト」で船に絡みつく触手を焼き払う。
アリス:「気を70%込めて……縦一文字ィ!!」
アリスの強烈な一撃が、巨大なタコの頭部を真っ二つにした。
海には再び静寂が戻り、試練を乗り越えた一行は、ついに手紙に記された孤島へと辿り着いた。
アリス:「ここが、東の島かぁ」
フノン:「地図には存在しない島。不気味ですが、興味深いですね」
ミクリ:「人影はないけど、ジャングルの奥に何か見えるぞ」
島は深い緑に覆われていたが、その中心には天を突くような古代遺跡がそびえ立っていた。
アリスたちは船を降り、生い茂る木々を切り裂きながらジャングルの奥へと進む。
アリス:「ジャングルが深すぎて、道が全然見えないよ」
ミクリ:「かつては道だったんだろうけど、これだけ放置されていると意味がないな」
フノン:「私が焼いて広げましょう。ファイアバースト!」
フノンの加減した炎が草木を散らし、一行はようやく苔むした石造りの遺跡に辿り着いた。時の流れを感じさせる巨大な柱が、威圧感を持って立ち並んでいる。
入り口の石碑を、フノンとノームが解読した。
フノン:「……『ここには古代の力が眠っている。試練を乗り越えし者のみが、その力を手に入れることができる』と書いてあります」
アリス:「やっぱり手紙の通りだね。また不思議なクリスタルでもあるのかな?」
ディネ:「手紙の主が誰なのか、それも気になるところね」
ノーム「またエネルギーの秘宝かもしれませんね」
アリス:「もうあんな重たい使命は懲り懲りだよぉ!」
アリスたちは愚痴をこぼしつつも、内部へと足を踏み入れた。
中は薄暗く、壁には見たこともない奇妙な模様が彫られている。
ディネ:「気をつけなさいよ。この手の場所には必ず嫌な仕掛けがあるんだから」
アリス:「わかってるって。いかにも――」
ノーム:「あ、危ない!」
アリスが踏み出した足元の石板が沈み込み、四方の壁から無数の矢が放たれた。
フノン:「物理魔法障壁!」
フノンが瞬時に張ったバリアが、キンキンと乾いた音を立てて矢を弾き落とす。
アリス:「フノン、ナイス! 助かったよ」
フノン「仕掛けがあると聞いていたので、身構えていましたから」
ノームが罠の仕組みを解析し、フノンが残りの罠を魔法で解除していく。
アリス:「ここから先は、もっと慎重に行こうね」
ディネ:「最初からそう言ってるでしょーが!」
さらに奥へ進むと、壁全体がゆっくりと回転する奇妙な円形の部屋に辿り着いた。
ノーム:「この部屋、壁が動いて進む方向を迷わせる仕掛けになっていますね」
フノン:「中央の模様……これは太陽の動きを示しているようです。日中の角度に合わせて壁を回転させれば、道が開くはずです」
二人の知識担当が協力してギミックを解くと、ゴゴゴと音を立てて隠し扉が現れた。
アリス:「次の部屋もなんか変だよ! 床がスカスカしてる!」
ノーム:「床が突然崩れ落ちる仕掛けですね。下は真っ暗で、底が見えませんよ」
ノームが崩れない場所を正確に見極め、一行を先導する。
一つ、また一つと罠を突破しながら、アリスたちは遺跡のさらに奥深くへと突き進んでいった。
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一言:
嵐、海賊、クラーケンと、盛りだくさんの航海でしたね!
フノンの「ハイエルフ特権(?)」や、メリッサの「石にしたいけど我慢」など、キャラクターの個性が光っていて楽しい回でした。
次はいよいよ遺跡の核心部でしょうか、楽しみです!




