64 ジュノン共和国 動く迷宮攻略編 part 02
シバン迷宮の守護者を倒したアリスたちは、迷宮の心臓部にある「エルダの秘宝」を発見した
フノンはエルダの秘宝を手に取りしみじみ眺めている。
フノン「これがエルダの秘宝なんだ。手のひらに収まるほどの大きさのクリスタルで、光り輝く青白い色をしていた。クリスタルの中心には、複雑な紋様とルーン文字が刻まれており、それらは常に柔らかい光を放っているよ。」
クリスタルは、内側に多数の層を持ち、それぞれの層が異なる魔法的特性を持っている。外観からは単なる美しい宝石のように見えるが、触れるとその中に潜む強大な力を感じることができた。
アリス「すげ〜!不思議な石だね!」
フノン「あげないよ!僕が見つけたから」
エルダの秘宝は、ジュノン共和国の建国前から存在していたと言われている。古代の賢者エルダが作り出したもので、彼の知識と力が結晶化されたものらしい。
伝説によれば、エルダは天地創造の秘密と魔法の根源を理解し、それらを秘宝に封じ込めた。彼の目的は、未来の世代に知識と力を伝え、人類の発展と平和をもたらすことであった。
エルダの秘宝には、古代の知識と魔法の理論が全て収められていた。それを持つ者は、古代の言語を理解し、失われた魔法の技術を再現することができると言われている。
秘宝は強力な魔力を内包しており、持つ者に強大な魔法の力を与える。特に、治癒の魔法や防御の魔法に対して強い効果を発揮する。
フノン「アリスには必要がないよね」
アリス「わからないよ。もっと強大な魔力が使えるかもよ」
ミクリ「これ以上強大になったら、世界が一瞬で滅ぶかもよ」
アリス「そこまで言わなくても」
シバン迷宮そのものもエルダの秘宝の一部として機能しており、秘宝を持つ者は迷宮を自在に操作することができるとされていた。迷宮の動きを止めたり、新たな道を開いたりすることが可能らしい。
エルダの秘宝を使用するためには、持つ者が強い意志と魔法の素養を持っている必要がある。秘宝に触れると、内部のルーン文字が輝き始め、その力を活性化するとされている。
フノンが持っても反応しなかったけど、アリスが持つとルーン文字が輝き始めた。するとアリスの精神に直接情報が流れ込み、古代の知識が瞬時に大量に頭の中を流れてきた。
でも、脳みその容量の少ないアリスは馬耳東風で右から左に抜けてしまった。
アリスとエルダの秘宝
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アリス「なにこれ?何を言っているのか?さっぱりわからない!これじゃ、意味ないじゃん!」
フノン「なんで私は反応しないのでしょう?」
ミクリ「だめだ!これは!宝の持ち腐れだよ!
エルダの秘宝は元に戻そう!」
フノン「そうですね」
アリス「それがいいかも」
アリスたちはエルダの秘宝を元に戻して迷宮を出た。
すると一度止まった迷宮がまた動き始めた。
アリス「これで良かったのかもしれないね。楽しかったし。」
フノン「そうですね」
ミクリ「ほんと」
アリス「じゃ、行きますか。次の国へ。」
ミクリ「次はどこだっけ。」
フノン「南にグスタン共和国があるよ。」
アリス「それでは、グスタン共和国に出発します。」
アリスたちは、南のグスタン共和国を目指して、歩き出した。
グスタン共和国
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グスタン共和国は、海と山の国であり、豊かな自然環境に恵まれている。国の海岸線は長く繋がっている。また、国土の中央部には高い山々がそびえている。
グスタン共和国の経済は主に海産物に依存している。漁業は国内の主要産業であり、特に魚介類の捕獲と加工が重要である。水産業に関連する企業や雇用も多く、国民の多くがこの産業に従事している。
一方、山間部には鉱物資源が豊富に埋蔵されているが、これらの資源の採掘はまだ進んでいない。将来的には、鉱業の発展が期待されているが、現時点では人手不足、技術的な課題や環境保護の観点から慎重な姿勢が求められている。
海と山の両方に恵まれたグスタン共和国の文化は、多様で豊かである。漁業が盛んなため、海に関連する祭りや伝統行事が多く行われる。また、山岳地帯では古くからの伝統や風習が色濃く残っており、地域ごとに異なる文化が見られる。
観光業も発展していて、美しい海岸線や山岳地帯の自然景観を楽しむために多くの観光客が訪れる。エコツーリズムやアドベンチャーツーリズムが注目されており、観光資源の開発と保護がバランス良く進められている。
グスタン共和国は、海産物に依存する現状から、鉱物資源の有効活用による経済多角化を目指している。技術革新やインフラ整備が進むことで、鉱業の発展が期待されるが、環境保護や地域社会への影響を考慮しつつ持続可能な開発を進める必要があると中央政府は考えているようである。
アリスたちは、南の山を超えて、グスタンに入った。
しばらく進むと山間の村に着いた。
山小屋を用意してもらい、そこで一晩過ごした。
夜、外に出て空を見上げると満面と光る星々を見ることができた。
アリス「なんか。こんなにゆっくりと星を見るのも久しぶりな気がする」
ミクリ「ここ最近は、色々と慌しかったから」
フノン「たまにはいいと思うけど。こんな時間も大切だからね」
翌朝、アリスたちは主都のブエリアに向かって進んだ。
ブエリアに着くと町中の商店でちょっとした騒ぎになっていた。
町の人に話を聞くと、商品を積んだ貿易船が次々と沈没して、商品が町に入ってきていないために、人々がパニックになっているようだ。
入荷しない商品の高騰、一部の商人の買い占めによる更なる高騰により、一般市民は買えなくなってしまった。
ウワサでは港町のギルドも動き始めたらしい。
アリスたちは早速、港町ドアンに向かった。
ドアン港町では、最近貿易船が次々と謎の沈没事故に見舞われていた。多くの船員が海に消え、町の商店では入荷がなくなって経済的な大きな打撃を受けていた。噂では、この事件に水の神アクエリアスが関与しているらしい。この事件を解決するため、町は冒険者ギルドに調査を依頼していた。
冒険者ギルドでは、沈没の原因を探るため、港の古い文献や漁師たちの証言を集めていた。結果、いくつかの船が特定の海域で沈んでいることが分かり、そこには昔から「アクエリアスの怒り」と呼ばれる伝説があることまでわかった。
「アクエリアスの怒り」の伝説とは、
過剰な漁業活動が魚類や海洋生物の数を激減させ、海のバランスを崩し、アクエリアスの住む領域やその守護する生物たちが被害を受けると、突然の嵐や巨大な波が発生し、海中に巨大な渦巻きが現れ、船を引き込んで沈没してしまう。この渦巻きは、アクエリアスの力が集中した場所で起こることが多いために、アクエリアスの怒りと言われている。
ギルドでは海域の探索依頼を出していた。
アリスたちは、ギルドの依頼を受けて、伝説の海域へ船を出し、調査を始めた。




