40 盗賊討伐編 エピソード21 part1
シエステーゼ王国 シェラール王女様
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アリスたちは、シエステーゼ王国の王宮に直接転移した。
衛兵「シェラール王女様。ご無事でなによりでございます。」
アリス「何か変わったことはありませんでしたか?」
衛兵「特にございません。王族の皆さまはいつも通りでございます。」
アリス「では、ミクリ、フノンはありがとう。またすぐに出ると思うから、よろしく。メリッサは、ミクリたちと一緒がいいかな。私はお父様に報告してゆっくりお休みます。」
メリッサは状況が掴めなくて、オドオドとしていたが、ミクリとフノンと一緒に王宮を去った。アリスは国王の執務室に向かった。
アリス「お父様。ただいま戻りました。」
国王「おー。我が娘。シャルルよ。元気そうでよかった。」
アリス「お父様にご報告がございます。
ラインリッヒ共和国が軍備を拡大しております。兵隊を増強と同時に訓練していました。近いうちに、どこかの国へ戦争を仕掛ける恐れがございますので、対応策を準備した方が良いかと思います。」
国王「そうか。ラインリッヒ共和国だな。あそこは昔から武力で物をいうところがある。今度は何を言い出すつもりか?他はどうじゃ?」
アリス「後はアルメール王国に行きましたが、あそこはすでに、宗教国家になっておりました。王族よりも教皇の方が実権を持っているようで、国民の90%以上の信者を獲得していました。」
国王「宗教か。それはそれで厄介じゃな。その昔には宗教戦争があったくらいじゃからな。
今回はゆっくりできるのかい?」
アリス「いえ。少し休んで、今度は、西に向かうつもりです。西方の大国の動きが気になりますので。」
国王「あまり無理をするんじゃないよ。」
アリス「わかりました。それでは母上にもご挨拶してきます。」
国王「早く行ってお上げ。ずっと待っておったから」
アリスは国王の執務室を出て、宮廷内に向かい、母上に挨拶して、自室に戻った。
アリス「やれやれ、疲れた。ゆっくり休もうっと。」
2、3日ぼうっとすると、また旅したい意欲が湧いてきた。
こっそりと王宮を抜け出して、いつものミクリたちの宿に行った。するとメリッサが飛び上がって、ビックリした。
メリッサ「アリス様は、お姫様だったのですか?」
アリス「なんだよ。喋っちゃったの?」
ミクリ「いやバレるでしょ!」
フノン「私も未だに信じていませんから」
メリッサ「お姫様で。北の大魔王で。‥」
アリス「メリッサ。冒険者のアリスだからね。
それ以外の何者でもないから。
ところで、今回はギルドに顔を出しておこうよ。」
アリスたちはギルドへ向かった。
ギルドに着くとギルド長の執務室に通された。
アリス「お久しぶりです。ギルド長。」
ギルド長「みなさんもお変わりなく。おや!おひとり増えましたね。」
アリス「メリッサと言います。剣士の見習いをしています。
ところで、我々はそろそろ昇格していてもいい頃だと思うのですが、何か連絡はきたいませんか?」
ギルド長「そういえばかなり前にギルド本部から預かっていたものがあります。」
ギルド長が奥からなにやら箱を持ってきた。
ギルド長「お目当ての物はこれでしょう!」
箱からミスリル級の冒険者証を取り出して、渡された。
アリス「ありがとうございます。
やっぱりミスリルだと博が違いますからね。」
ギルド長「最近、魔物討伐の依頼はすっかり減ってしまったのですけど、代わりに盗賊団が増えています。ほっと出の盗賊団でしたらギルドによく来る冒険者で十分なのですが、盗賊団の中にちょっと面倒なのがいまして。
今まで7組の冒険者パーティを送りましたけど、全て倒されてしまったのです。中には金級の冒険者もいたのですけど、倒されてしまい、頭を抱えていました。
そこでお願いなのですけど」
アリス「わかりました。その依頼をお引き受けします。」
ギルド長「ありがとう。困った時にいつもすまん。報酬は弾むからな。よろしく頼む。
詳しいことは受付嬢のエリーゼに聞いてくれ。」
ギルド受付嬢 エリーゼ
受付で話しを聞くと
受付嬢のエリーゼ「全員で、20人の盗賊団です。5人の魔術師と5人の剣士と5人の魔剣士と5人の重装兵からなる集団です。
前衛の守りの重装兵、速攻系の剣士と一撃必殺の魔剣士、最後後衛の要の魔術師による遠距離攻撃と肉体強化アシスト、回復魔法によるホローと理想的なパーティが、5組みいる感じです。さらにその5組みを束ねる統領が、重厚兵の魔剣士で、動きも早く攻撃も威力が強いから、誰も逃げられない。
という感じです。
ここから西の街道を進み、山間を通る途中で、馬車で5日かかる位のところで、デュークという廃村に盗賊団の拠点があります。
みなさん。気をつけて行ってきてくださいね。
これまで7組の勇敢な冒険者が帰らない人になってしまいました。ギルドとしても何とかしたいのですが、これだけ犠牲者を出してしまうと、下手に依頼を出すこともできずに、困っていました。
カンタレラ王国の格闘技大会の優勝者のアリス様でしたら、きっと無事に倒していただけると信じています。
是非、今まで亡くなった冒険者たちの無念を晴らしてください。お願いします。」
シエステーゼ王国周辺地域
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アリス「任せてください。その盗賊団をやっつけてきます。」
受付嬢のエリーゼ「馬車はギルドが手配させていただきます。出発はいつにされますか?」
アリス「明日の朝に出発します。
ミクリ、フノン、メリッサはいいよね?」
ミクリ、フノン、メリッサ「大丈夫です。」
受付嬢のエリーゼ「それでは、明日の朝に馬車をギルド前に手配いたします。みなさん。よろしくお願いします。」
アリス「わかりました。」
アリスたちはギルドを出て、居酒屋に向かった。
アリス「また厄介な仕事を引き受けてしまったけど、みんなは大丈夫だよね。」
ミクリ「当然。そんなヤツは許せないよ。」
フノン「でも7組みの冒険者たちがやられるなんて、たぶん7組み目の冒険者たちは相当強かったはずなのに、やられるなんて、何かおかしいよ。」
ミクリ「確かに、普通に戦った感じではない気がする。」
フノン「何か罠が仕掛けてあると考えた方が無難だね。」
となりの席からなにやら盗賊団の話しが聞こえてきた。
となりの席の男「聞いたか?盗賊団の話し」
もう一人の男「ああ。西の方で酷く荒らしまくっているらしいな。おかげでも西の方には誰も行かなくなったらしいな」
となりの男「そうじゃなくて、ギルドから送られた冒険者の話し」
もう一人の男「いや。聞いてない」
となりの男「ちょっと前にミスリル級冒険者のパーティを送り込んだらしいけど、壊滅したらしいぜ」
もう一人の男「ミスリル級冒険者が?やばくね!」
となりの男「やばいよ!めちゃくちゃ!誰も盗賊団を退治できないんじゃね!」
もう一人の男「今後、西へは行かないようにしよう。」
彼らの話しを遮るようにメリッサが話し始めた。
メリッサ「アリスさんって、カンタレラの格闘技大会で優勝されたのですか?」
ミクリ「メリッサ。そうだよ。アリスは、今年のカンタレラ格闘技大会の優勝者だよ。」
メリッサ「ごめんなさい。頭の中で、色々なことがまだ繋がらなくて。」
フノン「大丈夫だよ。そのうち慣れますから」
アリス「それじゃ。みんな。明日からよろしく頼みます。
今日は宿に戻ってゆっくりして、明日から頑張りましょう!」
アリスたちはそれぞれの宿に戻って行った。
ただアリスだけはまっすぐ王宮へは帰らず、歩きながら考え事をしていた。
アリス「ディネ!どう思う?」
ディネ「話しがおかしいわね」
ノーム「盗賊団で、ミスリル級冒険者が叶わないなんて話しを聞いたことがないよ」
ディネ「普通の人間ではないかも」
ジェイド「魔族の可能性が高いと思う」
ノーム「でもいったい、どの魔族が?
南の魔王を黙らせたから?
でもあれだけやられたら、当分は大人しくしておくでしょ!」
アリス「東の魔王が私を裏切るとも思えないし」
サラ「北の魔王?」
アリス「ディアブロ!ないない!そんなことをしたら、ぶっ殺す!アルテミスがチクってくるはずだし」
ノーム「残るは、西の魔王か?」
アリス「確かに大魔王会議のときも何を考えているかわからなかったし、あまり発言していないし。私が魔王になったことを全面的に認めたという感じでも無かったから」
ディネ「その可能性が一番高いわね。確信はないけど。」
アリス「大魔王絡みだとすると、ミクリとフノンを連れて行くのは危険だよね。ちょっと西のデューク村跡まで偵察に行こう!」
アリスはデューク村跡の近くにワープした。
村跡に、盗賊団がいた。
普通なら盗賊団なんて寄せ集めの集団だが、そこにいる連中は訓練された兵士出会った。
盗賊A「ガッハッハ。人間なんてちょろいもんだ!」
盗賊B「この間のやつなんて、まあまあ強かったけど、最後は、助けてくださいと命乞いしていたからよ。」
盗賊C「来る連中、来る連中、ほんと大したことないのに。なんで、ギルバイン様は警戒しているのか?
わからないね!」
盗賊D「このまま人間たちを殲滅して、乗っ取ろうぜ!」
盗賊A「そうだよな!」
アリスは物陰から聞いていた。
アリス「ギルバインか。やはり南の魔王だな。
南の魔王の精鋭部隊のようだ。」
ディネ「気づいているわよね。」
アリス「ああ。気づいているさ。
そこにいるんだよね。メリッサ。」




