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31 新魔王国の再興編 エピソード16 part 2

挿絵(By みてみん)


アリス


----------------------------------------------------

ルシファー「アリス様。ご報告がございます」


アリス「ルシファー。どうした?」


ルシファー「先日のエルムガンド帝国が北の魔王に謁見した件ですが、今後もゲルデヘルム魔王国の支配下に入ることでまとまりました。

その後、エルムガンド帝国の中央に集結した10万の軍隊は、国境線に再配置されたということです。

これでエルムガンド帝国の不穏な動きは解消されました。」


アリス「なるほど、5体の巨獣は効果あったね。

それじゃ、巨獣の回収とディアブロを労いに、魔王城に行ってみますか?」


ルシファー「かしこまりました。」


アリスとルシファーはワープして魔王城の中央広間に現れた。

周りの魔族たちが騒ぎ始めた。

王座に座ったいかにも魔王の姿をした者がこちらに歩いて来た。


アリス「ディアブロ?!なんだよ!その格好は?」


アリスは、あまりに魔王の姿っぽく変貌したディアブロを見て、ケラケラと笑い始めた。


ディアブロ「アリス様。誠にもうしわけございません。

エルムガンド皇帝との会談するのに、北の魔王オルブレスになりきるために、ついこのような姿に変えてみました。」


アリス「ディアブロ!!いい!!いい!!

その姿のままで北の魔王オルブレスになりきって、ゲルデヘルム魔王国の復興を進めてくれ!


それより、エルムガンド皇帝の様子はどうだった?」


ディアブロ「それが、ある南の高名な商人からの進言があり、ゲルデヘルム魔王国は空っぽだから、今なら簡単に自分のモノにできるようなことを言われたので、新王にご挨拶のついでに様子を見に来たが、巨獣を見て恐れ多いとすぐに判断して、服従を誓いたいとの申し出となりました。

その後絶対の服従を誓い、退城して帰りました。」


アリス「南の高名な商人か?

何か引っかかるね。

ルシファーは何か知らないか?」


ルシファー「使い魔を世界中に配置して正教会の動きを観察していたのですが、正教会には不穏な動きは見られなかったのですけど、南の魔王が何かコソコソと動いているようなのです。」


アリス「南の魔王か。私を一番嫌っていた魔王だからね。

表立っては動けないけど、影で動いているということかもしれないね。」


ルシファー「まだ不確定な情報ですが、南の国で一番の暗殺ギルドで大金が動いたという話しを聞きました。

どうやらシェラール王女の暗殺に大金が掛かったとのことです。」


アリスは目を潤ませて嬉しそうに言った。


アリス「南で一番の暗殺ギルドか? いいなぁ!

早く会いたいなぁ!」


ルシファー「アリス様!危険です。一度お隠れになった方がよろしいのではないでしょうか?」


アリス「ルシファー。大丈夫だよ!

じゃ、今度はシェラール王女として、派手に動いてみようかな?

試してみたい剣技もあるし。」


ルシファー「試してみたい剣技とは?」


アリス「それがさあ。

先日、町の露店で美味しそうな飲み屋を見つけたから、入ったら、すごいオーラを持った人がいて、隣で飲んでたら、意気投合したんだよね。

その人は、剣聖プロミテウスという人で、分身5体の攻撃の交わし方について議論していたら、ミラーという剣技を教えてくれたんだよ。

早く使ってみたいなぁ!暗殺者が楽しみだね!」


分身は、5体出せても、現実には1体からしか攻撃できない。つまり、実態は1人で、残りは残像である。真の1体の攻撃なら止めようがある。

そこで剣聖プロミテウスがいうには、剣技ミラーを使うこと、同時に2体の攻撃となる。

鏡に写した左右対称の攻撃だから、同時に防ぐためには、剣が1本では無理である。

その剣技ミラーを教えてもらったから、早く使ってみたくて仕方ないアリスでした。


アリス「ルシファー!それでは、巨獣を回収して、とっとと帰るよ!そして、シェラール王女として、リンデン国王様に謁見しに行きましょう!主旨は、エルムガンドが、南の高明な商人にそそのかされた件について、ご相談ということで。まあこれで、南の暗殺ギルドも動き易いでしょう!

うん!楽しみ!楽しみ!」


アリスは、巨獣を回収して、王都に戻り、リンデン王国へ向かう準備に入った。本当なら、一人で馬に乗って行っても良かったが、暗殺ギルドに狙われやすくするために、馬車でごく少数の護衛のみにして、ゆっくりリンデン王国に向かうことにした。


**************************


精霊の会議 8人

場所は、亜空間の会議室。

「皆さん集合しましたね」


ノーム議長が木槌を叩く

「トントン」


「これから第21回8大精霊会議を始めます。

議題は、南の魔王の件です。」


ノーム「南の魔王が仕掛けて来ましたね。」


ディネ「あのクソジジイは、昔からそういうタイプでしょ!」


サラ「おれも嫌い」


セレネ「南の魔王は影でコソコソして、なかなかしっぽを出さないから気をつけないと」


ジェイド「南の魔王って、陰険だから、下手に難癖をつけると、それを逆手に取って、合法的に攻撃するから、めんどくさいよ。」


シルフ「やっつけちゃえば。」


ジェイド「あいつは、自分は何もしていないのに攻撃して来たと言って、東の魔王と西の魔王を味方につけて、こちらに攻撃するつもりだよ。」


エスト「3大魔王を一緒に相手するのは大変ですよ。」


ノーム「下手したら、正教会も味方につける可能性もあります。」


ウィスプ「それは無謀ですね。聖騎士団を相手にしたら、ジェイドさんもディアブロさんもルシファーさんも無力ですから。聖気を使われると破壊力もすごいしね。」


サラ「そういえば、聖気は契約者も使えたね。ちょっと剣を振っただけで、練習場をぶっ壊してた。」


ディネ「あのバカ契約者は何も考えていないから」


エスト「南の魔王の暗殺者はどうするの?」


ディネ「それは心配無いわ。」


サラ「契約者だけで十分対応できると思うよ。」


ジェイド「南の魔王よりも正教会の方が手強いかもね。」


エスト「正教会の対策は考えておかないと契約者でも対処は難しいから。」


セレネ「聖騎士ってアンデッド化できるの?」


ジェイド「ぼくは無理だけど、ディアブロならできるかも」


ディネ「聖騎士の相手は、巨神獣に頼るしかないかもね。」


ノーム「それでは南の魔王には騙されないで、正教会は巨神獣で対応ということでいきたいと思います。

以上。」


パチパチ(拍手)


**************************


馬車を出発させて2日目のことでした。

山間の街道を進んでいるときに、街道を塞ぐように人が倒れていた。馬車が止まる。


御者「主人様。道に人が倒れていて、馬車が通れません。いかがいたしましょう?」


アリス「私が降りる。そのまま馬車を止めておけ。」


アリスが馬車を降りて、倒れている人に近寄る。


ディネ「右前方に4人、左前方に2人、後方左に10人いるから」


まず後方左より矢が来る

アリスが剣で払う。右前方4人が小剣を持って出て来る。

アリスが大剣で4人の剣を受け止めて、まず2人を倒す。

後ろから10人が現れて、アリスに襲いかかる。

アリスは気を込めた横一文字で、5人を倒す。

残り5人がクロス攻撃を仕掛けてくる。

アリスは、その攻撃をすべて剣で受け交わして、気を込めた横一文字を振る。3人が倒れる。

4人が周りを囲んで、同時に襲いかかる。

すべての攻撃を剣で流して、回転しながら、横一文字で2人を倒す。残り2人も逃げる後を追って1人倒して、残り1人も一刀両断にする。

馬車に戻る途中から、左前方にいた2人が現れた。

まず1人が素早く突進して来る。


アリス「速い!でも」


アリスは大剣で受け流して、過ぎ去るところを左手の小剣で切り裂く。1人が倒れる。


最後の1人と相対する。


アリス「これまでと段違いで強い。」


アリスが二刀流の構えをすると、向こうは、剣に覇気を纏い素早く切り込んでくる。アリスは気を込めて2刀剣で受けるだけしかできなかった。

アリスは小剣を閉まって、大剣を持って、下段で構える。


アリス「剣技ミラー(実体分離攻撃)」


アリスが2人に別れて、左右から同時に連続電撃攻撃を仕掛けた。相手は片方だけなら受け止められたが、もう一方は受け止められなかった。


アリス「剣技が決まると気持ちいいよね!

ミラー。すごくいい!気に入った!

でもめちゃくちゃ疲れた。

連続の電撃だけでも2倍は疲れるのに、さらに2倍の物理攻撃を連続ワープで放つなんて、16倍疲れるんだけど。

でも結果はすごい満足!いいね!!」


それからアリスは馬車に乗って、リンデン国王と謁見して無事に帰ることになった。

国王との謁見で、南の高名な商人は、ヒグナス商会のフォグナースという人物であることがわかった。

アリスは帰りにヒグナス商会に寄り、フォグナースに会おうとしたが不在であった。(ディネの報告では、その場にいた事がわかっている)

仕方ないので、そのままシエステーゼ王国王都に戻った。


王都では、英雄として人々に歓迎された。

馬車が王宮に着いた。アリスはすぐに王様に報告した。


正教会にはまだ動きがないようだ。

いや、まだまだ。安心できない。

聖気を使う聖騎士団が相手では魔族は勝ち目がない。

では、どう戦うべきか?について対策を考えて置く必要がある。


ルシファー「アリス様。ご報告がございます。」


アリス「ルシファー。今度はどうした?」


ルシファー「使い魔に、ヒグナス商会を見張らせていましたが、先日、動きがございました。

それは、巨獣の召喚石を買い求めるとのことでございます。」


アリス「一商会が巨獣の召喚石とはあまり聞かない話だ。何かあるなきっと。もし巨獣の召喚石を手に入れたら、どんな巨獣かをすぐに教えて欲しい。

事前に対策を考えておく必要がある。」


ルシファー「かしこまりました。」


アリス「ヒグナス商会のフォグナースはいったい何を考えているのか?まさかシエステーゼ王国に侵攻しようとしていることはないよな。一商会の分際で。」




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