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43 パルキニア共和国 空中都市ガナス編

挿絵(By みてみん)


アリス


--------------------------------------------------


アリスたちが森を抜けると、目の前に、巨大な都市が浮かんでいた。


アリス「えっ! 何これ! パルキニア共和国の第二の都市ガナスって、空中都市だったんだ!すげ〜。」


ディネ「あたしが知っているパルキニア共和国の第二の都市ガナスって、普通に地上にあった都市のはずなのに、いつのまに空に浮いたの?」


サラ「僕も初めて見たかも。」


ノーム「私も知っているパルキニア共和国の第二の都市ガナスは、普通の町だったと思います。」


空中都市の下の大きな窪地の真ん中に、神殿風の石畳みがあり、衛兵が4人立っている。


アリス「たぶんあそこの神殿風の石畳みが入り口だと思う。行ってみよう!」


アリスたちが向かうと、


衛兵「そこで止まれ!何用か?」


アリス「僕たちは冒険者です。これが冒険者証です。

ガナスの町に行きたいのですが?観光で。」


衛兵「なるほど。ミスリル級冒険者か。

観光でガナスに行きたいのだな。

通ってよし。その先に進め!」


石畳みの中央部を示されたので、アリスたちは3人で行ってみると転移が始まった。次の瞬間には町の端にある石畳みに転移していた。


アリス「なるほど。こうやって空中都市に移動するんだ。」


アリスたちが石畳みから出ると空中都市の南端に移動していた。そこから中央に向かうと、途中に広場があり、魔道具の露天市が開かれていた。


フノン「色々な魔道具が沢山売っている。ごめんなさい。ちょっと行ってきます。」


ディネ「ねぇねぇ!化粧品は売ってないの?

えーーーー!魔道具ばっかりじゃない。つまらないの。」


サラ「美味しそうな食べ物もここでは売ってないね。興味ないな!」


アリス「とりあえず宿を探そう!見物はそれからだね。」


アリスたちは、露店商人に宿の情報を聞き、行ってみた。

ちょうどいい宿を見つけたので、そこでゆっくり休むことにした。


空中都市は、中心部から放射線状に縦の道を形成して、その道に交差するように、円形の環状線の道が幾重にも形成されている。


その環状線には、魔力で動く乗合馬車が走っていた。

いわゆる電車である。魔力で動くから魔車?かな?

さすが魔法都市である。


フノン「魔力で動く車なんて、魔法都市はすごいね。

魔法の使い方が斬新です。

エルフの国は時代遅れを感じさせる。」


アリス「とりあえずご飯にしよう!

宿屋の主人に聞いたお店があるから行ってみようか!」


アリスたちが食事をしていると、となりの席の男が話しかけてきた。


となりの席の男「君たちは他国からきたのか?」


アリス「そうですが。」


となりの席の男「やっぱりな。冒険者かい?」


アリス「そうです。」


となりの席の男「この空中都市は変わっているだろう。なにしろ、パルキニア共和国の魔法の粋を集めた町だからな。」


アリス「どうしてこのような町を作ったのですか?」


となりの席の男「決まっているじゃないか。君たちも魔法士を志願しに来たんだろう。この国は今魔法士の育成に力を入れているからな。」


アリス「そうなんですね。なぜそこまで魔法士の育成に力を入れているのですか?」


となりの席の男「君たちは知らないで来たのか?

決まっているじゃないか。魔法を戦争に使うためだよ。」


アリス「戦争なら剣士や重装兵を増やした方がいいと思うのですけど。」


となりの席の男「何を時代遅れなことを言っているんだ。

今は魔法の時代だよ。君たちは知らないの?

シエステーゼの魔術師が、魔法で北の魔王の群勢を壊滅させた話し。魔術師の間ではすごく有名な話しなんだけど。」


アリス「ああ、知ってます。でも、魔法だけではなかったと聞いていますけど。」


となりの席の男「何を言っているの。一瞬であの壊滅状態だよ。魔法以外にないでしょう!」


アリスは一瞬ではなかったけど、でもそんなに時間をかけていないかな?などと考えていた。

ミクリとフノンは、笑いそうなのを堪えていた。

ディネとサラは、周りに見えないのをいいことにゲラゲラ笑っていた。


アリス「そうなのですね。」


となりの席の男「魔術師が北の魔王を倒したので、各国は魔術師に力を入れ始めたのさ。中でも、パルキニア共和国は力の入れ方が半端なく、各国から人材を集めるために、この魔法都市を作ったのさ。魔法技術の粋を結集してね。

ここでは、魔法魔術に関するすべての研究をしていて、かなりの金額を投資しているらしいよ。

この都市が浮いているのも魔法士によるもので、何十人も従事しているからね。

将来は魔法軍を作るつもりだと聞いているけどね。

だから、魔法が使える人間はここに集まってきているんだ。

君たちもそのつもりだと思っていたが、違うのかい?」


アリス「私たちは、旅の途中で寄っただけです。要するに観光です。私はあまり魔力は強くないので。」


となりの席の男「そうかい。それなら話し掛けて悪かったな。てっきり仲間だと思って。すまなかった。」


アリス「いえいえ、面白いお話しが聞けて楽しかったです。ありがとうございました。」


アリスたちは店を離れた。


ミクリ「面白い話しだったね。」


アリス「みんな笑い過ぎ」


フノン「でもそんなことになっているんだ。」


アリス「シエステーゼ王国では、力を入れていないけどね。」


ミクリ「ウワサってすごいよね。自分たちがやったことがあんなに大きな話しになっているなんてね。」


フノン「でも各国で魔法の研究に力を入れ始めたっていうのは本当かもね。ライリッヒ共和国の立派な研究機関にも頷けますからね。」


ディネ「みんなバカだね。人間ができる魔法なんて限界があるのにね。」


サラ「そうだよ。魔人ができることなら自分もできると思っているんだから。例外はそこにいるけどね。」


アリス「やっぱり魔法研究は進めた方がいいと思うけど、軍事利用目的というのはちょっと違う気がする。」


ミクリ「でもこれまでの技術の進歩は、すべて軍事利用目的だから仕方ないよ。」


アリス「確かに、インターネットも米軍が作ったしね。」


フノン「インターネット?米軍?」


アリス「なんでもないです。妄想です。とにかく、この国は今後、注意が必要だね。シエステーゼ国王に要請して、魔術師の密偵を入れておいた方がいいみたいだね。」


アリスは、宿に戻るとシエステーゼにワープして、すぐに戻ってきた。


ミクリ「もう要請してきたんだ。はやすぎ。」


アリス「私は簡単に王様に会えるからね。

それより、この都市で色々調べたいけど、軍事国家だけあって、警戒が厳しいので、明日の朝にはこの町を出ようと思っているけどいいかな?」


ミクリ「僕はいいけど」


フノン「かなり後ろ髪を引かれるけど、いいかな。見たいお店は回ったから。」


アリス「それじゃ、明日の朝には出発ということにします。」


それぞれ部屋に戻った。

アリスも部屋に戻ったけど


ディネ「なんかつけられているよ。あの店から。」


アリス「色々と話しを聞いてしまったからね。向こうの勘違いで。」


ノーム「魔法師の密偵だね。結構な魔力を持っているから。」


ディネ「軍の関係者でしょ。あまり関わらない方がいいと思うけど。」


アリス「そうだね。ここは気付かなかったことにして、明日はとっととこの町をでましょう!」


次の日、アリスたちは、転移した場所から下に降りて、空中都市を離れた。空中都市から、西に向かう途中の森で、怪しい魔法師たちに襲われた。


アリス「あなたたちは何者なの?」


向こうから何も言わず、火焔砲を撃ってきた。

フノンがすぐに防御魔法で対抗した。


アリス「ここでオートキャンセルは使えないから、フノン!カバーをお願いね!」


フノン「わかっているよ。」


アリス「ミクリ!行くよ!」


ミクリの先制攻撃とアリスの横一文字で相手を倒した。


アリス「魔術師は、格闘が苦手みたいだね!」


フノン「昨日からつけてきた連中だよね?」


アリス「たぶん!パルキニアの魔術師でしょう!軍部所属の!」


フノン「すぐにパルキニアを出た方がいいね。」


アリス「そうだね!とっととパルキニアを出ましょう!」


アリスたちは、アンデッドのケルベロス3体を召喚して、ケルベロスに乗って早々にパルキニアを出て、更なる西に向かった。パルキニア共和国の西には、トルネキア帝国がある。


挿絵(By みてみん)


トルメキア帝国周辺地域


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西の海岸線に沿って南北に長い湾岸国家である。海運業者が多く国の7割の収益を上げている。すべての物を交易の対象としており、貿易で国の経済を回している。軍事力も海軍に特化しており、軍艦の数は東西一である。

この西の海の向こうに、西の魔王領の大陸がある。

トルネキア帝国の首都、海運都市モンテールは、東西随一の海運交易都市であり、海外のあらゆる商品が揃っている。

アリスたちはモンテールに着くと長期滞在できる宿を探した。


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